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恋愛したいと思えないっておかしい?【アロマンティック・アセクシャル】

こんにちは、なかしまです。

今回はいつもの「内向型」という切り口ではなく、恋愛的なお話しをしてみようかな、と思います。

みなさんは、「アセクシャル」って聞いたことありますか?

アセクシャルとは、他者に性的欲求を抱かない人のことで、全人口の1%があてはまると言われています。

実は、私はその「アセクシャル」に当てはまっていて、他者に性的欲求が向きません。

違和感は学生時代からあって、
「恋愛って何?付き合うって何?」
ずっと疑問で、
「なんか周りと感覚が違う」とは
思っていたのですが、
当時は今よりはるかに
「恋愛・結婚するのは当たり前」という風潮が
強かったし、
アロマンティックやアセクシャルという言葉も
全く知らなかったので、
「自分も頑張って恋愛しなきゃいけないんだ」
「いずれは結婚しなきゃいけないんだから、
頑張って相手探さなきゃ」

思い込んで、
10年近く恋愛できない自分について悩み続けました。

私がアロマンティック・アセクシャルという言葉を知ったのは
違和感を持ち始めてから約10年後の25歳の頃でした。

私は、自分がアセクシャルだと気づいたことで、
恋愛や結婚の義務感から解放されて、
本当に楽になりました。

そして、知れて良かったと思うと同時に、
もっと早く知りたかった・・・!とも思いました。
大学生ぐらいの頃に知っていれば、
頑張って恋愛しようと苦しんだり、
恋愛できない自分を責めて
自己肯定感を下げたりせずに済んだのに・・・と。

だから、本当はアロマンティックや
アセクシャルで恋愛願望がないのに、
言葉を知らないがゆえに
頑張って恋愛しようと苦しんでいる人がいるなら
少しでも早く知ってほしい、という思いで
この記事を書くことにしました。

今回は、私が恋愛に対して
違和感を持ち始めてから、
アセクシャルだと気づくまでの経緯を振り返ってみます。

何か少しでも誰かの気づきになったら嬉しいです。


違和感を持ち始めた高校時代

違和感を持ち始めたのは
高校生くらいだったと思います。

小中学生の頃は、恋バナと言っても
「○○くんがかっこいい」とか
「○○くんが好き」とかだけだったのに、
高校生くらいから、
周りでもカップルが増え始め、
みんな当たり前のように
「好きな人と付き合いたい」と言って
行動を起こしていて、
「付き合う」ってなに?
自分が思ってた恋愛と、みんながしている恋愛は違う気がする、

違和感を覚え始めました。

私が知っている恋愛は、
あくまで片思いがメインで、
「誰かのことを好きになったら恋愛」と思っていたのですが、
どうやら世間で言われている恋愛は
「両思いになって付き合うこと」がメインらしい、と知って驚きました。

片思いで満足していた自分は変で、
誰かと付き合わなきゃいけないのか、
と少し焦りも出てきたのですが、
まだ周りも恋人がいない友達の方が多かったし、
勉強と部活で忙しかったので、
結局あまり深く考えないまま、
恋愛には無縁で高校生活は過ぎていきました。

真剣に悩み始めた大学時代

真剣に悩み始めたのは
大学生になってからでした。

親や親戚から
「付き合ってる人とかいないの?」
「誰かいい人いないの?」
と聞かれることが増えたり、
「社会人になったら出会いがなくなるから
大学生のうちにいい人つかまえておくんだよ」

という話を聞いたりして、
恋愛しないとダメなんだ、と
察して、焦り始めました。

でも、焦ったからといって
誰かと付き合いたい、と
急に感じるようになることはありません。

まれに、
男の人と仲良くなって、
この人とこのまま進めば付き合うことになるんだろうな、
というような状況になったりしても、
「恋愛経験がほしい自分」
「誰とも付き合いたくない自分」が葛藤し始めて
結果「誰とも付き合いたくない自分」が勝利して
その人にはっきり線引きして距離を置く、
という行動をとったりもしました。

結局、高校時代と同じく、
誰とも付き合わないまま、
大学を卒業しました。

苦しみが深まる社会人生活

社会人になって働き始めると、
仕事だけでへとへとなのに、
プラスで恋愛とか絶対無理じゃん

と感じ始め、結婚はもうあきらめてもいいかな、と思い始めました。
元々内向型で一人が好きなのに、
誰かと暮らしたり、
その人のために毎日家事をするとか絶対無理!と
思ったからです。
でも、身近な人が結婚したりすると、
置いて行かれたように感じて
勝手に落ち込む、ということも多々ありました。

「本当は恋愛も結婚もしたくない自分」と、
「恋愛も結婚も絶対すべきものだと
思い込んでいる自分」が
いつも言い争いをしているようでした。

一生恋愛しない、結婚もしない、と
自分では決めきれず、
したくない、でもしなきゃ人の目が怖い・・・
という矛盾にがんじがらめになって
とても苦しかったです。

アセクシャルという言葉を知った社会人3年目

私が「アセクシャル」という言葉を知ったのは
社会人3年目の頃でした。
たまたま、家で親戚の子の話になり、
「○○ちゃんは彼氏と別れてすぐに次の彼氏ができたんだって。あんたも頑張らなきゃね」と
家族から言われたことに対し、
「毎日必死で仕事して頑張ってるのに、
恋愛してないだけで頑張りが足りないと言われてしまうの?」

と悲しくなってしまい、
ネットで手あたり次第
「恋愛しない おかしい」
「付き合いたいと思わない 変」
とか色々検索しまくっていた時に、
たまたまアセクシャルについて
解説している記事に出会いました。

そこで、
アセクシャル=他者に性的欲求を抱かない人
というカテゴリがあることを知り、
付き合うということは、性的な接触もセットなことが多いので、アセクシャルの人は付き合う必要性を感じなかったり、抵抗がある人が多い
ということを知りました。

自分の経験が足りないから
恋愛から逃げていたわけではなく、
元々そういう欲求がないから、
付き合いたいと思わなくて当然なんだ、
とわかってすごく安心したのを覚えています。

そこから派生して
アロマンティックという言葉も知り、
でも私はアロマンティックにはあてはまらない気がする・・・と思っていると
リスロマンティックという言葉に出会い、
これだ!!としっくり来て、
自分の恋愛・性的指向は
リスロマンティック・アセクシャルだ、と
はっきりしました。

(アロマンティックとは、他者に恋愛感情を抱かない人のことで、リスロマンティックとは、自分は他者に恋愛感情を持つけど、相手から恋愛感情を向けられたいとは思わない人のこと)

アセクシャルと知って、心が軽くなった

アセクシャルやリスロマンティックと
Twitter(X)で検索してみると、
たくさん同じ感覚を持った人がいて、
こんなに仲間がいるんだ・・・!
自分だけじゃなかった・・・!

すごくほっとしました。

10年以上苦しんでいたのはなんだったんだ、と
思いましたし、
もし大学生くらいの時に知ることができていたら
あんなに悩んで苦しむことはなかったのにな・・・とも思いました。

だから、今恋愛しなきゃ、と焦っているけど
本心ではしたいと思えていない人がいれば、
「アセクシャル」や「アロマンティック」という
言葉を一度調べてみてほしいです。

完全に恋愛感情や性的欲求を
誰にも抱かない人だけでなく、
自分は恋愛感情や性的欲求を抱くけど
人から向けられることは望まない
「リスロマンティック」「リスセクシャル」や、
強い絆でつながった人にだけ
恋愛感情や性的欲求が向く
「デミロマンティック」「デミセクシャル」など
恋愛や性愛に対する分類は
数多く存在しているので、
何かあてはまるものがあるかもしれません。

記事の中で出した言葉の意味

もし何も当てはまらなかったとしても、
現時点で「恋愛したい」と思えていないなら、
頑張ってする必要は全くありません。

私の周りには、恋愛は全く興味がなくて、
したいと思わないけど、家族は欲しいから結婚願望はある、という人もいるので、本当に価値観は人それぞれです。

カテゴリなんてなくても、
恋愛したくないならしなきゃいいじゃん、と
思う人もいるかもしれませんが、
周りはみんな恋愛していて、
それが当たり前とされている世界で
自分だけ「したくないからしない!」と言い切ることは、私は難しかったです。

人に、「好きな人ができない」
「付き合いたいと思えない」と相談すると、
「いい人に出会えていないだけだよ」
「いつか本当に好きな人に出会えればわかるよ」

などと言われてしまうのも、
「人を好きになって、付き合いたいと思うのは当たり前」
という思い込みを持ってしまう一因だと思いますし・・・。

そういう環境では、どうしても、
「自分が変なんだ」
「自分の努力が足りないんだ」

考えてしまって、
ただ純粋に「恋愛したくないからしない」という
選択肢を選ぶのは
至難の業だと思います。

だから私は
アセクシャルだと知ってすごく救われたし、
知ってからようやく、
「自分には人と付き合いたい願望がないから、
恋愛も結婚もしない」
と思えるようになりました。

そして、まだ世の中には、
自分ではアロマンティックやアセクシャルだと
気づいていなくて
苦しんでいる人も多いんじゃないかなと
思っています。

昨今、LGBT+という言葉が
知られるようになってきて、
一切あてはまらない人からすれば、
カテゴリばっか増えてめんどくさいな、
そんな言葉ばっかり増やす意味ある?
などと思うかもしれませんが、
私は、マイノリティを表す言葉は、
あくまで当事者のためにあるものだと
思っています。
少数派だと、
そもそも存在を認識されず、
透明人間のような扱いをされて
苦しむことが多いので、
カテゴリ分けをすることによって
やっと認識される、というのが
現状だと思います。
ずっと、自分がおかしいんだと
苦しんでいたところを
当てはまる言葉を知って
安心できる人は多くいると思います。

終わりに

とても長くなってしまいましたが、
私がアセクシャルだと気づくまでの経緯を
お話ししました。

最近は、結婚しない人生もありだよね、という
風向きになってきつつありますが、
とはいえ、親世代の意見は以前のままだったり、
恋愛や結婚に対して、やらなきゃという義務感に
縛られたままの人も多いのではないかなと思います。
もちろん、恋愛したい、結婚したいと
思うのも素敵なことだし、
本心でそう思っている人は全力で応援したいです。
(私自身は恋愛の機微がわからないので
相談には乗れないのですが・・・)

ただ、本当は思っていないのに
義務感でやろうとして苦しんでいる人や
自分がアロマンティックやアセクシャルであることに気づいていない人もまだまだ
多いのではないか、と思い、
今回の記事を書いてみました。

これを読んで、何か気づきがあったり、
自分の本心を見つけるきっかけになれていたら
嬉しいです。

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