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【最終回】キャリアの損益分岐点 

人事の本質は「上に行けば行くほど好き嫌い」です。にもかかわらず、実に多くの会社員がその本質に気づいていません。

不本意な処遇を受けると悲観して落ち込み、昇給、昇格でもすると有頂天になります。その結果、上司の評価に益々依存するようになります。

人事権は上司にあります。しかも、上司による評価は相性によって左右される、あてにならない不確実なものです。

「相性がいい、悪い」で決まる評価に、一喜一憂する価値はありません。その必要もありません。

最終的に「好き嫌い」で評価する組織の論理に、いつまでも振り回され続けていていいのでしょうか。

誰しも遅かれ早かれ、いつかは組織と別れを告げる時が必ずやってきます。この現象は紛れもない事実です。

「籠(かご)に乗る人、担ぐ人、そのまた草鞋(わらじ)を作る人」は、様々な階級や職業の人がいて、世の中がうまく回ることを示唆しています。

裏返すと、いろいろな職業や価値観が存在しないと、世の中はうまく回らないということでもあります。

であれば、自分にふさわしい仕事とは一体何なのか、どこかで真剣に考えてみる価値はあるのではないでしょうか。

私たちは、すでに新たな時代に突入しています。それは、自分自身のライフワークに関して、その手掛かりを現職のうちに把握しておくべき時代です。

「勘と経験が生かせる」「時間が経つのを忘れて没頭できる」ことは何か、それは本当に自分の「やりたいこと」「やってみたいこと」なのか。

たとえすぐに答えが見つからなくても思考し続けると、間違いなくひらめきます。なぜなら、それはすでに自分の心の中に「存在」しているからです。

ただ、諸事情で顕在化していないだけのことです。であれば、見つけない手はありません。

組織に生きる会社員にとって、ここがまさに「キャリアの損益分岐点」になると言っても過言ではないでしょう。

どうせなら、気づかねば「損」でもあります。早く気づいてスタートラインに並んだほうが、はるかに「得」です。

「ゴールデンステージ」を楽しむ「ライフワーク」は必ず見つかります。答えはすでに心の中にあって、自由に飛び回る日を心待ちにしています。

己に潜む「心の叫び」に是非耳を傾けてみて下さい。自由気ままな「人生の第3ステージ」は、もうすぐ目の前です。
 
(本文は、弊著『なぜ職場では理不尽なことが起こるのか?』<幻冬舎ルネッサンス新書>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです)
 
次回からは弊著『四十歳を過ぎて初めて転職の二文字が頭をよぎったら読む本』より一部抜粋編集したものを、シリーズ化してお届けする予定です。引き続きお読み頂けますと幸いです。よろしくお願い致します。

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