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29歳で5社経験した私が思う3つの良かったことと、1つの失ったもの

こんにちは。
今日は、3回の転職と1回の転籍を経験し、29歳で5社で働くことを経験した私が感じている、よかったこと3つと失ったもの1つについて書いていきます。

結論

まず、それぞれについてお話する前に結論をお伝えしますが、結論、この短期間で働く場所を変えるという行為は総じてめちゃくちゃよかったことだと思っています。
逆に、1社目でずっと働き続けていたら・・・と考えるとゾッとするぐらいです。

今の私が素晴らしい人間かというとまだまだ発展途上ですが、もし1社のまま働き続けていたら、いわば家庭の味しか知らないような世間知らずになっていた可能性が高く、『ほんとうにおいしいものはなにか』を本質的に考えられるような広い視野は持てていなかったのではないかと思っています。

「転職しよう!」とおススメするつもりはないですが、もし進路にお悩みの方がいたら、これからの話を是非参考にしてみてください。

よかったこととは?

①個人の能力を最大限高められる

まずこちらです。
別にこれって会社変えなくても自分次第でどうにかなるのでは?と思うかもしてませんが、私がこう考える理由は下記のようなものです。

・同じ会社では得られる能力の変数が少ない

どういうことかというと、よほど変化の大きい会社でない限りは、例えば営業は営業として、同じ業界で同じ商材を扱い、徐々に大きくなる目標に向かっていくというような状況があると思います。

ある程度売れるようになれば、あとは、行動量の掛け算になり、行動量や効率は良くなるかもしれませんが、成長曲線は圧倒的に緩やかになっていきます。

また、部署異動などで扱う商材が変わるので問題ないという方もいるかもしれませんが、同じ会社内であれば、同じカルチャーで、戦略や目標の設計方法は結局似たような形になることがほとんどです。

少し新鮮味はあるかもしれませんが、“ビジネス”という観点で見た時の大枠(ドメインやSTP、戦略など)はそこまで大きな変化はありません。
これは、自信を成長させるための変数が少なくなっているということに繋がると考えています。

なので、結果的に全く違う環境に身を置くことで、成長曲線により大きな傾斜をかけられると考えています。


②世間の相場を知れることで自身の市場価値がわかる

2つ目はこちらです。
「おいおい、市場価値なんて。誰かのものさしで生きてるんじゃねーよ」という声が聞こえてきそうですが、確かにおっしゃる通りです。

“市場価値なんて測って何の意味があるのか・・・?”と私も考えている時期もありましたし、今でも疑問に思っています。

しかし考えてみてください。
仮にあなたが独立して会社を興したとします。
稼がないと(お金がないと)生きていけないですよね?
では誰からお金をいただきますか?
あなたがサービスを展開している市場からいただいますよね?
となると、結局は市場から評価されないとあなた自身は生きていくことすらできないわけです。

こういう風に考えると市場価値もちょっとは気にすべきなのかと思います。

ではなぜ転職を繰り返すことが市場価値の把握に繋がるのか?

少し逆説的に考えてみます。

・1つの会社に居続けて市場価値を正しく認識することはできるのか?

私はこれは結構難しいと考えています。

その会社では活躍できるかもしれませんし、評価をされるかもしれません。しかし、『この会社で通用する=どの会社でも通用する』というのは早計過ぎます。

実際に私もリクルートに在籍しているときに、「リクルートで活躍ができればどこでも通用する」という話をよく聞いていました。

けどそんなもの嘘(というか妄想)です。

現に、リクルートで活躍をして外に出た人間が、「元リクです(ドヤ)」という風に挨拶をしているのを頻繁に見ますが、全く通用しない人も珍しくないです。

これは、リクルートが悪いというわけではないですが、“本当に個人の能力が高まって活躍できたのか”または、“会社の知名度や先輩や市場の追い風を受けて活躍できたように勘違いしていたのか”を正しく認識できていなかったことが問題というわけです。

このように、1つの会社にとどまり続けて活躍できた場合、自分が影響を及ぼせていない範囲(会社の看板や周囲の優秀な人のサポート)までもが自分の実力なのではないかと勘違いを起こしてしまう可能性が高くなります。(というより、そもそもどれが実力によるものかが盲目になってしまう)

会社を変えることで、信頼残高や知名度がない状態でどう立ち振る舞うかを本質的に考えるようになります。
また、転職活動中にも、いろんな会社の面接を受ける経験などを通して、客観的な評価を得られる機会が多くなります。

そうすることで、自分の実力が世間から見た時にどのようなものなのかを判断することができるようになり、また同時に、世間の相場として、何がどの程度できれば優秀とされるのかのものさしを手に入れることができます。


③より多くの成功体験・失敗体験を得られる

これは、ひとつめで書いた、「個人の能力を最大限高められる」というのと同じような考え方ですが、ここでは個人に閉じない範囲で見ます。

個人だけでなく、会社としての成功体験・失敗体験を疑似体験できるということです。

例えば、

  • この会社は表彰式を盛大にしているな・・。これを目指すのがモチベーションになっている人が多いから、表彰の価値を高めるような演出をすることが従業員のモチベーションに繋がっているな(成功体験)

  • 福利厚生が充実していて居心地はいいけど、もっとアグレッシブに働いて給料のリターンが欲しいのに、年功序列のような形になって、優秀で昇進したい欲がある人はどんどん抜けていくな(失敗体験)

  • 採用の時に魅せ方を上手にしすぎると、興味付けをしたことと実際に働いてもらう内容に乖離があり、採用は簡単にできるけど結局離職が重なり事業の成長スピードが鈍化しているな(失敗体験)

などなど・・。
このように、転職を繰り返すことで、その会社ならではのカルチャーや方針、施策を俯瞰してみることができ、それがいい方向に働いているのか、悪い方向に働いているのかを疑似体験することができます。

もちろん完璧な施策などはないですが、もし自分が会社を作るときに、どんな人を採用し、どんな人にどんな気持ちで働いてほしいのかと考える時に、この疑似体験が活きてくると思います。

このように、いろんな会社で働くことで、広い視野で俯瞰的に見る目が養われていきます。
「〇〇が当たり前!」と、ひな鳥が初めて見たものを親を勘違いするような視野の狭い、頭の固い会社員になることを予防できます。


失ったものとは?

これまでよかったことを書いてきて、マイナス面は書く必要なないぐらいかなと思いますが、あえて書いておきます。

それは、昇進する機会が失われる可能性があるということです。

私自身今まで、10人程度のマネジメント、事業計画策定、採用面接、育成、オペレーション改革、プライシングの変更、インサイドセールスの立ち上げなど、マネジャーや事業責任者などと同じような役割を行ってきましたが、役割はリーダー程度にとどまり、正式に役職者になったことはありません。

以前働いていた会社からは、「来期から役職を与えて重要な任務をやってもらおうと思っていたのに・・」という言葉を聞くことは何度もありましたが、待ちきれず退職してしまっています。

実質的に担っていた任務はマネジャーなどと同等の経験だったので、名前だけの役職はいらないかと思い、役職という肩書だけをもらいに行くという動きはしませんでした。

ですが、本質的に能力を判断することは正直難しいため、役職がある方が正直わかりやすいですし、市場からの評価も高まるかと思っています。

そして、日本の会社は未だにほとんどの会社が年功序列です。
(うちの会社は年功序列をやめたぞ!と思うかもしれませんが、それは名目上どの会社も言っていることで、実質的なアウトプットは年功序列と同等かもしれませんよ)
なので、能力があったとしても、入社して役職者にしてしまうと今まで長く働いていた人が不機嫌になり、よりマネジメントが効きにくくなる可能性があります。

そのため日本では、実力をつけるよりも一定期間長く働くことが役職者への近道だと思っています。

私はこの機会を失っていますので、もし役職を得たいという方は少しでも長く働く方が得やすいかもしれません。

※1期目、2期目で勢いのあるベンチャー企業に転職すればまた別かもしれませんので、一応それは例外としておきます。

まとめ

ダラダラと思いのままに書いた文章なので、少しわかりにくいところもあったかもしれませんが、総論、“よかった”ということです(笑)

転職の相談をした時に、「この状態で逃げたら成長はないぞ!どこの会社に行っても同じ繰り返しで失敗するぞ!」などと、少し脅し気味で転職を止めてくる上司がいるかもしれません。

その時に一回その人の境遇を考えてみてください。
その人、、転職経験があまりない長年勤めてる人ですよね(笑)
結局人間は、経験していないことを語ることはできないし勧めることはできません。

もちろん、その方の言うことが間違っているわけではないですが、“長年働くことが正解!”というアドバイスしかできない人なんだと認識した上で、1つの意見として留めておくようにしましょう。

これからは、就社(会社に就く)ではなく、就職(職業に就く)の時代です。
いわばジョブ型です。
そもそも、「この会社に居続けるべきなのか・・・」という“就社”の考え方は、もはや古すぎます。

「この会社にいるべきか」はどうでもよく、
「自分はどの能力を伸ばして何のプロになるのか」が就職の考え方
です。

会社への帰属ではなく、自分のスキルに素直になって考えてみることが、これからの幸せを作るのではないでしょうか。


おわり。

他にも、仕事や生きる上で役立つ考え方に関する記事を書いています。
ご興味のある方はどうぞ。

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