2023年 13冊目『聖なる愚者』
説教の本です。
説教と言っても親の小言の方ではなく、キリスト教会である説教です。
ユング派の心理学者でもあり牧師でもある樋口和彦さんの説教集です。
冒頭の話、講演と説教の違いが興味深いです。
講演:講演者の話を聴いて、参加者が何かが付け加えられると嬉しい。
→講演者の言葉なので、講演者がうまくいった→評判が良い
説教:参加者の拠って立つ自信のようなものを1つひとつ取り外していく。→神の言葉であり、講演者が今日はだめだった→評判が良い
タイトルの「聖なる愚者」:Holy Fool
1 単純であること
→立派な牧師になりたければ、いつでも牧師館を飛び出せるようにトランク1つに荷物をまとめておくこと
2 聖
→分離されている:凡に対しての異常さを明示→講談は礼拝堂でも一段高いところ
3 ミッションがある
→異常な愚かさは、彼以外の人々に向けられたある使命がある
→聖なる愚者の究極の形、十字架上のイエスの像
単純極まりなく、聖別されていて、罪ある人間のためという使命の為の十字架
→もしだれかが自分は知恵あるものだと考えているなら、本当に知恵あるものとなるために愚かなものになりなさい
この世の知恵は、神の前では愚かなものだからです
傷ついた癒し人
日本古来の宗教は愛の宗教ではない
今ではキリスト教は愛の宗教と言われているが、キリスト教だけが愛の宗教ではなない
古代の農業の神は愛の神として崇拝された
キリスト教は、ギリシャやローマの宗教などの伝統の宗教が結集されて深化してきた
人間の愛は、不合理で、不完全で、しかも気まぐれ
愛によって苦しむこともある
傷との関係
→キューピットが矢で射ると、固く結び付けられる
→割礼、入れ墨、信仰の告白など
→傷にはストーリがある
十字架の愛
→罪を償うために捧げものをしていた
→最も大きな捧げものが自分自身
→キリスト自身
傷のない戦士
→強い戦士には傷が無い。でも愛に弱かったりする。
→パレスチナに行って、十字架につけられ、血を流しているユダヤ人を見て救い主とは思えなかった
→今も、この私にイエスの血は流れている
1傷は方向性がある
2選ばれたことによって人格の関係性の中に入る
3イエスの十字架は、同時性(今も私に意味を持ち働きかける)
たくさんのテーマについてわかりやすく説明してくれる説教集です
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