見出し画像

ランニング視点でApple WatchとGarminを比較

腕時計メーカーで商品企画を8年ほどしていたことがあります。そのため「ランニングウオッチ・GPSウオッチ」には腕時計視点とランナー視点両方で見る習慣があります。

Garmin Loverでして8年ほど前から6つのGarminを使用してきましたが、この度Apple Watchを購入しました。両者をご検討されている方もいると思いますので、ランニング視点で比較してみたいと思います。

画像1

↑Apple Watch Series 6 

■私の走り方(過去と現在)

ご参考に私のランニングの仕方(ランニングウオッチ利用シーン)をお伝えします。

現在はゆるいジョギングを週に3−4回、1回の距離は5−15km、ペースはキロ6分ー8分。数年前はフルマラソンを頑張っており自己ベストは2時間56分。

インターバルやペース走行、LSDなどレース向けトレーニングについても一通り経験したと思います。一方現在はこの通りのゆっくりジョガーです

そんな元腕時計屋ランナーの私がApple Watchを購入してランニングをしてみての、Garminとの比較をしました。自分が大事だと思う14項目を私の考えで比較してます。

少し長い記事なので、最初に結論を、その後に各項目の詳細を書いてます。

■結果のサマリ

1:時計としてのキャラが違うので単純比較はむずかしい
2:Apple Watchでも普段のランニング・ジョグは十分にできる
3:でも、シリアスシーンでは完全にGarmin(トラックやレース)

■比較した14項目と結果一覧

画像22

各項目について以下でご説明します。

■キャラの違い

まず、製品自体のそもそものキャラが違います。人に例えると、

Apple Watchの自己紹介
「僕は色々器用にこなせます。遊び・勉強・スポーツ、なんでもそこそこできます。ファッションも好きで見た目にも気を配っています。やっぱり健康や運動って大事ですよね。でも僕自身はスタミナないので毎日充電してください。」

ファッション感度が高いけど体力は無い、何でもできる出来杉くん(ドラえもん)という感じでしょうか。

画像3


引用:https://www.tv-asahi.co.jp/doraemon/

Garminの自己紹介
「自分は体育会系でこれまで第一線走ってきました。最近はライバルも多いですが今でもNo1と自負しています。体力には自信あります。最近の悩みは、若手のようにマルチに器用にできないことです。でも自分はブレずに生きたいです」

一本気なスポーツマンという感じでしょうか。ゴリ(スラムダンク)のようなイメージかもしれません。

画像4

引用:https://itplanning.co.jp/works/slamdunk

出来杉君とゴリをランニングだけで比較し、人(製品)としての優劣付けるの難しい、と言う点ご理解ください。出来杉君はランニング以外にも、算数や美術も得意かもしれません。

今回はあくまで「ランニング視点からのみ」であり、製品の魅力を1視点から切り取ったものです。

では14個の各項目を具体的に見ていきましょう。

■比較のやり方

・Apple Wacthを1ヶ月半、20回ほどランニング使用しての感想です。
・比較時はApple WatchとGarminを左右の腕につけて走りました。
・Apple WatchではWorkoutという純正アプリを使用しました。

■1:GPS捕捉まで(ラン前)

→Apple WatchはGPS取得待ち時間不要。Garminは必要。

Garminユーザにはお馴染みの「GPS捕まえるまでの待ち時間」、Apple Watchではそれがありません。通常時からGPSが働いているので、ラン前はそのステップは不要でいきなりラン開始できます。

Garminでは:
外に出る→ランニングモードに切り替える→GPSを補足まで待つ→GPS補足→ボタンプッシュしてスタート(計測開始)

Apple Watchでは
外に出る→Workout App起動→運動Menu(ラン)を選ぶ→3秒後に自動スタート

画像5

なので、元Garminユーザ視点では
・スタートまでの時間が相当短い
・「スタートした!」という感覚が薄い(Menu選択後3秒後に自動開始」”スタートボタン”が無い)
・GPS補足できてるのか不安(実際には大丈夫)
という印象を最初は持つと思います。ガーミンユーザは違和感を最初感じると思いますが、慣れるとシンプルで良いなとも思えます。

■2:距離測定

→どちらも正確

通常の住宅街や公園のランニングでは、Apple WatchでもGarmin同等の距離が取得できました。Apple Watchも意外と正確で驚きました。今のGPSの精度は良いのですね。(当方東京23区内です)

一方で、山などではまだApple Watchは試していませんのでそこでは差分が出てくるかもしれません。

■3:心拍数測定

→どちらも正確。ただしApple Watchはバンド種類・サイズによりかなり落差あるので注意。ソロループバンドは厳しいのでおすすめしません。バンド選びは慎重に。

本体裏面に心拍センサーが内蔵されています。ランニング中に2本装着して走りましたが、Apple WatchもほぼGarminと同等の心拍数が表示されてました。

<注意>
Apple watchでのランニング中の心拍取得は、本体のフィット感に大幅に左右されます。私は当初、ソロループというシリコンバンド(サイズ固定微調整不可)を使用してました。

手首が細いので最小サイズ(4)のバンドにしてましたが、それでも微妙な隙間が本体と手首の間にあり、ラン時は本体が手首上が少し動いてました。

それが原因で心拍が取れないことが約半分の確率であり、心拍数推移のグラフが生成されませんでした。(十分な心拍情報の取得が無いとグラフは生成されないようです)

画像6

↑「心拍が十分取れずグラフが作れません」ラン後にこれをみると悲しいです。

画像23

↑部分的に取れてないことも

腕とウオッチの密着度を上げるため、スポーツループというベルクロバンドタイプ(サイズの微調整が可能)を追加購入してタイトに付けたところ、取れる時間が大幅に増ました。

画像7

↑ベルクロバンド(スポーツループ)。フィット感は調整可能なので、ラン中の心拍取得も問題無し。

そのため、Apple Watchラン中の心拍数を取得するためにはバンドの選定は重要と思いました。

残念ながらソロループはあまりおすすめしません。ソロループバンドでラン中の心拍を取ろうとしると、かなりタイト目のサイズを選ぶ必要があります。(私は44mmヘッドの最小サイズ”4”を選びましたがそれでも心拍がうまく取れてません。サイズ3にも対応して欲しい所です。(私の手首周りは実測15cmです)

ソロループはサイズ調整ができません。ランニングを重視すると、ラン中の心拍が十分取れる程の、タイト感で一日中過ごすことになります。それはさすがに気になると思います。

ソロループで運動中の心拍もどうしても取りたい場合は、運動中のみ手首にスペーサー的な何かを挟みタイトにすると少し改善します。例えばティッシュとか挟むとか。次善の策としておすすめです。

画像24



バンド選択
より確実にラン中の心拍を取りたい場合は、スポーツループ(ベルクロバンド)やスポーツバンドなどの、タイトに調整できるものが必要です。

一方で複数のバンドを購入する場合、Apple Watchのバンドの値段は特に高過ぎます。ナイロンベルクロで5,000円はどうなんでしょうか。。Amazonで似たものが1,000円前後で売ってますので、そちらでも良いかと思います。

画像8

画像9

2021年11月追記:
気温が下がるとApple Watchのラン中の心拍計測の精度は大きく落ちることがわかりました。春夏と同じ条件で計測しても計測不可であったり、異常に高い心拍数を指し示したり。
(以下画像事例:キロ7分のジョグで心拍数が170近くの表示。体感的には110前後。加えて心拍を表示できている時間がとても短く、ラン終了後の心拍グラフは情報不足で作成されてない)

画像25

気温の下がる秋冬は使えないことが多い、と思った方がよさそうです。(ランはむしろ冬がメインシーズンなので残念ですが)

■4:ラップタイム取得

→距離毎のオートラップはどちらも正確。マニュアルラップはGaminの方がやりやすく信頼性高い。

1kmごとのオートラップはどちらも正確です。

一方で、トラックや公園を周回で走る時に、マニュアルでラップを取りたい時は物理ボタンでラップを切れるGarminのほうが良いです。

Apple WatchではスクリーンダブルタップでSegment(Lapのようなもの)が取れるようです。

ただ、ランニング中という特殊な状況で、スクリーンをダブルタップという繊細な動作ができるか、疲れている時や、雨や汗で画面が濡れている時どうなんだ、など懸念はあります。

画像10

■5:オーディオ操作

→Apple WatchがiPhoneのリモコンに。アプリのUIもWorkoutとAudioは隣同士。運動中の操作性が考えられていて使いやすい。(Garminは未確認)

ロングジョグの時の音楽・Podcastなどの再生。次の曲にしたいときやPodcastのCMをスキップしたい時に手元で全て操作できるのはやはり便利です。

画像11

↓↑この2画面が左右スワイプで遷移します↓↑

画像12

ランニング中画面と音声再生画面をワンスワイプで行き来できます。停止・早送り、ボリューム調整などができます。

操作したい時にすぐできる、は走っている時には特に大事なことだと思います。走りながら操作しているときは視線が変わり周囲への注意が少なくなります。その時間を少しでも短くできる迅速な操作感は、ランニングギアにおいてとても重要な要素です。

Garminでもスマートフォン連携できるものもありますが、実際には未確認です。(すいません)ただしここまでシームレスな操作感はApple Watch+iPhoneに一日の長があるように思います。

■6:画面表示のカスタマイズ(ランニング中の)

→圧倒的にGarmin。
ラン中にどんな指標をどんな優先度で見たいか、は人によります。距離・時間は基本指標ですが、心拍・ペース、ラップ、標高、、などその他の指標をどれだけ強く見たいかは人それぞれ。 

表示する指標の取捨選択、サイズの変更、ができるのはGarminです。Apple Watchは固定のため変更・調整が全くできません。

画像14

腕時計は表面積が限られているので、表示される指標の数を減らせば、その分、1つ1つの指標が大きく表示ができます。

またラン中は一瞬で情報を確認する必要があります。安全上理由もさることながら、体に負荷がかかっている時には、脳が情報認識に割ける時間が限られるためです。そのため「シンプルかつ大きな数字表示」にもカスタマイズできるGarminはやはりランニングにより適してます。


画像16

一方Apple watchは表示指標・サイズ・位置が全て固定、また均質的な見た目なので、走っている時には情報を探してしまい(例:今のペースを確認したいけどどこだっけ…)ラン中に時計を見ている時間が長くなってしまいまうことがあります。

見た目はきれいなのですが、もう少しメリハリを出してくれないと、ランニング中は見にくい、という印象です。

余談ですが、Apple Watchは現在時刻が常に右上に表示されています。これはGarminに無い良いポイントと感じました。特に朝ランの時は「何時までに家に帰らねば」という意味で現在時刻は意外とよく見ます。スケジュールがタイトで忙しい方には地味に便利だと思います。

(Gaminでも設定で出すことは可能だと思いますが、Apple Watchは設定に関わらずほぼ常時表示です)。

■7:ランニング終了時・一時停止時の挙動

→Garminは安心(しっかり確認して終了(誤操作少ない))、Apple Watchは即終了なので誤操作しがちで不安。

ランを終了するとき、Apple Watchは”(確認無しに)いきなり終わる”感が強いです。誤って終了してしまうことも多いと思います。Garminユーザはこの点はかなり慣れが必要と思います。

Garmin:Stop→Save確認→Save選択で終了

Apple Watch:左スワイプし「終了」でいきなり終了(二重確認なし)

画像13

↑終了と一時停止が隣り合わせで何度か間違え途中終了させられました(涙)

またラン中の”一時停止”もApple Watchでは気をつかいます。

Garmin:停止ボタン押す→再度押すと再開

Apple Watch:左スワイプし一時停止→再度そのボタンをタップで再開

一見両者同じ操作なのですが、物理ボタンとタッチスクリーンでやるはかなり感覚が違います。ボタンはしっかりと押し込む、タッチスクリーンは指先で触れただけで反応する。当たり前のことなのですが、一時停止や終了といった、比較的大事な挙動に対しては、やはり物理ボタンが安心感がまだあります。

加えてApple Watchではタッチスクリーン上で”終了”が”一時停止”すぐ隣にあり、押し間違えると即刻終了という緊張感があります(紛らわしい)

私も操作を誤って途中終了してしまったことがあります(10km走ろうとしてて7km地点で誤終了すると悲しいです)それ以来、Apple Watchでは一時停止はなるべくしないようにしています。

信号待ちなどで止めたい場合は、オートポーズの機能がApple Watchにもあるのでそちらを使えば良いと思います。

■8:アプリへのデータ転送

→Garminはスマホへの転送作業が必要。Apple Watchは不要(常時接続前提の為)

Garminの場合は、ラン終了後に転送作業をする必要がある。Apple Watchは基本的には不要(常にスマホにBluetoothで繋がっているため)という感じです。

GarminはGarmin Connect App、 Apple WatchではWorkout App→Fitness Appのデータ転送があります。

画像17

画像16

Garminの場合はBluetoothを通じて、デバイスとスマホを連携させるので、一手間あります。

Apple WatchもBluetooth接続ですが、日常的にBluetoothでiPhoneと繋がっているというのが基本のユースケースのため、ラン終了時に特別何かするというわけではありません。

(これはGarminでも、日常的にスマホとBluetoothでつないでいれば同様です。ただ、Garminの場合はスマホと常時接続が必須ではないので、バッテリーを気にしてBluetooth接続を普段はOffにしている人も多そうです。)

■9,10: アプリの使いやすさと情報量

→Apple Watch(Fitness App)の方が見易く使いやすい、一方詳細な情報表示はPC版も含めGarmin Connectの方が上

<使いやすさ・見易さ>
Fitness App(Apple Watch)がGarmin Connectよりも良いと思います。表示する項目を絞ってシンプルさを優先しているので、どこに何があるかがわかりやすいです。距離、時間、心拍、カロリー、マップなどの基本的なものは入ってます。

またGarminは睡眠時間などのライフログ機能もGarmin Connect内で表示し情報量が多く、Apple のFitness AppはWorkoutやActivity関連の情報に絞っているので、比較的シンプルな構成になっています。


544 - 650のコピー

<情報量>
Garmin Connectの方が、ランニング記録をより詳細に確認できます。AppのみだけでなくPCでも確認できます。

画像19

画像20

→Apple Fitness Appは主要な情報だけを見やすくわかりやすく抜き出している。その分、省略している情報もある。(距離、時間、ペース、カロリー、ラップ、ピッチ、地図、などは見えているので通常使用には十分です)

右Garmin Connectは取れる情報はできるだけ見せている。詳細な時間別のラップ・心拍変化、ストライド、移動時間&経過時間、など)加えて、睡眠などのライフログ関連の情報も同じアプリ内で表示している。その分、情報量がさらに多く、複雑だったりやや使いにくい場合もある。

これもウオッチのキャラの違いによるものですし、情報量と使いやすさはトレードオフになりがちなので、お好みかと思います。

■11:シャワーの時つけっぱなし

→Garminは多くのものが防水+ウレタンバンドなのでOK。Apple Watchはバンド次第。

これはとても個人的に大事な視点なのですが「ラン終了後、時計をつけたままシャワー浴びられるか」です。

私は時計はほぼ24時間つけています。腕時計メーカーで働いていたこともあり、すっかりなれてしまいました。Garminを使っていた時は寝る時も風呂でもつけてました。

ラン後はすぐにシャワーを浴びたいのですが、その前に時計をつける外す、は面倒に感じます。時計にも汗がついているので一緒にきれいにしておきたいですし。

ということで「シャワー浴びられるか」という項目なのですが、「腕時計のヘッドの防水性とバンドの素材」が重要になります。

・Garminは基本OK,(Runner向けのSeriesはバンドは全てウレタンかシリコン)

・Apple Watch:本体は防水性あるがバンド次第で可否分かれる
(ウレタン・シリコン系はOK、ナイロン系は水がつくとしばらく乾かないので気持ち悪くて微妙。メタル系はサビや汚れ付着が心配なのでNG)

今は、心拍計測のために購入したナイロンバンド(スポーツループ)をランではつけているので、シャワー時には外してます。その点、ソロループは良いと思います(前述の通りサイズが合えば)

■12:バッテリー持続

→圧倒的にGarmin。

Apple watchは毎日一回は充電必要、Garminは数日以上持ちます。Garmin慣れしていると、Apple Watchの充電はやはり頻度が高いなと感じます。

私はApple Watchで睡眠トラッキングもしているので、寝る前に風呂入る時に充電してます。

一方で、Apple Watchも「思っていたよりも長持ちするな」と感じてもいます。

前の日に満充電で眠っても翌朝85%くらい残っていて、朝ラン10kmして75%になり、その後仕事して夜に風呂入る頃には30~25%くらい(ここで充電)というのが私のケースです。充電のサイクルを1日のリズムに組み込んでしまえまばさほど気にならずに過ごせると思います。

「ランと言えばレース!」ということでレースでの利用について。
Apple Wachもランニング記録時GPS使用時で公称最大6時間(Series 6)なので、電池目線ではフルマラソンで使えるようです。

ただ一方でレース中に、繊細なタッチスクリーンで操作するストレス・誤終了しやすいアプリUI、ということを考えると、私はレースならやはりGarminを使います。(レースのきついさなかで、腕時計の操作に気をつかうのは相当ストレスだと思います)

■13:モチベーション支援

→Apple Watchの「リング」は良い。

使う前は期待していなかったのですが意外とリングが良いです。運動するとリングが描かれて行って、完全なリングになると嬉しいです。文字盤に常に表示されているので、意識づけにもなります。

エクササイズだけでなく、歩数やスタンド(座り続けてるとアラート出る)も指標になっており、少しでも体を動かすことを促してくれます。

画像21

■14:最後に、腕時計として

→視認性はどちらも良い。シーンに合わせた使い分けはApple Watch。

腕時計として何を重視するかは人それぞれですが、元時計メーカー視点では「視認性」と「シーンに合わせた使い分け」の2つが重要と考えています。

視認性とは「時刻を確認したい時に、ストレスなく瞬時に確認できるか」です。
時刻表示は腕時計の基本中の基本機能。これは大事だと思います。

Apple Watchも常時表示が可能になりました。Garminのパキッとしたデジタル表示は本当に見やすいです。

「シーンに合わせた使い分け」
腕時計には人に見られる場所(腕)につけられる機器です。手首は顔付近にいく回数も多いので、誰かと合えば顔だけでなく、手首も多く視界に入ってきます。

そのため、アクセサリ的な要素も腕時計は持ちます。アクセサリは衣服同様に、シーンに応じて使い分けるものです。ランのようなアウトドアスポーツシーンのみならず、オフィス、レストラン、など。

腕時計視点でVersatility(汎用性)が高い要素は「シンプルなヘッド」+「付け替え可能なバンド・しやすさ」です。

Garminのランナー向けシリーズはやはり「ランニングしてます」感が強く、シーンを選ぶように思います。ヘッドはややゴツめ、バンドはウレタンやシリコン中心なので。(一方、電車の中でGarminつけている人見ると、不思議な親近感を感じますが)

一方Apple Watchは、ヘッド自体もシンプルな形状、バンドもたくさん。着せ替えをすることで、より多くのシーンで使いやすいと思います。

加えて、バンド種類揃えるだけでなく、着せ替えをよりしやすくする工夫としての、ヘッド裏面のボタンで簡単に着脱できる機構は素晴らしいと思います。

腕時計屋さんが考える一番避けるべき事故は「腕時計の脱落」です。
私自身も時計会社時代はこれを教わりましたし、強く意識してました。

腕の周りは体の中でも特に動きが多い部位であり、ヘッドは繊細な機械が入っています。そのため嵌合(かんごう)部(バンドとヘッドのつなぎ目)が甘いと、落下しやすく壊れやすい。嵌合はとても大事なのです。

画像23

Apple Watchの「バンドがつけかえしやすく、外れにくい」は腕時計の設計上とても難しいチャレンジだったと思います。

実際に触るとボタン一つで簡単あさりに外れ、一度固定されたらびくともしません。腕時計設計の視点で、これはすごいと素直に思いました。

そのためスポーティなナイロンのバンドから、TPO(時と所と場合)に合わせてドレッシーなステンレスのバンドに着せ替える、ということも気軽にできます。

■腕時計を楽しく

色々比較してきましたが、どちらもとても良い腕時計だと思います。

元腕時計メーカー企画としては、最近腕でできることがどんどん増えて嬉しいです。

腕時計は数少ない常に体に密着している機器、です。だからこそ、自分自身が見る機会も多いし、誰かに見られる機会も多いと思います。加えて、色々な体の情報(動きや心拍など)が取れることで、それを分析して見せて、生活や習慣の改善にも役立つ提案もしてくれます。

良いランニングウオッチは、走るモチベーションを更に高めてくれます。

スマホアプリで記録も良いですが、ランニングウオッチをまだ使ったことない方も、ぜひ試してみてください。

私自身は、Apple Watchを日常のジョグでは使いつつ、またレースを走ることがあればGarminを購入したいなと思います。

ご参考になれば幸いです。

画像引用:Apple公式サイト・Garmin公式サイト

最後まで読んでいただきありがとうございます。好きボタン(ハートマーク)を押して頂けると励みになります。