父親からもらった思い出を子供にも残してあげたい話 -新幹線と飛行機編-

みなさんって、子供の時の記憶ってどれくらいありますか?

ここでいうところの子供って、だいたい4歳とか5歳とか。小学校に入る前くらいの記憶。

ほとんど無い、っていう方が多いかもしれないですけど、少しはある、っていう人も多いんじゃないでしょうか。


たぶん、その「少しはある」っていう思い出って、結構個人的には大事な思い出なんじゃないかなって思って。大事な思い出だから、「少しはある」思い出として勝ち残ってる、みたいな。

で、自分がそれくらいの子供を持ってる、と思うと、自分が思ってる大事な思い出を子供にも残してあげたいなって、親としては思ってしまうんですよね。

今回はそんな思い出について書いてみようかなと思います。

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そんなテーマで書こうかなって思った時に、真っ先に思い出すのは、父親と一緒に新幹線と飛行機に乗った思い出です。

朝、いきなり父親から呼び出されて、「今から大阪行こう!」と言われて。兄弟もその時はいましたけど、父親と2人で外出するのって、あんまりなかった気がするから、ちょっとワクワクしてて。

言われるままに電車に乗って、東京駅について。


初めて見る新幹線、もう感激。

本で見たことあるやつだ!テレビで見たことあるやつだ!みたいな。

新幹線に乗って、びゅんびゅん自分の後ろに向かって走り去る景色。自分ってどんなスピードで移動してるのか、全然わかんない!みたいな。

あと、それまで乗ったことないくらい長い時間、1つの乗り物に乗ってるという。

別にそれは乗り物に乗り疲れたというわけではなくて、「どれだけ新幹線に乗っても終点が来ない!どれだけ自分は移動してるんだ!どこまで自分は来たんだ!」みたいな、ワクワク感みたいな。

まあ、一種の冒険みたいなもんですよね。あんな非日常を味わえる経験なんて、その時の自分はそうそうないから。

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で、おそらくご飯をちょっと食べたあとに、伊丹空港に移動して、飛行機に乗ってすぐさま東京に逆戻りします。

あの、搭乗ゲートをくぐって、通路の窓からちょっとだけ見えた飛行機の先端部分を見て、うわ!飛行機だ!って感激したのを覚えています。

飛行機の中に入って、座席に座った時は、「新幹線と似た席だなぁ」と思って、そこまで新鮮な感覚はなかったんですけど、やはり離陸する時の衝撃は凄まじいものがありました。

下からのG。なんというか、自然のものではない人間の力的なものを感じたのを覚えています。あと、飛行機の窓から見える、外の青い空と白い雲的な。そういう景色に感激しちゃうのは、やっぱり自分が男の子ってことなんですかねぇ。


帰り道、「東京と大阪って、すっごく離れてるんだけど、わかった?」って聞かれて、「うん、わかった」って言ったのは覚えています。

そりゃそうだ。新幹線からの景色と飛行機の景色をほぼ同時に見たら、そんなの絶対わかる。

そういえば、その時初めて東京モノレールに乗ったんだなー。モノレールに乗ったのも覚えてる。1つのレールの上に電車みたいなのが乗ってて、本当にこれがバランスを取りながら高速で動くの?ってすごい不安だったような気がします。今思い出しました。

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自分が大人になって、結婚する前くらい?に小さい頃の自分の写真を整理してた時に、ふとその時のことを思い出して。

「なんで、あの時新幹線と飛行機に僕を乗せようって思ったの?」

と父親に聞いたら、

「なんとなく、思いつき。朝起きた時に、今日1日どうしようかなーって思った時に、ふと、丸々1日使って大阪行ってみたら面白いかなーって思って」

とか言ってました。そうなんだ、あれは思いつきだったんだ!って思って。

そんな思いつきの結果、子供の一生に残る思い出ができたなんてすごいなーって思って。やはり、日頃から子供には大事に接するのが吉ですね。いつ、どんな行動が自分の子供の一生の思い出になるかわかんないですからねぇ。


そんな私も、もう人の親。

この思い出は、自分の子供にも味わってもらっていいんじゃないかな、って思います。

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