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Route3776(ゼロ富士)挑戦記Day1-2: この先にコンビニはない。

↓前回の記事はこちら。


Day1(2023/08/04)続き

再び走り出す

時間経過とともにランチの消化具合が進んできた。
そして気が付くと地味な上り坂に差し掛かってきていた。

メガドンキホーテのある交差点を右に折れ、大渕街道に出る。
全然知らない道だけど、まあよくある国道沿いの道だ。

まっすぐ進んで東名高速道路の下を通った。

国道沿いの地味な道で一際目を引く蘭豆という素敵な喫茶店があったのが印象的だ。

ここから先はしばらく道なりに進んだ。
暑かったが、道が簡単であまり頭を使わずに済み助かった。

ラストセブン

起点からおよそ11km弱。

富士山へ向かうこの道中で最後となるコンビニに差し掛かった。

日本というこの便利な国の首都圏で暮らしているせいで、向かう先にコンビニがないという状況は日常に存在しない。

なかなかの絶望度だ。

コンビニエンスストア。名前通り、ほんとに便利だ。

ランナーにとっては街のエイドステーションとして日々助けられている。
ロングジョグ中にトイレを借りるついでに飲み物を買ったり、練習後の疲労が溜まる前に駆け込んでプロテインを買ったり。

そんなコンビニがこの先の道中には存在しない。
その事実こそが絶望。

とはいえこの最終コンビニエイドステーションで買い込むと荷物が増えてしまう。

安心と荷重はトレードオフの関係になっていた。

とはいえ想像より暑く、熱中症リスクは高い天候だったため麦茶を1リットル買って持参した2本のフラスクへ詰め替えた。
それと冷凍パウチの300ml容量のアクエリアスを保冷剤代わりに買った。

1300mlを積載し、ラストセブンに別れを告げた。
トイレを借りたが、消化しきれてなくて小しか出なかった。
このまま山へ向かうことに少し不安が残った。

読めない天候

ラストセブンに着く頃には富士山の麓に差し掛かっていたのだと思う。


ザ・林道。

麓から見ても明らかに富士山に雲がかかっていた。

この雲の向こうにきっと富士山があるのだろう。
そう思うほどに厚く黒い雲に覆われていた。

いつ降られてもおかしくない。

きっとこの道を進んでいくにつれて降水確率が上がっていくだろう。

トイレ発見

 最後のコンビニが名残惜しかった理由の一つであるトイレ問題。

雨が降りそうなこともあり、この状態で身体が冷えたらお腹の調子を崩しそうで心配だった。

不安を抱えながら両サイドを高い木に囲まれた山道を進んでいく。
車しか走らないような道。
両サイドは自然。道は不自然に整ったアスファルト。
なんだか不気味な道だった。

明らかな上り坂は歩き、平坦と評価できる箇所はジョグる。
そんなゆるゆるファルトレクのような進み方で集中力を保ちながら前へ進んでいると岩倉学園の標識を発見。
今調べてみたところ孤児院のようだ。

すると、その手前に自販機と仮設トイレが設置されていた。

トイレは思いの外汚れておらず、かつ和式方式のため踏ん張りが効いて助かった。
疲れた状態での和式は脚がプルプルしてしまい地獄だが、今日はスロージョグペースということもあり余裕があった。

トイレを済ませて自販機で給水。
ここでは栄養ドリンクを飲んだ。

その先には富士山の水道があったのでありがたく水を被った。

頭からしっかり被って汗を流した。
適度に冷たくて気持ちが良かった。

帽子とタオルを洗って絞って再装着。
リフレッシュ。
水のパワーはすごい。

良い気分転換が出来たのでまた走り始める。


走ったり歩いたり。歩いたり走ったり。とにかく前へ。

宿泊施設までは残り10kmほど。
まだそれなりに距離がある。

シンと静まったこの不自然な森の中をひたすら走る。
自分たちが立てる足音が山に吸われていく感覚を覚える。

頭上からは鳥や虫の鳴き声。
プログラムが定期実行されているかのように綺麗に鳴いていた。

自然の美しさを感じるというよりは、ここでは完全に自分自身が異分子だなという自覚が強く少々恐怖を覚えた。

↓に続く。


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