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【第5回】「転職には年齢制限がある」という勘違い

日本で転職を希望する方は増加する傾向にあります。それに伴い、転職市場には様々なバックグラウンドの人材がエントリーするようになりました。

特に近年は、40代から50代の転職未経験の方が、転職を希望するケースが顕著に増え始めています。

当然のことながら、各人の職業経験やキャリアに対する考え方は千差万別で、転職に興味を抱くことになったきっかけも多種多様です。

中には「これはちょっと、いかがなものか」と感じるケースも見受けられます。そこで、日本における、転職にまつわる「勘違い」を紹介してみます。

まず代表的な勘違いとして挙げられるのが、「年齢」という概念に振り回されてしまうパターンです。

具体的には、「転職は35歳までにしなければならない」とか、「50歳を過ぎると転職できなくなる」といった「噂(うわさ)話」に象徴されます。

この手の話は転職希望者からよく聞かされますが、転職するタイミングと年齢に本質的な因果関係は一切ありません。

「そろそろ35歳になるから、転職でもしてみるか」といった軽い気持ちは、厳に慎む必要があります。

転職は、基本的にはいくつになっても可能です。法的な観点からも、求人の「年齢制限禁止」が義務化されています。

従って、企業が出す求人票にも年齢に関する「表記はない」のですが、誰にもチャンスがあるのかというと、必ずしもそうとは言い切れません。

実は求人の背後には、企業側が求める「年齢の範囲」が設けられており、転職希望者がその情報を直接入手することは困難です。

実際に求人の数だけを見ると、20代から30代の人材を求める求人が圧倒的に多く、年齢が上がるにつれて「徐々に減っていく」のは事実です。

しかし、転職エージェント側は「かなりの精度」で情報を把握しているので、少なくとも年齢に関する極端なミスマッチは回避することができます。

その点からすると、転職エージェント経由で転職活動を行うメリットはあるでしょう。

とは言え、年齢が上がるともに「ハードルが高くなる」のも事実です。「せっかくエージェント登録したのに求人紹介がない」ということも起きます。

しかし、仕事自体は年齢に関係なく世の中に存在します。100%希望通りとまではいかないまでも、培ったキャリアが活かせる、希望に近い仕事は必ず見つかります。

然るに、かなり歳を重ねた後の転職は、「違う方法」によってアプローチしなければなりません。

このテーマに関しては少し「奥が深い」ので、別の機会に詳しく取り上げてみたいと思います。
 
    次回につづく(毎週月曜日若しくは火曜日に投稿予定)
 
(本文は、弊著『四十歳を過ぎて初めて転職の二文字が頭をよぎったら読む本』<ブイツーソリューション>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです)

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