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2016年 38冊目、39冊目『国家と私の行方 東巻』『国家と私の行方 西巻』

私の社外の師である松岡正剛先生の本です。

先生はイシス編集学校校長です。

この学校名のイシス=ISIS=Interactive System of Inter Scoreを使った本です。

「インタースコア編集術で歴史を読み解く」というのがコンセプトの本なのです。

少し補足が必要ですよね。

スコアとは広義の「出来事や行為の記録や痕跡」のことです。

野球の記録のスコアブックなどをイメージすると理解できると思います。

そしてインターとは「またぐ」という事です。

松岡先生の「編集的歴史観」で同時代に起きた様々な一見異なるできごとをつないで見ていこうという本なのです。

そしてつないで見ていくことで、見えなことが見えてくるのです。

さらに、様々な歴史変化を「相同性」と「個別性」、そして「同質性」と「異質性」を意識しながら編集されています。

とても面白いです。

先生は、この本を大学生なる直前の「18歳から考える」とサブタイトルを付けています。

もし、この中身をきちんと知ることができれば、あるいは興味を持つことができれば、どこの国の方々とどのような話をしたとしても、深いコミュニケーションができるようになると思います。

私ももっと前にこの本と知り合いたかったと思いました。

全14講からなります。以下の内容に少しでも興味を持ったら手に取ることをお勧めします。

ちなみに、松岡先生の知識の深さと広さは「松岡正剛の千夜千冊」をWEBでみるとわかると思います。

東巻

1歴史的現在と編集力

 例えば:日本は日本をどう編集すべきか

2「みんな」と国家と資本主義

 例えば:国民国家とは何か?

 例えば:資本主義とは何か?

 例えば:資本主義の掟は何か?

3プロテスタントとリヴァイアサン

 例えば:イギリスが活用したキリスト教

 例えば:国家とは「人工人間」の集合である

4華夷秩序の将軍の国

 例えば:徳川日本は世界をどう見たのか?

 例えば:徳川幕府の中国離れのシナリオ

5ナポレオン・アヘン戦争・国民国家

 例えば:アジアが列強の餌食になる

 例えば:南京条約の屈辱

6なぜ列強は開国を迫るのか

 例えば:戦略を持てなかった日本

 例えば:イタリアの維新と国家統一

 例えば:密接な正反対ー日韓、日朝関係の歴史

7明治日本とアフリカ分割

 例えば:なぜ日本は朝鮮半島を欲したのか

 例えば:日清戦争の原因ABC

 例えばイギリス史上もっとも醜い侵略戦争

西巻

8はたして社会は進化しているのか

 例えば:資本主義をゆがめるもの

920世紀の哲学と文学が暗示したこと

 例えば:脱中心・多中心を求めてー20世紀のドイツの思想力と表現力

10「イギリス」の間違いと「日本の失敗」

 例えば:イギリスが作り出した中東の大混乱

 例えば:世界大戦はどのような結末を迎えたのかー勝者は誰か

11 アメリカの資本主義と大衆の力

 例えば:アメリカ的個人主義とマスカルチャー

 例えば:新植民地主義の代理戦争

12 インターネットとイスラム主義の問題

 例えば:8つの懸念

 例えば:ビンラディンは何と対決したのか

13 歴史認識問題と日本の語り方

 例えば:日本にとって沖縄とは何か

 例えば:靖国神社をめぐる議論を総覧する

 例えば:日本における意思決定プロセスの不在

14 編集的世界観を求めて

 例えば:なぜ日本で反「祖国」や「母国」を語れなくなったのか

 例えば:九州のルソー宮崎とう天(とうの漢字が見つかりません)

▼前回のブックレビューです。

▼新著『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』です。

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