2024年 35冊目『自刻像』
伊勢谷友介さんの本です。
天は二物も三物も与えるなってのが伊勢谷さんへのイメージでした。
かっこよくて、演技もできて、役創りにストイックで、モデルもできて、英語での演技も評価されていて、監督もできて、東京芸大で、福島や熊本の震災の時には支援をしている。
そんな伊勢谷さんが大麻取締役違反で2020年に逮捕されました。
その伊勢谷さんの人生を語る本です。
冒頭、警視庁が自宅にやってくるところから始まります。
そして、その後、伊勢谷さんの人生の節目が時系列ではなく取り上げられます。
お父さんは腕の良いテーラだったようですが、何度も結婚をして多くの子供を作った方だそうです。
山本寛斎さんが異母兄弟だそうで、彼からの影響もたくさん受けています。
最後に以下のような話が載っています。
抜粋しました。
わが身を振り返ってみると、僕が社会に及ぼせる影響は、逮捕される前よりも格段に減っている。
未来の社会のため、人類のため と信じて行動してきた人生だったが、それは事件によって大きく変わってしまった。
社会のために志事を成し遂げたいと思っても、今の僕にはそのフィールドが与えられていない。
自分が思い描いていた生き方をしているとは言い難いし、この生き方に納得しているわけではない。
僕を求めてくれる人がいるならば、それに精一杯応えることが僕の社会に対する価値になっていくのだと思う。
今の僕には、そのために自分ができることがあるのかすらわからないのも、また現実なのだ。
俳優としてテレビに出ることは、当面難しいと思う。
テレビはスイッチを入れれば、誰もが見られるものだからだ。
もしそのチャンスがいただけるのであれば、僕は全力で与えられた仕事をまっとうしたい。
挫折禁止を自分自身に課して生きていく、それが僕にとっての贖罪であり、明日を切り拓く何かに繋がると信じている。
引用終わり
伊勢谷さんが事件を起こして直接迷惑を被った人、スポンサーやリバース・プロジェクト、熱烈なファンなどはともかくも、私自身はそこまでの関係性ではない。
たんなる1ファン位。
失敗があると立ち直れない世の中は何とかしたい。
彼に限らず、もう一度復帰しようと真摯に取り組む人が復活できる日本であってほしい。
▼前回のブックレビューです。
▼新著『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』です。
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