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組み合わせの妙となるか、不安定なキャリアとなるか。肝心なのは抽象化して関係性を捉え直すことができるかどうかだ。

年度末ともなると、今年度のことを思い返してみたり、次年度のことで頭を悩ませてみたり、いろんな思考がを巡らせる時期だ。

来年度も、従来携わってきた高校の地域コーディネーターと地域おこし協力隊のフォローアップのお仕事は継続の予定。

その他については、新規の仕事が出てきたり、逆に、手放す仕事があったり・・・なんとかバランスをとりながらやっていける算段がついたと言っていいのかもしれない。
客観的に考えたら、まぁ、なんとも不安定で専門性・経験値が積みあがりにくい働き方をしているのだろうか、と思わないでもない。
そして実際に、「なかしまは何をしている人なのかよくわからない」と言われることも多い。

こんな働き方はおおいに問題があるのではないかと思われるかもしれないが、本当に問題なのかどうか改めて考えてみる。

冒頭に書いた高校のコーディネーターと地域おこし協力隊のフォローアップという仕事の組み合わせ。一見するとこの二つの関係性はなさそうに感じるかもしれない。
ところが、個人的な見解としてはこの二つの仕事の親和性はめちゃくちゃ高く、それどころか相乗効果が出ているのではないかと考えている。

なぜか?

それを説明する前に、地域おこし協力隊と高校のカリキュラムについて改めて情報整理する必要がある。

◆地域おこし協力隊
 最長3年の任期で市外からの移住を伴いながら、地域内での活動を通じて地域課題の解決をしたり、任期終了後の定住に向けた経済活動を行う。
◆高校のカリキュラム
 私が関わる高校というのは、総合学科の高校。普通科に比べて選択科目が多いという特徴があるが、それだけではなく、「産業社会と人間」や「総合的な探究の時間」といった、社会や地域に対応した総合的な学習を通じた課題解決学習や自己の生き方を考えるための資質・能力を育む授業が盛り込まれている。

そう、実はこの二つには大きな共通項が2つある。
それはいずれも「地域」と「課題解決」というものが活動のキーワードになっているということ。
この共通項があることで両者を引き合わせることができ、上手にコーディネートできれば、一方の持つ資源(知識、経験、人間関係)を他方に流し込むことができる。

もう少し具体的に言えば、探究授業で地域資源や地域課題について調べて考えなければならない高校生は、Webや紙媒体のようなテキスト情報だけではなく、地域おこし協力隊から直接に活動の話を聞くことができれば、上手くいっていることもそうでないことも現在進行形の情報を得ることができ、さらに、対話の時間を入れることができれば理解もグッと深めることができる。
もちろん、地域おこし協力隊にとっては、普段高校生と出会うことはため、若い感性からフィードバックを得る貴重な機会となる。

実際に、これまでにもこうして何人もの地域おこし協力隊を高校の授業に招いて話をしてもらった。

ここまで書けば良いこと尽くめなようにも見えるが、実際はこの二つの仕事は、法人として請ける仕事と個人として請ける仕事の組み合わせであることから、やはり細かいことの調整面では厄介なことがあるのも否定できない。
ただ、個人的にはいろんな立場を使い分けることに苦痛を感じる方ではないので、今のところ問題よりも得られる相乗効果の方が大きいと思っている。

恐らくなら、来年度新たに始める仕事も同様に組み合わせによる相乗効果が出せるものがあるような気がしている。そのカギになるのは、間違いなく、組み合わせたいもの同士の共有項を見つけることが必要であり、それを見つけるためには、それぞれを抽象化して関係性として構造を捉え直すことである。
ちょっとしたパズルのような思考をこれからも続けていく。

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