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2016年 80冊目『女性が管理職になったら読む本』

IMDのギンカ・トーゲル教授の本です。
元RのTさんがFBで書かれていたので手に取りました。

現在の仕事にも関係ありますが、とても参考になる内容でした。

副題に「キャリアと自分らしさを両立させる方法」とあり、帯に「実は女性の方が良いリーダになれる!なのに、なぜ、できる女性は嫌われるのか。
あなたの悩みや疑問にIMD教授が答える」とあります。

メモした内容を書いておきます。

・男性を表現する言葉で「嫌な女」に相当するものはない。
そういった特徴を出す男性は昇進するから。

・男性にとって好ましいが、女性にとってはそうでもない特性:好戦的、積極的、自立している、ハードワーク

・女性にとって好ましいが、男性にとってはそうでもない特性:優しい、周囲への気遣い、友好的、手助けを惜しまない

・男性にとって好ましくないが、女性にとってはそうでもない特性:感情的、ナイーブ、弱い、自信が無い

・女性にとって好ましくないが、男性にとってはそうでもない特性:好戦的、威圧的、支配的、傲慢

→男性はこうあるべき、女性はこうあるべきが反対であり、暗黙のルールがある。これが女性リーダが男性のように振る舞うと反発されるメカニズムの背景。

・女性が協働的な特性を示しても、当然だと受け取られるのに、男性が示すと、類い稀なリーダだと高い評価を受ける

・女性だけが直面するジレンマ:ウーマンズ・キャッチ22:2番目の事をしないと1番目ができないのに、1番目をせずに2番目が出来ない状況

・女性はリーダに期待される役割と女性に期待される役割を自分らしいやり方で融合させればよい。これによりウーマンズ・キャッチ22を解決できる。

・時と場合によって行動を変える

  ペプシコ社CEOインドラ・ヌーイさんはタフなリーダだが、部下の誕生日にケーキを持って来たり、ファッションのアドバイスをする。

・リーダシップは2種類

①交換型リーダーシップ:アメとムチ:行動と報酬や罰則を交換する。:現
状にフォーカスする。

・交換型リーダシップに必要な資質:報酬、誤り・逸脱(への対応)

②変革型リーダーシップ:内発的動機に働きかける:将来にフォーカス。感情に働きかけて目的を達成する。

・変革型リーダシップに必要な資質:信頼、モチベーション、刺激、コーチング

・ノースウエスタン大学の研究では、平均的に女性の方が変革的リーダシップの素質を持っている。

・EQも女性の方が高い

・フォーチュン500で女性CEOは24社、4.8%。イギリスでは4%、オーストラリアでは3%。日本上場企業3584社中29社、0.01%未満。

・ガラスの天井と言われるが、エントリーから昇進割合が異なる。中間管理職で3倍、上級管理職で2倍など

・原因は無意識バイアス(未意識だから問題がより難しい)

 転職で昇給するのは男性が多い:MBA修得後、男性は転職回数と年収は正の相関。女性は逆。

 履歴書の名前だけ変えると、男性は採用したいと評価され、女性は逆の事も多い

 成功した男性創業者の名前を女性にした話に対して「評価するが、一緒に働きたくない」との評価が多い

 建物デザインに男性の名前と女性の名前を付けると評価が男性の方が高い事が多い

 氏名や性別をブラインドにすると、オーケストラの採用は女性が増えた

 8つの階層の組織で1%のバイアスを作ると8段階目では15%の差が出来る。

・女性は自信を持っていない。HPで社内公募時に要求水準60%でも男性は手を挙げるが、女性は100%でないと手を挙げない。

 似顔絵を描く際に、自分の説明と友人の説明で書いた場合に大きな違いが出る。後者の方が明るく、きれいな事が多い。

 自信の無さは、そう思わせる組織が原因

  女性管理職へのアンケートでは個人起因の倍で組織起因の影響が大きいと回答

 構成比が15%以下(トークン:象徴)だと、少数派となり目立ちます。25%でマイノリティ、35%がティッピング・ポイント。

・武器は自分らしさ。

・本物のリーダと認められる場合に重要な2つのポイント

 言行一致の徹底

 部下たちとの共通基盤を見出す

・ビッグ・ファイブ(情緒安定性、外向性、開放性、協調性、勤勉性)は強みにも弱みにもなる

 これらを測定し、自分自身を知り、行動をコントロールする事が重要

 情緒安定性
高い:冷静だが自信過剰
低い:すぐに反応するが安定感に欠ける

 外向性
 高い:エネルギッシュだが自己主張が強すぎる
 低い:思慮深いが関係性が低い

 開放性
 高い:イノベーティブだが散漫
 低い:現実的だが保守的

 協調性
 高い:思いやるがあるが、優しすぎる
 低い:チャレンジングだが攻撃的

 勤勉性
 高い:集中力があるが完璧主義
 低い:柔軟だがいい加減

・積極的な気持ちにしておく 

自信をつける①:前向きなメモを書き、読む

価値ある人物だと思われる第一印象を与える:重要な打合せの前に自分が目指す大きな目標、実現したい事、ワクワクする事、得意な事を書いておく
→積極的な行動がとれる心理状態を作り、前向きになれ、第一印象を向上できる

自信をつける②:元気が出るポーズをとる

腕をVの字に突き上げ、あごをやや前に突き出すようなポーズをとる
→体が心に良い影響を及ぼす

自信がつくデータ

 女性上司を好む人が増えている(男性上司は66%→33%)1953年から2013年のアメリカでの調査

・8つのアドバイス

①ビジョンや戦略を語る力

 作るのではなく、語る事が重要!

②ネットワークを構築し、活用する力

 タスク(課題)とソーシャル(自由時間)では男女差異は無い。新たなメンバーと組む際のリスクで差異。

 最も影響力のある人を探し、補完関係にある人をつなぎ、新しい人、多様な人とつながる事を意識し、他者に感じが良い態度を取る

③キャリア移行のマネジメント

 挑戦、バランス、自分らしさの3つを意識してマネジメント

④積極性や自信、上司との付き合い方

上司にもっと要求する。上司は公平なつもりでも要求しない人は後回しになる

⑤健全に関心を集める力

会議で目立つ①事前打ち合わせをして味方を増やす②事前準備をしておく③感情的にならないように意識して平静を保つ

⑥他者に影響を与える力

 報酬力、強制力、専門力、正当権力、同一視力

⑦答えはあなたの中にある

⑧ロールモデルはキャリアのあらゆる段階で必要

 様々な人の良い面を「部分的」にものにする=完璧なロールモデルを求めない

▼前回のブックレビューです。

▼新著『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』です。


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