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アルメニア生活記🇦🇲2

 翌朝は誰でもわかるほどの快晴だった。天気と人間の体はリンクしている。雨の日にどんよりしてしまうのも今となっては頷ける。

 明るい時間に見るエレバンは思ったよりも殺風景だった。ジョージアのように特徴的な料理があるわけでもなく、アゼルバイジャンのように先進国感を押し出しているわけでもない。首都らしく、ハイブランドの店があったり、飲食店も数多くあったり、生活に困ることはないとは思う。しかし、コーカサス3カ国で比較してしまうと、圧倒的に華やかさが足りないという印象だ。個人的にはそっちの方がありがたいのだが。
 予定通りナゴルノ=カラバフ大使館に行きVISAを申請しに行く。未承認国家でありながら、しっかりVISAが必要なのが少し変わった点だ。このVISAを手にしてしまうと、アゼルバイジャンに入国できなくなることが唯一のネックと言っていいだろう。当分行く予定もないし、もしかしたら一生行くことがないかもしれない私にとってはあまり関係のない話だった。

申請は無事に済み、明日には取得できるという話にまとまり、この日の最大のミッションは無事クリアした。
 アルメニアは実に面倒な国で主要な観光地は全て首都エレバンから離れた位置に存在する。そのため、空いた時間にどこかへ観光するというのが難しい国だ。これから旅行に行こうと思うならある程度の日数が必要だということだけアドバイスしておく。
 私たちは宿に戻り各自自由時間となった。アルメニアは実に面倒な国と言ったが、それ以上の魅力がある国でもある。それは女性がアホほど美しいのだ。ウクライナと共に世界一美女が多い国としても取り上げられるほどだ。
 街を歩けば美女祭り。とにかくすごい。全員が全員綺麗なのだ。これは大変な国に来てしまったと思った。日中は暑いアルメニアでもフレッシュジュースは存在感を発揮している。パインとキウイのミックスを買い近くにある図書館に向かう。

エレバンにある唯一の観光地と言ってもいいここは歴史ある貴重な本を所有していることもあり、その歴史的観点とデザインがウケて観光地になっている。

が、実際に行って見ると今現在「名前」も思い出せないくらいのレベルだった。

歴史的価値が高いのはよくわかる。素人目に見ても、いつの時代か想像もつかないような本が綺麗な状態で保管されている。ましてや、その数は予想より遥かに多かった。

しかし、文字が全く読めない。英語表記があればまだ多少なりとも戦えるが、作者の名前と、年数だけ。いつの間にか本にかけられたカバーの美しさを比較していた。そのような中救いになったのは、やはりアルメニア人の美しさだろうか。本を見るより女性を見ていた方がよっぽど楽しいのだ。おかげで退屈せずに済んだのも事実だった。

翌日、無事にVISAを取得した私たちはついに未承認国家ナゴルノ=カラバフに乗り込むことになる。