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2023年32冊目『10年変革シナリオ 時間軸のトランスフォーメーション戦略 』

ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)のトップだった杉田さんの本です。

私もリクルート時代にとてもお世話になりました。

杉田さんが書かれているのは、大きくいうと2つです。

まず1つめは「時間軸のトランスフォーメーション戦略」という長期的な視点を持った成長戦略です。

リクルート、ユニ・チャーム、富士フィルム、ソニー、マイクロソフトなどの解説から分かりやすく説明しています。

この戦略は、「10年経ったとき、その時点から現在を見ると、変化は非連続に見える。逆にまったく違う企業であるかのような非連続な変化ができていなければ、その時点で生き延びていないかもしれない。しかし一方で、現在から10年後に向けてのプロセスは、連続的な変化の積み重ねである。小さな変化の連続を速いスピードで日々繰り返すからこそ、長い時間が経過したとき、結果的に今とはまったく違う企業に変貌できているのである。」

と説明しています。つまり、アジャイル的に速く変化をし続ける必要性を説いています。

もう1つがパーパスです。

パーパスが必要な理由として5つを挙げています。

①不確実な環境下における道標

②従業員の動機付けや優秀な人材のリテンション

③戦略の自由度が高まる

④戦略プランニングの考え方が変わる

⑤組織カルチャーの変革

言われるとその通りなのですが、実績がある事もあり、すっと入ってきます。

嬉しい事にリクルートテクノロジーズのことが載っています

引用します。

当時の峰岸社長が打ち出したのが、エンジニアを中心に据えたマネジメントに変革する事である。

そのために、

①エンジニアがリスペクトするエンジニアを採用

②エンジニアがリスペクトするエンジニアに権限委譲

③エンジニアがわくわくする仕事をアサインすること

を決めた。

中略

その1つのしてリクルートテクノロジーズという新会社を設立し、グループ内の技術開発を担うデジタル組織を立ち上げた。

リクルートと別組織にすれば、エンジニアにとって魅力的な評価制度や給与体系を構築できる。

また、採用においても、「事業会社ではなくテクノロジーの会社が募集する」という形をとれるので、エンジニアを惹きつけやすい。

そして採用されたデジタル組織の人材を彼らにとって魅力的な未経験の業務領域にアサインし、新たなチャレンジの機会を積極的に作った。

グループ内の事業会社にテック人材を供給し、商品開発や業務BPRなど様々な領域に挑戦させながら目に見える実績を出し続け、グループ全体でデジタル化の機運を高める事を狙ったのである。

これらのチャレンジから、POSレジアプリ「AIrレジ」や「Airペイ」、サロン管理システム「サロンボード」など多くのサービスがテック系人材によって生み出されている。

これらの取組により、優秀なテクノロジー人材が活躍できる土壌が作られた結果、ほぼ5年で2000名規模のエンジニア人材のプールを創り上げ、リクルートのIT人材の就職意向率も急上昇したのである。

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