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2018年 83冊目『ポスト資本主義――科学・人間・社会の未来』

※このnoteは2018年8月にFacebookに投稿された内容です。

2015年、3年前の本です。

今読んでも十分面白かったです。

特に前半は読み応えあります。

ただ、後半は、少し読み進めるのが難しい本です。

たくさんの内容を新書に詰め込んだ感じがするからです。

著者は、市場経済と資本主義を区別しています。

市場経済とは魚市場に代表される公正で透明性の高い競争を行う普通の人々の領域としています。

近代産業社会以前は、市場経済のみだったとあります。

一方の資本主義は「市場経済+常に拡大・成長を志向するシステム」と定義し、市場経済とは全く別のシステムであり、近代科学技術の発展とともに繁栄してきたかを説明します。

弱肉強食であり、一部の人が大きな利潤を得る世界なのです。

そして、未来社会は今の資本主義からの脱却、すなわち、エコロジーとコミュニティを主軸にした社会を目指すべきだといいます。

コミュニティとは、個人とナショナル、グローバルの間のローカルなエリアの事です。

納得感高いです。

つまり「格差是正」と「地方の振興」などを柱とする、新しい経済システムが必要だと書いています。

成長を追い求め格差拡大が続くアメリカ型「新自由主義」的経済システムと、ドイツや北欧で実施されている、福祉国家型システムと対比させながら、後者の方向に舵を切るべきだとしています。

※日本は中間よりもアメリカ型の国だとデータで説明しています。私個人ととしては、何をしても生きていける、食べていけるセイフティーネットがある前提で競争社会が良いと思っています。

おおよそ同じ話を書いてくれている本だと思います。

▼前回のブックレビューです。


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