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[見るマラソン]トップランナーのスピードと距離のすごさを、別の形で実感する

「ママチャリ全力のスピードで、東京駅から八王子駅の距離を、足で走る」
これがトップランナー走りです。すごそうですよね。今回は「マラソンを見る楽しみ」について書きます。

見るマラソン

ランニングも含めスポーツには、する楽しみ[Do]と見る楽しみ[Watch]があります。
トップランナーの走りとはなにか?を理解すると、「見るランニング」の楽しみも広がります。ランナーであれば「自分との差を実感して凄さがわかる」し、ランナー以外であれば「そんなに速いんだ」と純粋に人間の能力の可能性に興味が湧くと思います。

マラソンはテレビで見ると一見地味ですが、現場でマラソンを応援したことがある人は「テレビ中継で見てたよりも速くて驚いた」と思った人が多いと思います。彼らはどれくらいのスピードで42kmを走っているのでしょうか?

スピード:ペースとは

以前の記事の再掲です

走るスピードです。車や自転車では時速○○kmと言いますが、ランニングでは1km (or 1mile)あたりにかかる時間をペースという言葉で表現します。
例えば6分30秒/km(1kmあたり6分30秒で走れるスピード)という感じです。このペースで10km走ると タイム(その距離の完走に必要な時間)は6分30秒 X 10km=65分、となります。

マラソン世界記録はどれくらい速いのか?

世界一速いマラソンランナーのスピードはどれくらいなんでしょうか?

現在の世界記録(公式)は2時間1分39秒(Eliud Kipchoge:2018)、
これがどれくらいのスピードかと言うと「時速20.8km、ペース換算で02分53秒/km」です。 

速そうだけど、ピンときませんよね

実際これがどれくらいすごいのか、以下の動画がわかりやすいです。世界記録ペースに一般ランナーがチャレンジしてます。

普段走っているランナーが全力疾走でも1kmも厳しい、というスピードです。フォームもメチャクチャで派手に転倒している人もいますね(もちろん私もこのペースでは1kmも走れません…)

日本記録はどれくらい速いか?

日本は世界と壁があると言われていますが、日本記録もペース換算視点では大きな差はありません。日本記録(大迫傑:2020)は2時間5分29秒。これは「時速20.2km, ペース換算で02分58秒/km」です。(日本新記録おめでとうございます!2020/03/01)

もちろんこのクラスになるとその数秒の違いが大きいと思いますが、どちらも桁違いに速いことには変わりません。

自転車と同じスピード

時速20kmというのは「ママチャリでかなり頑張ったスピード」とほぼ同じだそうです。

(ママチャリは)一般的には時速12〜18Km程度で走行しています。時速20Km以上でママチャリを巡航させるには、かなりの労力が必要です。 

引用:https://car-moby.jp/307041

ママチャリを思い切り漕ぐ、と同じスピードで42km走っています。

時々TV中継でランナーと並走しようとしている子ども(たまに大人も)が居ますが、彼らもこのスピードで走っています。大体1kmもしないで画面から落ちていくのは、時速20km前後で走っているからです。

マラソン完走スピード一覧:世界記録から6時間まで

別の切り口・その他のタイムのペース配分についても知りたかったので、一覧にしてみました。

男女の世界・日本記録。サブスリー・サブフォー・5時間・6時間、のペースはこのような形です。

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こうしてみると、世界記録・日本記録は50mを8秒台で走り続けているんですね、、、すごい。

ペース計算エクセル(ご自由にお使い下さい)

本記事のペース計算はエクセルで行いました。よろしければご自由にお使いください。マラソン目標タイムを入れると、目標ペースや時速が出てきます。

距離自体も変更可能です。フルマラソンだけでなくハーフや10km用に使うこともできます。(以下からエクセルファイルをダウンロードしてください)

42.195kmはどれくらい長いのか

「東京駅から八王子駅まで」 「新大阪駅から泉佐野まで」が約42kmだそうです。

42.195kmってどのくらい?
【東京駅から】
■徒歩の場合
・埼玉県桶川市役所(42.9km、8時間45分)
・八王子駅(42.2km、8時間45分)
■車の場合
・千葉駅(42.3km、55分)
【新大阪駅から】
■徒歩の場合
・泉佐野市役所(42.8km、8時間45分)
・天理市役所(42.9km、8時間50分)
■車の場合
・岸和田市役所(42.8km、56分)

引用:https://suumo.jp/journal/2012/08/05/26292/

東京に住んでいた頃は八王子って遠いなぁと思ってましたが、そこまでフルマラソンでは走っているんですね。 歩くと8時間45分…

「ママチャリ全力のスピードで、東京駅から八王子駅の距離を、足で走る」
これがトップランナー走りです。

トップランナーをTVの前で応援しよう

3月の東京マラソン・びわ湖毎日マラソン・名古屋ウィメンズマラソンでは、日本のトップ選手がすごい走りを見せてくれると思います。彼ら・彼女らが走っているペースがどれくらいかを、実際に感じながら見ると、そのすごさがよく分かると思います。

今年は現地応援は自粛のため、TV観戦される方が多いと思います。一方でTV観戦の良さは、解説者が細かなペース・距離の情報をリアルタイムで伝えてくれることです。ペース換算で「この1kmは3分02秒でした」「10-15kmは14分54秒でカバーしました」と言ってくれます。

ランナーでない方々は、ペースで言われてもわかりにくいと思うので「1km3分ペースなら大体時速20km」で理解しておけば、その速さも実感もしやすいと思います。

一般ランナーの方々は、自分のペースと対比し、トップ選手がそこまで速く走れるようになるまでの過程(練習)の大変さも想像することで、更に応援に力が入ると思います。

彼ら彼女らがここまで走れるようになるのに、どれだけの時間と努力が必要だったのか。もちろんすべてはわかりませんが、同じランナーとしてその大変さは想像はできるのではないでしょうか。 

(余談:私は現地でトップランナーの走りを間近で見ると感動して泣きそうになります。そのスピードだけでなく、絞り込まれた体と脚、極限まで走りに集中している眼差し。自分の目の前を走り去る一瞬ですが、これまでの彼ら彼女らの努力を感じられます。一流のアスリートを街中で間近に見れるのもマラソンというスポーツの魅力だと思います。)

トップランナーの凄さを実感することは、マラソン・ランニングというスポーツの見る楽しさを増やし、それが走り始めたり、走り続けたりする人が増えることに繋がると思っています。

この記事が、トップランナー達の凄さを実感し、応援するときの1つの楽しみになれば幸いです。 

TVの前でトップランナー達を応援しましょう。


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