ブランディング と マーケティングの違い。
こんにちは。中村です。
ここんところのコロナ禍でzoomばかりでしたが、昨日は久しぶりにクライアントと面会打ち合わせをしまして またまた刺激をいただいてきました。いつもありがたいことです。
その打ち合わせの中の雑談タイムにこんなことを聞かれたのですね。
これ、実はよく聞かれます。
実際に「ブランディングをしてほしい」とウェブサイトから依頼が来たケースでも、電話して話を聞いてみると「それ、マーケティングじゃん」と思うことも一度や二度ではなくて、まあ「同じようなもの」というように感じている方も一定数おられるようです。
確かに私もその「違い」を説明するときに、いろいろ例を出して比喩も使ってけっこう長ーく説明してしまいます。シンプルにスッキリと説明しにくいということがごちゃ混ぜになってしまう要因なのでしょうね。
でも昨日はスッキリいけました。(比較的)短い時間でわかってもらえたと自分では感じています。
今日はアウトプットという意味で、昨日クライアントに説明した「ブランディングとマーケティングの違い」について書いていこうと思います。
昨日は短くシンプルに説明しましたが、今日はnoteなのでじっくり書いていきましょう。もしよろしければお付き合いください。
目的が同じだから間違えやすい。
ほとんど例外なく「ブランディングしたい」と来られる方が求める最終的なゴールは「売れる」「繁盛する」「人気が出る」というものです。「ブランディングするためのブランディング」などは存在しません。ブランディングは目的ではなく手段なのです。
一方、「マーケティングしたい」と来られる方は基本的にいません。ゼロです。マーケティングという行動(活動)は「売るための行動」で、つまり「営業活動」のように感じるからだと思いますね。
「マーケティングしたい」という言葉を日本語として言い換えるなら「営業を効果的にして成果が出るようにしたい」ということなのでしょう。それならよく相談されます。「売り方を教えてくれ」というやつですね。
つまりマーケティングも目的は「売れる」「繁盛する」ということ。
そしてブランディングの目的も同様に「売れる」「繁盛する」ということなのです。
ブランディングもマーケティングも、最終的な目的は「売れること」です。だから間違えやすいのかもしれません。目的が同じなのです。
マーケティングとは。
まずマーケティングの話をしましょう。
私が30代の頃に ある友人(彼はマーケター)とこんな会話をしたのです。
マーケター:「あのさ、人はどんなものを買うんだと思う?」
私:「それは自分がってこと?マーケターとしてってこと?」
マーケター:「もちろんマーケターとしてってこと」
私:「それは その人が欲しいと思うモノを買うんじゃない?」
マーケター:「中村くん、マーケターとしてはまだまだだね。」
私:「な、なんだよ!じゃあ人は何を買うっていうんだよ」
マーケター:「そんなん、”みんなが知ってるもの”に決まってんじゃん」
「人は みんなが知っているものを買う」。
それは「誰もが有名なものを買う」という意味ではないことがわかるでしょうか。
まず人は「知らないもの」を買うことができません。だって知らないのですから。買うどころか、記憶にないわけです。
そして「みんなが知っている」ということについては、それは安心感であり、信頼感ということですね。まだ買ったことがないけど、そのモノのイメージがあるわけです。自分が買った後を想像しやすいから安心できるのですね。
その「知らないモノ」を「知っているモノ」に変える施策がマーケティングの第一歩です。
第一歩だと言ったのは、マーケティング=知ってもらうこと だけではないからです。ただイコールではないけど、知ってもらうための活動はマーケティングの中心的なアクションであることは間違いないと言えます。マーケティングの第一歩は「知ってもらうこと」だと言えるのです。
マーケティングとは、「それを必要としている人だけを目の前に連れてくる活動」のことです。そこまでがマーケティング領域。お腹いっぱいの人をレストランの前に連れてくることではないのです。何か食べたいと思っている人をレストランの前まで連れてくることなのです。
そうなんです。それを知ってもらうのは 誰でもいいわけではなくて、「それを必要としている人」でなくてはならないのですね。
ではブランディングは?
ブランディングについてはいろんな考え方があって、それを一方的に定義づけできない部分もあるのですが、今回は「私の考えるブランディング」という視点で読んでくれると助かります。
まず言えることとして、マーケティングが「売り手が行うこと」であることに対して、ブランディングは「顧客に感じてもらうこと」だということです。主語が違うのですね。売り手と買い手と。
別の言い方をすると、マーケティングは「アピールすること」であることに対して、ブランディングは「イメージを膨らませてもらうこと」です。
例えば、美しい女性が美容室でヘアメイクを整え、素敵な衣装を着て、中身(中身っていう言い方も変だけど)もその人の魅力を最大限に磨いたとしましょう。それが「ブランディング」です。
そんな魅力的な人が外に出て、多くの人にその姿やその能力を見てもらう場…。例えばパーティーとか? に出て人目に触れるとしましょう。それが「マーケティング」です。
その両面があるからこそ、その人はたくさんの男性の視線を釘付けにして、そのうちの何人かは声を掛けてきたとします。それが「結果」です。
仮説の話でわかりにくいかもしれませんね。つまり、ヘアメイクや衣装で「ブランディング」しても、どこにも行かずに家にいたら「何も起きない」ということです。
反対に、魅力的な自分をつくらずに(ブランディングせずに)パーティーに出向いてもまた何も起きないでしょう。たまたま近くにいた男性と仲良くなるかもしれませんが。。
売れるための「両翼」。
ブランディングとマーケティングは、「売れる」という成果を得るための「両翼」のようなものです。どちらが不足しても思うような結果が出ないのです。簡単に言うと、「その価値を磨き上げた(ブランディング)」ものを
「発信(マーケティング)」するからこそ成果が出るということです。
ブランディングをせずに広告を打ってもそれは「ザルに水」です。価値が伝わらないから目に留まらないのです。ベネフィットが感じられないから目に留まらないのです。
特にこの超情報化時代においては「スクロールされて終わり」です。無関心な情報を人は たった0.4秒でスクロールしてしまうのです。
だけどブランディングだけ行っても まったく意味がありません。綺麗なおべべを羽織って家の中にいるのと同じです。何も起きません。
もし「どちらかしか予算的にできない」のであれば、まあマーケティングなのでしょう。ザルに水状態かもしれないけど、もしかしたら偶然にヒットする人と出会えるかもしれない可能性を秘めているからです。
「売れる状態」をつくりたいのであれば両方やるべきです。両翼なわけですから、翼が片方しかない飛行機は飛びません。広告に費用はかかるでしょうから、予算が掛けられない場合はブランディングを自分でやればいいのです。
そんな時はしっかりと勉強してからやりましょう。しっかり勉強すればできる人もいます。
ブランディングは専門分野です。「デザインやロゴ=ブランディング」ではないのですね。
ブランディングは「その価値を見込み客にイメージさせること。イメージを膨らまさせること」です。デザイン=ブランディングではなく、ブランディングの中の手段としてデザインというものも含まれているということに過ぎないのです。
ブランディングを自分でやる。セルフブランディングという言葉もあります。職種によっては自分でも充分に組み立てることができます。
ただ、どれくらいの難易度かというと例えるなら、家の内装をすべて自分でやるのと同じくらいの専門職です。ホームセンターで木材や壁紙などを買ってきて自分で何日もかけて内装を作り上げることを想像してみてください。
頭の中だけで考えてやり始めないと思います。そんなことしたら途中で壁紙が足りなくなったり、木材のサイズが違ったり何かがズレたりしますよね。
図面とまではいかないけど「ここはこうして。ここは何cmで。ここはペンキを塗って」とか先に考えるはずです。ブランディングもそれと同じなのです。
[ まとめ ] つまりどういうことか。
まとめますと、ブランディングとマーケティングは「同じ目的を達成するための両輪」です。どちらも片方に依存して成り立つものです。
ブランディングだけしても「売れない」。
マーケティングだけしても「ザルに水」もったいない。
つまり、ピカピカに磨いたもの(ブランディング)を、それが欲しいと思ってる人に知ってもらう(マーケティング)から「売れる」という結果が出るということですね。
今日は「ブランディングとマーケティングの違い」といテーマでお送りしました。少しは伝わったでしょうか。もしご感想やご質問などがあればコメント欄に書いてくれると嬉しく思います。
最後に、ブランディングをもし自分でされる人がいましたら
ウチがいつもやっている「ブランディング 5つのプロセス」というものがありますので紹介します。今回は詳細説明は時間的にできないですが、また改めて書いていこうと思っています。
それでは今日はこのへんで。またお会いしましょう!
Voicyでも「ブランディングとマーケティングの違い」を話しています。
音声がお好みの方はぜひこちらもお試しください。
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