入院日記_20240328

相変わらず予期不安がとんでもない。いよいよ外にも出られなくなった。車が怖い。
引き続き村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』を読み進める。寝て終わる短編が多い。みな恐ろしい事態に面して、考えて、一旦安心して寝ている。私は火事が起こるのではないかと不安で夜ろくに寝られず、日中ずっと眠ってしまっているのに。安心がほしい。みな寝ている時間に寝たくない。言葉にすると石になると作中で言っているから、言葉にしないほうがよかったのかも。このこと、不安感について、は看護師にも話してしまった。
思うに、ずっと死にたかったぶん怖いもの知らずで生きてきてしまったのではないか。死にたくなくなって初めて、世界に潜む危険の多さに気づいてしまったのではないか。いままでがおかしくて、いまが正しい? そんな馬鹿な。生活もままなっていないなら、やっぱりいまがおかしいんだと思う。
『ノルウェイの森』を読んで以来食わず嫌いしていたが、ハルキ、普通に面白い。むしろノルウェイの森ってハルキの代表作ではなかったりするか? それとも私が大人になったか? 出てくるシャレオツな人物やセックスの描写はまあ鼻につくんだが、それ以上に興味深くもある。
それはそれとして本が読めない。短編1本を読み終える度に閉じてしまう。長編なんてなにやっても読めない気がする。でも数行、数ページで閉じていた最初よりマシか。入院してから1冊と半分と半分本を読んだ。これは普段に置き換えると1年分に当たる。快挙だな。読めてるな。私にしてはだけど。
夕飯にきんぴらごぼうが出てきて好きな惣菜発表ドラゴンが脳内で小躍りしていた。私自身のきんぴらごぼうへの好感は普通くらいだ。でもドラゴンが喜ぶならそれ以上によいことはないなと思う。好きな惣菜発表ドラゴンから施される食育。誰かも言っていたけど、子どもたちにも流行るといい。好き嫌いが少なくなる気がする。
肌荒れがひどすぎる! 皮膚科に行きたいが、許可を取り紙を書いてもらわないといけないのが億劫だ。行きたいというか普段オンライン診療で済ませてしまっているのだが、紙を提出できないからダメだろうな。緊急性が薄いので放っといているけれど、どんどんひどくなっている。太っていて顔がパンパンだし、いま、人生でいちばん醜いかもしれない。悲しい。でも見た目を気にしている余裕はない。病人なので。入院患者なので。言い訳だな。余裕がないのを理由にして、数年毛の処理もまともにしていない。ほんのりと脱コル的思想があることは否定できないが、単にやってないだけという話もある。別に毛が生えてる程度で美貌は損なわれないよという気持ちと、ブスなので毛くらい剃っておけ? という気持ちが戦っていて、たまに後者が勝って思い出したように剃るけど、続かない。いつかロリィタを着ることになったらやっと、初期投資として全身脱毛に大枚はたくと思う。体毛の生えたドールは解釈違いだから。
今日自分を褒めるべきところが看護師さんに勇気を出して自分の辛さを打ち明けたことと本を読んだことくらいしかない。十分でしょうか。外に出られない雑魚ですが。

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