2018年 71冊目『告白』
清原和博さんが覚せい剤取締役法違反での執行猶予中の1年間に綴った告白録です。
毎月、清原さんと著者がホテルの一室で会い、それをまとめるという作業を続けた本です。
岸和田の少年時代から話が始まります。
甲子園での優勝、そして巨人軍の桑田投手指名。
桑田選手から自分も巨人に行きたいと一言あったら、あの落ち込みはなかったかもしれないという告白を聞くと心が痛みます。
※弟の友人(故人)がPL学園で2人の1級上の野球部でしたので、なんとなく2人にシンパシーを持っています。
西武新人時代は、本当にストイックに野球に打ち込んだようで、遊ばず、メモをとり成績も上がっていきました。
しかし、2年目以降、その真剣さがなくなっていったようです。
メモも取らなかったそうです。
しかし、それでも500本以上のホームランを打てたのは、はんぱない才能があった証拠です。
FA宣言時は、阪神が倍の評価をしていたそうですが、お母さんの一言で巨人軍を選択しました。
巨人から解雇になるときに仰木監督から「最後の花道は俺が作ってやる」という話を貰ったところは、涙が出ます。
というのは、仰木さんご自身が、病気を隠して清原さんと会っていたのです。
そして、その話を断った渦中に仰木さんは亡くなられます。
タイミングが合わなかったのです。
引退後、やることがなくなり、結果、その心の隙間に覚せい剤が入ってきました。
ご家族が出て行った理由もきちんと把握できていないようです。
そして、現在もまだまだ暗闇の中にいるようです。
覚せい剤を欲しがるのです。
最後まで、淡々と清原さんが語る事実だけが綴られます。
ハッピーエンドはまだまだないかもしれません。
▼前回のブックレビューです。
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