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2019年 35冊目『構造主義科学論の冒険』

先日参加していたエッセンシャルマネジメントスクール(EMS)の最終講義に著者の池田清彦さんが来てくださり、興味を持ちました。

池田さんは、ホンマでっか!TVによく出ていらっしゃる教授です。生では、テレビでは分からないキレキレで、賢さ満開の話をしてくださいました。

その際に、この本に触れていらっしゃったので、手に取りました。

とてもとても賢い人が一生懸命簡単に書いてくださっているのですが、私に正確に理解ができたのか、はなはだ自信がありません。

そもそも、科学は同一性を追求する試みに過ぎず、真理の追求ではない

「外部世界は客観的に実在する」という実在論は間違いである

外部世界の実在性を仮定しなくても、科学は成立する

理論というものは、我々の頭の中にあるのであって、独立にどこかにあるわけではない

人間は外部世界の現象を言語的に認識する。

人間が現象を認識した時点で、それは現象そのものではなく、記号(言語)である。

ただし、現象は現象として現実にある。

しかし、その現象は絶対的な実体を伴ったものかどうかという議論自体には意味がなく、それを追及することは不可能である。

面白いエピソードもたくさん載っています。

例えば

マヤの古代人は、星の運行について途方もない知識を持っていました。

正確で、膨大な知識です。しかし、マヤ人が星を動かしている「仕組み」を科学的に知っていたわけではありません。

一方でニュートンは、星がどうやって動くかという仕組みをほとんど説明しました。

地上の運動と星の運動を一緒に説明することに成功したのです。

両者の違いは、「個物」を消し去ることによる形式化です。

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