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ハイエナに会いに行く。~ケニア#2~

陽気な気候と人々の笑顔と軽快な足取りを見ていると悪い人などほんの一部に過ぎなくて、そういう人など日本だってどこにだっているものではないか

ジョモケニヤッタ国際空港からゲストハウスまでの道中で感じたナイロビは思ったほど治安は悪くないのではないかというものだった。

そのときはお気楽にもそう思っていた。

ゲストハウスに到着し、ドライバーのケネディーに両替をしたいのだがこの辺りにATMはあるかと聞くと、すぐ近くにあると答えた。

それでは散歩がてら両替に行ってくるよと言うとケネディーは険しい表情で「すぐに行く必要がないのなら一人で行くのはお勧めしない、10分から15分後に俺の用事が済むからそのあと連れて行ってやる」と答えた。

僕は恐る恐るなぜかと尋ねた

「ATMでお金を引き出した瞬間強奪される恐れがある、だから一人で行くのは勧めない」

そう言われるとケネディーの言うことに従わざるを得ない

ではその用事が終わるまでどこか昼食ができる場所で待機させてほしいと言うと、もちろんだと答えすぐに出発した。

ゲストハウスから5分ほどでショッピングセンターに到着した。

駐車場の入り口に備えてあるゲートの前に二人の警備員が立っていた。

車がゲート前に停車するとケネディーは僕に車から降りるよう促し、自分も車から降りた

これから何が始まるのか、僕は好奇心と不安が入り混じる感情で警備員の行動を追った

どうやら車を調べているようだ

ボンネット、車内、トランク、最後は車の下も二人係で慣れたように点検し、最後は僕たちのボディーチェックを済ませ、ようやくゴーサインが出た

ゲートが開き僕をショッピングセンター内に送り届けるとケネディーは用事に向かった。

そういえば、ゲストハウスの敷地内に入るにも門番がいて通行許可証のようなものを見せないと入れないようになっていた

ケネディー曰くテロを警戒してのことだそうだが、それだけ頻繁にテロが起こるのだろうか。


ショッピングセンター内は当たり前だがいたって安全で、一人で館内を回っていても危険な気配すら感じなかった。

すでに時刻は16時を回っていた。

この調子だと夜腹が減ったから買い物に行ってくるというようなことなどできそうになかったから、昼夜兼用の食事をケンタッキーでとることにした

テラス席で外の景色を眺めていると先ほどの厳重な警戒とは裏腹にそんな物騒な事が起こり得るのだろうかというほど気持ちの良い日差しと、周りの若者の笑い声が心地よく重なった。

しかし、ケネディーの言葉と街の警戒度を考えればナイロビでは決して油断してはいけないのだ。

そう自分に言い聞かせた。



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