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2024年 36冊目『中間管理職無理ゲー完全攻略法』

プレイングマネジャーって大変なので何とかしなきゃと思っています。

現在70名弱の人と一緒に、このテーマについてディスカッションしだしています。

その際に、これが参考になるのではないか?と教えてもらった本です。

著者はサービス業の現場やオフィスなどのオペレーションをビデオカメラを設置して、録画データをもとに課題を抽出し、解決のための仮説を立てて改善策を提案し、改善がみられるまで二人三脚で仮説検証を繰り返すトリノ・ガーデンの社長です。

昔、類似の技術を持っている大阪ガスだったかの方に話を聞いたことがあります。

その方はお寿司屋さんの従業員の動線改善や駅での乗客の動線から看板などを変えることで駅員への問い合わせを大幅に削減することに成功していました。同じアプローチだなと感じました。

時間が経っているので、更にレベルが高いんだと思いますが。

沢山の事例の中から、中間管理職が上層部と現場の間で何とか身体を張って守っているという事だそうです。

つまり、上層部が変われば、現場が変わるという事だそうです。

これは、まさに同感です。

私が23年12月に書いた現場が変わるマネジメントでも同様のことを書いています。

私はホワイトカラー対象だったので映像に撮りにくい。

だから結果データとプロセスのテキストを分析して仮説を立てていました。

インプットは異なりますが、アプローチはほぼ同じですね。

で、中身です

タイトルからは想像できないくらい、まじめで役立つ本です。

4つのステージ、それぞれ10個ずつのストーリからなります。

1 ゲーム主人公に振りかかる無理ゲー

2 チームプレー上の無理ゲー

3 メンバーがくり出す無理ゲー

4 ゲームマスターから降りかかる無理ゲー

1は、いっぱいのタスクがやってきて、長期目標やスキルアップを考えたいけれど時間がない。

同じことを言う無駄をなくし、自分の時間を作ろうとマニュアルを作っても現場は見てくれない。

しかも残業規制があるので、これ以上時間も作れない。

ロールモデルもいないし、本に書いていることや先輩が言うこともバラバラ。

議事録を作れ、報告書、資料を読めと更に時間が圧迫される

そして頑張っているのに待遇も変わらない

2は、指示が現場に伝わらず、チェックシートも解釈、記入法に振れ幅が出る。

皆で一致団結して取り組まないといけないのに、メンバーのやる気を引き出せない。

幹部は精神的に強いが、今の若手は耐える力が弱い

若手や新人だけのチームなので、自分への負荷が大きすぎる。

しかも、人が辞める。

褒めても叱っても業績が安定しない

3は、メンバーから報告が無く、自分からの働きかけが必要で、時間を取られる。

メンバーからのちょっといいですかで、自分の集中力が途切れる

中堅メンバーも凡ミスを連発し、自信がないという。

目の前の機会に気づかず機会損失をし、メンバーにアドバイスしても沈黙、既読スルー。

やる気を見せてくれても、意図せぬアウトプットばかりして成果が伴わない。

トラブル究明をしても真因にたどり着けず、相談ないうちにメンバーがキャパオーバー。

昇進意欲も少なく、顧客からのクレームですっかりやる気をなくす。

4は、声の大きな人の意見に流され結論が出ない会議。

助言と言いながら的外れのアドバイス。頼まれた仕事も使われない。

上司の確認待ちで仕事が進まず、説明しても理解できず強制終了。

長期のことをしたくても短期業績だけを求められる。

これらが一気にきたら確かに無理ゲーですね。

これら1つずつに

無理ゲーの状況⇒攻略法⇒解説という形で説明が続きます。

ところどころに写真や図版もちりばめられていて分かりやすいですね。

この本の面白いのは、中間管理職本人の認識ではなく、映像から見たある意味事実をベースに課題抽出をしていることですね。

私は「問題」と「課題」を使い分けています。

「問題」はもやもやしていること。

これはたくさんあります

例えば、体調でいうと

のどが痛い、熱がある、寒気がある、食欲がない

これら1つ1つに対して手を打とうとするのが問題解決です

例えば のど飴を舐める、熱さまシートをつける、カイロを貼るなどですね

では課題は何かというと

目的やGoalとのギャップです

例えば、これらの症状だと、インフルやコロナの可能性があります

適切な処置をするってのか問題解決ではなく課題解決です

また、短期はそうなのですが、中長期で考えると

免疫を高める、日々の生活を見直すなどが本質的な課題解決です

つまり、本人に聞いても課題を把握できていない可能性が高いのです

だから質問やアンケートの回答で把握できたものを解決しようとしても限界があるわけです。

そういう意味でいうと、この映像を取るというアプローチは、行動を見ているので、本人の認知ではないところから本質的な課題を見つけられる可能性があると思うのです

しかし、映像で取れる仕事では役立つのですが、そうではない仕事ではこれでは役立ちません。

その場合は、ワークログ(仕事の結果)を分析することで、本人が気づいてない問題、課題を把握できると思うのです。

▼前回のブックレビューです。

▼新著『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』です。


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