見出し画像

2022年4冊目『改革』

元シドニーオリンピック100㎏級の金メダリスト井上康生さんが全日本監督になって2016年リオデジャネイロオリンピックでは1964年以来の全階級メダルを実現した話です。
柔道の話なのですが、企業の業績V字回復の話としても、マネジメントの話としても参考になる話でした。

結果が悪く、尊敬する先輩から部署を任されたのです。
年齢も若く、OBからは大丈夫かという声がたくさんあります。
まず幹部人事です。自分が信頼できるコーチなどで脇を固めます。
これ、なかなかできないです。

根性ではなく、科学を取り入れ、トレーニング方法も変えます。
ゴールをオリンピックに絞ります。
当たり前と思うかもしれませんが、従来は全ての国際大会に出て成果を出すのが目的でした。

文章は丁寧なのですが、かなり剛腕を発揮します。

適切な選手がいない階級は、過去前例がない「代表選出見送り」をします。
→今のままではまずいと選手に奮起を促すためです。

海外からも積極的に学びます。
これって方針大変更です。

海外選手に負けない体力強化をします。
食事も変えて、体質改善をします。
予算を増やし、所属先との関係を強化します。
幹部間では率直な意見交換をします。
金メダルを取るためには、分厚い選手層が必要です。
読書から指導法も学びます。

外国で強い選手と国内で強い選手がいるそうです。
外国で強くなるために、海外での試合数を絞り、その代わり全力で戦わせます。

しかし、情報戦もあります。
全てを出さないで勝つこともします。
いやいや素晴らしい経営者です。
繰り返しになりますが、V字回復のマネジメントの本としても面白いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?