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2023年 66冊目『明日からの教室のつくりかた』

コードタクト社が学校向けに提供しているスクールタクトを活用してより楽しい学びの場を作った事例がたくさん載っている本です。

私は同社が社会人向けに作ったチームタクトを使っているので、参考にしようと手に取りました。

現在小中高では、コロナで前倒しされたギガスクール構想で生徒1人1人に端末が配布されています。

しかし、学校によってはwifiがきちんと整備されていなかったり、自宅にwifiが無いので端末を持って帰ってはいけなかったり、あるいは、あまりに予算が安いので端末のパワーが悪かったり、いろいろ制約があるみたいです。

そのような環境下で、いかに楽しい学びの場を作るのかTipsがたくさん載っています。

なるほどなって思ったのは、まだまだ手書きの授業もあるのです。

それを端末のカメラで撮影すると簡単にスクルータクトに取り込めるのです。

スクルータクトは他の生徒の画面も簡単に見られる仕様になっているので、相互学習が進みやすくなるようです。

先生も、ノートの提出が不要で、授業後にきちんと閲覧コメントできるので便利なようです。

現場がアナログであれば、それをベースに使いやすい状況を作るのも大事ですね。

※上述のようにネットワーク環境や端末環境に制約があるので、このような併用も必要なのでしょう。

スクールタクトが協働学習がしやすいUIや機能が多いので、グループごとでの実験記録、解答やアイデアの共有、問題の出し合い、全体でのキーワードの見える化、グループごとでの学習課題作り、学校新聞などの共同制作、委員会やクラブでの活用、学年を超えた交流などが簡単にできるようです。

また、毎朝健康について報告をしてもらったり、朝の一言を書いてもらい、そこに相互に「いいね」を押したり、コメントを書きこむことで、生徒1人1人の状況が容易に把握できるのと同時に、関係性マップを使って「孤立」している生徒を発見し、個別に対応もできるようです。

加えて自治体全体での取り組み事例も載っていて興味深いです。

岡崎市では、スクールタクトの機能を活用して、生徒に合わせた個別最適化学習とチーム学習を行っているようです。

従来の学習方法は工業化社会で、皆が工場労働者として一斉に同じことをするのには適していました。

しかし、現在ではその工場でさえ、一斉に同じことをしていません。

サービス業にいたっては、その個別性は更に違います。

岡崎市のような個別最適化とチームでの協働学習が当たり前になれば良いなって思いました。

▼前回のブックレビューはこちらです。


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