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夏の成功と失敗。転職の成功と失敗。

お盆が終われば、まだまだ暑いってのになんだかもう今年の夏は終わった気分になる。
「今年の夏ももう終わりかぁ…」
なんて口にすれば本当に夏が終わってしまった気がして随分と寂しい気持ちに襲われる。

とは言え今年の夏に思いっきり思い出がある訳でもない。
若い頃の夏といえば、暑さと開放感に身を任せイケナイ遊びをすることも多かったが、すっかりいい歳こいたアラフォーの自分にはそんなこと出来事とは無縁だった。
職場と自宅の往復。至って普通のアラフォーな夏を過ごした。

また一つ歳をとったと感じた夏の終わりに、会社の女性と飲みに行く機会があった。
自分は転職してきた人間だから彼女の年齢は分からないが、顔の雰囲気や周りの職員の接し方を見ると何となく自分より6,7歳は年上な感じがする。
そんな女性と二人きりのサシのみだ。

寂しい夏の終わりに二人っきりでサシ飲みなんて、
「イケナイ夏が遅れてやってきちゃったか?」と、すっかりいい歳こいたアラフォーが、これまたいい歳こいた女性との飲み会に浮かれていた。
もちろんその日の仕事は定時で終わらせた。

待ち合わせ時間は19時。
場所は繁華街のハズレの大衆居酒屋。やたらと騒々しい店の個室だ。
聞けば、今日は旦那の帰りが遅いらしい。
これはいよいよ何だかありそうな気がするぞと思いながらも、やかましい居酒屋の個室で二人きりの飲み会は始まった。


聞けば、我が社の退職者たちが集うSNSだかLINEグループだかが存在するらしい。
そりゃあ最近話題のアルムナイ的なものくらいどこの組織にも存在するだろうと思ったが、どうやらそうではないようだ。

そのSNSは我が社を中途退職した者たちが集い、我が社の人事異動や組織改定について議論されているようだ。

「営業の誰々がパワハラで左遷されたらしい」
「今どきこの程度の制度も整ってない会社なんてマジ終わってる」
「辞めて本当に良かったとおもってるよ」
「みんな早く辞めてこっち側に来れば良いのに!」
こんなやりとりがされているらしい。

自分も転職を経験した身だ。
かつて勤めた勤務先のことが気にならないといえば嘘になるが、ここまで執拗に追いかけたことも、追いかけようとしたことも一度もない。
そもそも退職した会社の人事異動情報をわざわざ取得してきて、わざわざ議論しようなどと考えただけでも面倒臭い。
だがそれをこのコミュニティーに属する人間たちは、人事異動や制度改定のたびに繰り返しているというんだから、「なんと暇な人たちだ」と感じざるを得ない。


ここまで執拗に過去の職場に付きまとうのは一種の狂気。
暇の極みか嫉妬の極みかのどちらかだ。
そしてここに集う人間たちの心理はきっと後者だ。
自分たちの選択は間違っていなかったと自分に言い聞かせたいだけの負け犬の巣窟。
「こんな制度も整ってない会社なんて辞めて正解だよ」と、お互いに言い聞かせ合い、傷を舐め合う負け犬集団。

…なんて情けない奴らだ。

自らの決断に責任も取れず、
周りを蔑むことで自分を満たしている。


転職が当たり前の時代となったが、本人たちが望んだ転職はこんな転職だったろうか。

CMや書籍では「キャリアアップの転職」「転職で年収○倍」とまるで転職すれば世界が変わる、転職しないからいつまでも勝てないかのような論調だが、転職の実態は年収は上がるどころか下がる方が多いらしいじゃないか。
それは本当にキャリアアップなのか?

少なくとも自分の目には「逃げの選択肢」にしか映らない。

我が社を退職した人間たちが集うSNSのように「いつまでも周りを蔑むことでしか自分を立たせられない奴」はどこに転職しようと明るい未来など待っていない。
結局、自分が腹を括るかどうか。
転職すれば青い芝が待っているなんて、そんなことはあり得ない。
どこにいようが目の前のことに情熱を持って取り組めるかどうか。ただそれだけが未来を作るんだ。


今、転職を考えているあなた。
転職の本当の理由は何ですか?
表向きはかっこいい言葉に包んでるけど、本心では単に現実から逃げたいだけだったりしませんか?

逃げの転職の全てが悪とは言わないが、逃げたことを一生後悔して周りを蔑むだけの人生にはしないでほしい。
そこんところをじっくり自分と向き合ってみてはどうだろう



さて彼女との飲み会は、冴えない店員の一言
「当店時間制になりまして。次のお客様がお待ちですので席を開けてもらえますか?」
であっさり終了した。
時間制なら最初に言ってくれよ…。

急に追い出されたもんだからトイレに行く暇さえなかったから、店を出るなり急いでトイレを探す羽目になった。
彼女の口から「どこかホテルでトイレ借りようか?」と聞こえた気もするが、その時の自分は「どこかのホテル」なんて探している余裕などなかった。

無事に駅前の公衆トイレで用を足すことが出来た。

こうして今年の夏は終わりを迎え、また一つ自分の人生の夏が過ぎ去った。
秋はきっと良いことありますように。



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