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侍の娘(母)と僧侶(父)に子供ができたら、こんな人生観が生まれました。1/2(二分の一)百歳記念。佐賀章子

 大切なのは、出発することだ。
 星野道夫(著)『長い旅の途上』(文春文庫)

星野道夫(著)『長い旅の途上』(文春文庫)

02:44am「夜更けにふと、本を書いてみたいな〜と思い、メッセージくださいと書いてあった記事が目についたので、ダメ元で送ってみました」。検索していたら、俺のnoteに辿り着いたらしい。

Facebookのメッセンジャーに知らない人からの突然のメッセージに戸惑いながらも返信した翌週、ビジネスパートナーの中山マコトさんと3人でKindle出版プロデュースのZOOMミーティングを経て出版をサポートすることが決まった。韓国ソウル在住の佐賀章子さんとは不思議な縁で繋がった。今まで紙の本もKindle出版プロデュースもvoicyラジオ出演後に決まったが、出版することが決まってからvoicyラジオにゲストとして出演したケースは初めてだ。

2018年、会社を畳む直前に迷走している時、人生の先輩、渡さん(渡会 宏)から「原点回帰だよ。隊長はトリプルE経営を目指すべきだよ。」
トリプルAは聞いたことがあったが、トリプルEを聞いたことがない。どうやら、渡さんのオリジナルらしい。曰く、「エレガント(美しく)、エッセンシャル(本質的に)、エモーショナル(感情豊かに)。だからトリプルEを社是とすべし」そう言われたことがあった。

ほぼ予備知識なく、いきなり本番で収録したvoicyラジオを録り終えて思ったのは、章子さんは、「トリプルE」を持っている人。感性やモノの見方が独特だから発想も表現力も独創的で話してて楽しかった。知らない世界を旅している感覚だった。

小4のインド・ネパールの旅の体験が、すべての原点と思えた。彼女は、「美しい地球を守り、より良く変えていくために、自分にできる事とは何か?」、そんな壮大なテーマを、ずっと自問自答し実践してきた。連続放送1,079回目から1回10分、全10回のvoicyラジオ対談、フォローして聴いてほしい。

章子さんは、ソウル在住20年目。エイジングケアの仕事を始めて10年になる。氣導師であり、小顔美肌指導や筋肉増強指導をしている。月一で東京に来ていた時期もあったが、今はZOOM中心に活動中だという。

港区の寺の次女として生まれ、小さい時から多くの大人を冷静に観察しながら育った。だから、幼少期は「嫌な女の子だった」という。いわゆる偉い人の生き方、考え方、生活の仕方を見聞きした経験は、その後の章子さんの人生に大きく影響していると思う。1歳半で言葉をしゃべれるようになって親に「この本、読んで!」といった神童の側面も持っていた。

小3で公文式学習をすると、すぐに成績上位になった。小4、10歳で父親に連れられて行ったインド・ネパールの旅を体験した。同じ地球、同じ時間を過ごしているのに、物乞いの人が山道に並ぶ、自分とは全く異なる生活を垣間見た彼女は、世界を何も知らずに、革靴をはいて1日3食食べている自分が恥ずかしくなった。その体験から、「私が世界を変えるためにできることは何だろう?役立てることは何だろう?」と自問自答し、「目の前のことに一生懸命取り組む事。勉強をしていたら、きっと将来役に立てるだろう!」という発想で中学で勉強に励んだ。

先生に言われるまま、高校を受験したら、その私立の女子高校が良い学校だった。小中一貫校で高校も私立、だから国立受験してみようと、東京農工大学へ進学。そして東京大学大学院へ。その頃は「一ヵ月いかに寝ないでやるか?」にチャレンジして2週間休むような生活。何かに集中すると、とことん没入するタイプだった。

東京農工大学で生命工学を専攻した。海洋微生物の科学的殺菌の証明に明け暮れ、海水を採取してきて電子顕微鏡で海の藻類や菌を覗くと、人が美しいと思う建物の構造に似ていてミクロの世界にハマった。見えない世界を見ることで、「見えるものが全てじゃない」と開眼した。すると「見えないものが私の生活を支えてくれている」と、見えないものへの感謝が湧いて来た。「見えているものって、ほんのわずか。目に見えない世界は美しい!」。

「でも、地球を守る・綺麗にするには、地球を汚す人の意識が変わらないと何も変わらない!」と海から陸へ専攻転換。東大大学院では農学部の林政学専攻。タイの少数山岳民族カレン族の村で単独滞在し、お風呂は「川」、ご馳走は「ヤゴ」、そんな生活を2カ月間続けた。そこで「カレン族は森をどうやって使っているのか」山岳民族の森林利用とコーヒーなどの農作物をつくらせた政府の森林政策との接点を模索した。この2ヵ月、意志があれば細かいスケジュールを立てなくても、絶妙なタイミングで誰かのサポートが入って、何もかも上手くいくことを体験した。必然のような偶然が重なると、自然と感謝の気持ちが湧いて来た。

卒業後、父の後を継いで寺の住職になることも、会社に入る選択肢もなかった。一時、アメリカ留学を考えたが、行かずに日本全国を周って大学生に夢のアドバイスをするNPOで3年働いた。

幼稚園の頃、「アルプスの少女ハイジ」に憧れていた彼女は、「スイスにお嫁にいきたい」と思っていた。やがて、20代後半になった章子さんは、「子どもがほしい」と考えるようになった。「子どもにはお父さんが必要だから、パートナーは必要だ」と理想のパートナーを探し始めた。「でも、日本人以外がいい。なぜなら、言わなくてもわかるよね?」という察するのが当たり前な文化が嫌だったから。「よくわからないね」からスタートしたいと考えた。ここに激しく共感した。お互いの違いを認め、わかり合おうと努力することが夫婦円満の秘訣だと思う。

自分で出会うのは限界があると友人の紹介で今の韓国人の旦那さんと出会った。日本人と違って「大好き!」という感情がにじみ出ている韓国人だった。「日本でしたいことがあるから」と1年ほっといても諦めない。「この人とは生きていけそうだけど、韓国に住めるかどうか?」とお試しで韓国で1年過ごした。韓国は日本よりも学歴社会で日本語塾の講師をして「これなら住めるかも」と思った矢先、お世話になったおばあちゃんが亡くなって急遽日本に帰国した。喪失感で「もういいや、結婚」とヤケになった。四国の友人宅でボーっとしていたら、今度は韓国でお世話になった恩師が亡くなってお葬式に参列するため韓国へ。紆余曲折を経て、ようやく運命的に結婚した。

「結婚したら人生の墓場」、そんな昭和的刷り込みがあった。結婚してから10年、頻繁に行っていたスキーにも行かず海外に行かなくなったのだ。一人目の子どもがすぐに授かり、可愛すぎて、気づけば4児の母になっていた。寝ているばかりの子どもたちがハイハイして、すぐに歩けるようになる子どもの急成長に焦った。「生きるとは成長することと思っていたのに、自分は人として成長していない」と。日本に一時帰国すると、子どものために大量の絵本を買うと同時に、一冊の本と出合った。斎藤一人(著)「変な人が書いた成功法則」。7回読んだら、人生変わると書いてあったので7回読んだ。「外に出て社会と繋がろう!」と思えた。保育園に子供を預け、韓国で経営者や大学教授に対して日本語、英語、数学を教えることを週3回始め、同時に日本人のために塾の講師もやった。

七田式やモンテッソーリ教育を学んで「こうすべき」と思い込み、頭でっかちになっていた章子さんは、3人目から手を抜くことを覚えた。4人育てたママとしてのアドバイスは、「30分でもいいから自分だけの時間をつくること」。

結婚して12年目、日本の母親が子供の面倒を見てくれたおかげで、10日間アメリカを旅した。韓国に戻ると、小学校低学年だった次女に「ママ、良い人になって帰って来た」と言われた。本当は自分をケアすることが、子どもに尽くすことにもなる。自分の時間が大切だと気づけたのだ。このことが、心身ともにボロボロで牢獄のように感じていた家にこもっていた生活から解放され、今のエイジングの仕事に繋がったのだと思う。

4人の子どもを連れて、3年日本に移住したが、長男が反抗期に入り、旦那さんのいる韓国に戻った。なぜ、日本に帰ったのか?理由は自分が45歳過ぎたら「あと、どれくらい両親といられるだろう?」と考えたことと、考え方の違いから韓国のママ友と話す機会がなくなったこと。

旦那さんには、「私が先に日本に行ってるから、あなたが退職したら日本に来ればいい」。男前なセリフにシビレた。3つ年上のお姉さんが4年前に亡くなって精神的にどん底に落ちた時、救ってくれたのは旅だった。友人と2週間、屋久島に行ったり、ホノルルマラソン10kmに参加したのだ。姉がホノルルマラソンをやっていて、姉が観た同じ景色を観たかったから。でもマラソンで腰を痛め寝ていれば治ると1ヵ月ベッドで生活していた。トイレに行こうとしたら1mmも動けなくなり、人生で初めて救急搬送された。治療の提案全てが対処療法で根本的な解決になってない。「筋肉をつけるしかない!」と自分で結論づけ6ヵ月実行すると再発することが無かった。

韓国に戻った時、2週間の隔離生活で友人の別荘の庭の木をノコギリで剪定し、毎日焚火(一人キャンプファイヤー)をした。人生で初めての一人暮らしを経験するも、毎日が宴会みたいで寂しくない。火を見つめながら自分と向き合うことができた2週間だった。

章子さんの人生を変えた一冊は、「アナスタシア」。その彼女のバイブルのような「地球を救う一冊」の存在を俺は知らなかった。なんと、ロシアで100万部、全世界で1100万部を突破し読者のライフスタイルを変えた世界的ベストセラーだった。彼女は精神的・霊的な感性を持っている。木に登って風を感じるのが至福の時間だという。植物や木と対話できるらしい。杉だけを植えた戦後の林業から、多種共生の複合林に変え、アナスタシアの世界観、「人間が1haの土地を持って木を植えていけば、地球は美しくなる」を実践したいと考えている。自分の1haの土地を見つけ縄文時代のように共同創造するのが、これからのテーマ。日本のどこかに完璧な形で準備されていると確信しているのだ。

自分の中の「今、何か表現したいエネルギー」にも気づけた。そのエネルギーが文字化されるKindle出版をサポートできるのが楽しみだ。本を書くという事は、自分の心との対話だ。枠や刷り込みから自らを開放し自由になった個性的な章子さんにしか書けないことがあるはずだ。旅がきっかけで友達ができたように、kindle出版がきっかけで新たな友達ができたことが嬉しい。

 「いいか、ナオコ、これがぼくの短いアドバイスだよ。
 寒いことが、人の気持ちを暖めるんだ。
 離れていることが、人と人とを近づけるんだ」
 星野道夫(著)「旅をする木」文春文庫

星野道夫(著)「旅をする木」文春文庫

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