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ラジオで伝えたかったこと

私は3月に縁あって人生で初めてラジオに出演しました。

浜松町にあるラジオ局のスタジオに入ってマイクに向かい、写真家になったきっかけやこれまでに体験してきたスポーツ取材のお話をしました。その中で特に伝えたかったことを書いておこうと思います。

それはスタジアムやアリーナで響き渡る歓声(音)の力。フォトグラファーは選手に一番近い場所でカメラを構えます。写真は視覚で撮ると思われがちですが、四方から聞こえる歓声(音)に背中を押されてシャッターを切ることがあります。特に背中から受ける大きな音の力は物凄いです。喜び、悲しみ、激励など一つ一つの音が大きな波のように会場を包みこむ瞬間はいつまでも忘れられません。

サッカーなどのホーム&アウェーで行われる競技はホームが有利と言われますが、それは歓声の力が大きく左右しているのだとカメラを構えながら実感します。今年は無観客の試合が行われれるケースがありましたがスポーツは選手だけでなく、観客やスタッフをはじめその場にいる全ての人達で作り上げているのだと痛感させられました。

その全てを写真に落とし込むために視覚、聴覚など五感すべてを研ぎ澄ませます。ゴール後の空気が震えるような大歓声、マラソンの沿道で聞こえる声援、ボクシングのリング近くで聞こえる怒号、それらが写真から聞こえてきたら私の写真はまた一歩前に進んでいる証拠かもしれません。

ラジオは声という音だけを頼りに想像力を膨らまながら楽しむ番組。あのスタジオに入った時に音の持つ力と写真のことを話そうと決めました。

またあの大歓声の中でシャッターを切れる日まで、今できることを精一杯積み重ねて行きたいと思います。

中西祐介

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