タイ生活記2nd🇹🇭3
航空券を調べている時に答えは簡単に出ていた。当初から行く予定であったトルコ。これを諦めきれないでいた。なんとなく理由はわかっていた。自分が決めたルートから外れているのもなんとなく違和感を感じていたし、惰性でどこかに行くのは自分のやりたいことではないと思っていたからだ。そんな時に優しい2人からの電話。そして奇跡的に1番安い航空券。これはもう行くしかないとそう思った。
やっと次への期待が持てた途端身体が軽くなったのを覚えている。目的がはっきりしたことによって、今何をするべきなのかがはっきりした。久しぶりに感じるワクワク感。とは言っても、タイには飽きていたので、これと言ってタイでワクワクするものには出会わなかったのだが。
しかし、何かが決まれば人生は動き出す。私の中で止まっていた歯車がまた動き出したのを感じていた。外に出てみる。また雨だ。毎日降り続ける雨。ただこの日だけはその雨すらも気持ちが良かった。びしょびしょになりながら街を歩く。そしてお気に入りのおばちゃんのところでタイティーを買う。最高の気分だ。雨の冷たさも、街の匂いも全てが少しだけ新しく、新鮮なものに見えた気がした。
違った気持ちになると見え方が変わってくる。食欲も湧く。私は今日は飲んでやろうと思った。夜になり、買い出しに行く。タイのいいところは日本人馴染みのコンビニがあるところだ。そう。セブンイレブン。24時間営業の最強の便利店。ビールとつまみ、そして、ご当地のカップヌードルまで買った。今夜は楽しくなりそうだ。もちろん部屋は私1人、最高の環境に見えた。
「プシュ」という音がなるとテンションが上がる。一気に飲み干すと血液が身体中を駆け巡る。お決まりのNetflixをつまみに1人の晩餐が始まった。次々を空いていく缶。ストーリーも進んで行く。いつの間にか結構な量を飲んでいたみたいだ。面白い。いつもなら1人で飲むことなどないのに。
結局また日が昇るまで眠ることはできなかったのだが、何かが1歩進んだ感覚だけはあった。また世界の一端を切り拓くことが出来る喜び。
私はまた街を歩いた。いつもより視界が広い。次々と準備も進める。トルコ。もともとルート上にあった国。そしてアジア最後の国とも認識している。やっとアジアが終わる。そんな達成感もあった。
いざ当日になる。生活リズムなのかやはり寝つきは悪かった。大して眠ることのできない日々。しかしそれ以上の楽しみができたのが良かった。朝、早くに宿を出る。長いこと世話になった。居心地は申し分なかった。何度もいうがベッドの固いさを除けば。
grabを使って空港まで向かう。車に乗ってみると、歩いてしかなかったバンコクがこんなにも大きかったのかと思ってしまう。もう少し色んな場所に行くべきだったかなとも思ったが、後悔はない。今の時代国内旅行よりも安く行けてしまう国だ。いつの日かまた訪れることもあるだろう。空港に到着する。
安かった航空券の理由として乗り継ぎの多さがある。今回の目的地はトルコ南部の町「アンタレヤ」海の広がる町だ。そこまでに計3回飛行機に乗らなくはならない。しかも乗り継ぎ時間が1時間という極めてリスキーな方法だ。
最初に向かうのはウクライナの「キエフ」これまた美人が多いと有名な国だ。そんな楽しみもありつつチェックインを済ます。そして乗り込む飛行機。見渡す限りアジア人はいない。これから始まるロングフライトを前に興奮していた。
いつものように身体に重力が襲いかかる。そして振動が完全に消えた今、飛行機は無事に離陸したのだろう。あっという間に眠りについた。
気がつくともうキエフに近い場所まで来ていた。出発が遅れたこともあり、乗り継ぎ時間は40分程度になってしまっていた。到着するやいなや、私は急いで次の飛行機へ向かう。スタッフに確認すると、「急いで!!」と言われる始末。しかし、その時点で私は問題ないだろうと安心していた。キエフはまだまだ涼しい。半袖半ズボンの私が少し浮いているようにも見える。
無事に乗り込むと、次はトルコのイスタンブールに向かう。ここはあっという間の時間。航空会社も同じなので、先ほど食べたものとほとんど同じ機内食を食べる。何も食べれないよりはよっぽどいい。
そしてトルコに到着。イミグレーションは長蛇の列だった。その中に押し込まれて並ぶこと30分。やっと入国に成功した私は国内線に移動する。今度は深夜便。最近移行したばかりのイスタンブール新国際空港はとても綺麗だった。何かを買うこともなく、ただ時間が過ぎるのを待った。時間通りにアンタレヤに向けて飛行機は飛んでいった。
アンタレヤに到着したのは深夜2時過ぎのことだった。