「いつか」という時間はない。
いつか 時間があったら、海外旅行に行きたい。
いつか いい人と出会ったら、結婚したい。
いつか お金が貯まったら、会社をつくりたい。
いつか、いつか、いつか、いつか。
でも待てよ。「いつか」っていつのことか。
20代の頃の僕は、
何かを達成したり成し遂げたりした覚えがない。
"こうしたいああしたい、こうなりたい"というものは確かにあったけど、そうなれたという記憶がない。結局いつもできずに終わっていた気がする。
そういう自分にちょっとした "情けなさ” を感じてはいたけど、会社ではまあまあ評価されていて「まいっか」と思っている自分がいた。
その頃にひとりでいると「何がいけないのだろう」と考えることが多くなった。なんとなくだけど、自分の行動に「何がしらの原因」があると感じたからそう考えたのだと思う。
そんな時に「何か行動しよう」と思い立って、
有給をとり “とあるセミナー" に参加することにした。
28歳の時だ。
明確な理由はなかったけど、なんとなく参加したそのセミナーは「時間管理(タイムマネジメント)」のセミナーだった。
外国人の日本語ペラペラ講師がハイテンションで3時間ぶっ通しで捲し立てるような激しいセミナーだった。
そのセミナーの後半に ちょっとしたワークショップがあった。
Q あなたが成し遂げたい願望を箇条書きにしてください。
夢とか目標という表現ではなくて「願望」という表記だったからスラスラ書けた。「手に入れたいもの」「手に入れたいコト」「なりたい姿」「成し遂げたいこと」を5分くらいで 10数個書き連ねた記憶がある。
するとその後にその講師はこう続けた。
次にその「願望」に「日付を書いてください」。
むむっ日付??
お金がなければできないことも書いたし、仲間がいないとできないことも、環境が整わなければできないことも書いたからそこで僕は固まってしまった。
そして絞り出した言葉が
一生懸命にお金を貯めて、貯まった時点でそれに挑戦します。
だいたい5年くらいで考えています。
その日本語ペラペラの外国人講師は「ほお。」と小さく反応し 僕の目を見てこう言いました。
中村さん、
「いつか」という時間はないんですよ。
ついでに言うと、
「だいたい」という時間もないのです。
僕は自分のその浅はかな考えが恥ずかしくなったけど、
それと同時に自分に足りないものがわかった気がしました。
ここからはその時の「自分の解釈」ですので 参考程度にお読みください。
少なくとも僕自身はその時の「気付き」によってその後の人生が大きく変わりました。
その時の僕の「気付き」はこうです。↓(当時のメモより抜粋)
人生というのは「時間」というタイムラインの上にある。
そしてそこにすべての「出来事」が組み込まれている。
過去のタイムラインには「結果」が書かれている。
では未来のタイムラインには何が書かれているのか。それとも白紙なのか。
それまでの僕は「白紙」だと思っていたけど、
その日以来考えが変わりました。
未来のタイムラインに書かれるのは、
「こうなりたい」 未来の自分。
人生というタイムラインの中で自分がコントロールできるものがあるとすれば「今」だけでしょう。過去は変えられないし、未来はまだ来ていない時間なので誰もわからない。
でも「今」なにをするかで「未来」が変わるという事実を知ったわけです。
少なくとも「人生のタイムライン」の中で「いつか」という時間がどこにも存在しないことがわかったのです。
それからの僕は、自分がコントロールできないことを考えなくなりました。
そして「どうなるかわからない未来」をどう自分の思うように手繰り寄せるのか。
そのためには「今」をコントロールしようとするだけではダメでしたね。
そもそも「今」何をすればいいのかも具体的に見えてこなかった。
そこで登場するのがやっぱり「自分の願望」です。
立派なものじゃなくても、よこしまな願望でもいいので
「心から自分が手に入れたいモノやコト」を、できるだけ具体的に書き連ねました。一般論じゃなく。
具体的に...という部分の例ですが、
「ハワイに行きたい」ではなくて「社員の家族全員連れてハワイに社員旅行に行きたい」とか ^^;
数値化するのもいいですね。例えば、「貯金を増やしたい」ではなくて「貯金を5,000万円!」とかのように。
成し遂げ系はシンプルでもわかりやすいです。
例えば「有名出版社から商業出版する」とか、「Kindleで年間5冊の出版」とか。
僕も自分で 人に見せるわけではないので、どんな願望でもいいと思って「願望リスト」を作ったわけです。
そこで次にしたのが、それを全部 未来のタイムラインへの書き込みです。
「いつか」という時間はないわけなので、すべてに「日付」を付けました。
20◯◯年◯月に社員の家族全員連れてハワイ!とか。
具体的な願望に、具体的な「日付」を入れる。
それがその頃僕が実際に行った、その時の「今」でした。
すると何が起こったか。
ブレイクダウンする習慣が身に付きました。例えばビジネスのプロジェクトを進める中で、0からゴールのタイムラインを引いて、その中にある「やるべきこと」をブレイクダウン(作業分解)できる習慣が付いたのです。
これは大きい。副次的ではありましたが、その後の人生に大きな意味をもたらしてくれました。
人生の願望を成し遂げることのできる人間になりたいと思って受講したタイムマネジメントのセミナー。
そこで学べたのは単に「時間管理」だけではなく、プロジェクトを組み立てるスキル。
そして人生という「自分だけのプロジェクト」も成し遂げるスキルだったのではないかと、経営者になった今思うわけです。
# 未来に日付を。
自分がコントロールできるのは「今」だけ。「今」の行動だけ。
未来に手に入れたいものに「日付」をつけることで、「今すべき行動」が明確になる。
何度も言いますが、「今何を行動するか」で未来が決まる。
それさえわかっていれば、必ず「成し得たい未来」への道がつくられると
僕は人生の中で学び、そして実体験しました。
# 自分の未来は自分で創る。
それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう。
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