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そのおばさんの着ぐるみは快適ですか?

 その昔一言も喋ることなく、卒園した幼稚園。
その頃私の中にはおじさんが住んでいた。 かわいい衣装を着せられてのお遊戯会も茫然自失で立ち尽くす。 砂場で遊ぶ子供たちをみて「くっだらねえー」って思っていた。 多分前世のおじさんがその頃はまだ私の中にいたんだと思う。 そのおじさんが出て行ってからの私はコンプレックスのかたまりだった。 一重の瞼、曖昧な眉、鈍い運動神経、要するに平たい顔立ちの冴えない女の子だった。 最近その頃の私がふっと甦って涙がでそうになる時がある。 その頃の私を抱きしめてあげたい。 「大丈夫だよ。いろいろあるけど、なんとかなるよ」って・・・。
コンプレックスは過剰な自意識の裏返しだから、その分いろいろあった。
その少女が18才で、上京して、自立するためにいろんな仕事をして、恋愛と言えるかわからない恋をして、結婚して、離婚して、子育てをして、幾多の苦い経験もして、怒涛の人生を歩んできた。 ライク ア ローリングストーンのようにだ。 やっと今、人としてのミッションを大方クリアして、ここにいる。  私はスタンダードなおばさんの着ぐるみは着たくない。

 やっとここまできて、本当の意味での自由を手に入れたのに着ぐるみ着るのはいやだ。 フィギュアスケートでいったら、ショートプログラムとフリーを終えて、エキシビジョンというところだ。 往生際が悪いと言われても、自分なりのカッコイイを追求したい。 好きなものを着たいし、好きな髪色にしたい。
私の世代は若い頃アパレル全盛期で『夜霧のハウスマヌカン』って歌が流行った位だ。 いくつになっても、自分なりのファッション感と着こなしが出来る世代だと思っている。
 昨今断捨離、断捨離といって古いものには古い気が宿るから、思い切って捨てることで、新しい風が吹くみたいなことを言われるけど、私は一概にそうでもないと思う。 古いものがコーディネート次第で全く違う表情を見せたりすると凄くうれしい。 ファッションは80%はバランスだと思っているので、今のバランスにして、ちょっと色のトレンドをプラスすれば、昔の服もみごとに復活する。 見た目ばっかり言っているようだけど、見た目は大事だ。 テンションがあがる。 できれば上機嫌でいたい。
年をとるのは仕方ない。 誰にも公平に訪れることだから。
でも、奥さんとかおばさんとかおじさんとかじゃなくて、私は私でいたい。
できたらあなたもあなたのままでいてほしい。
最近はじめたヨガスタジオは一日おき位はいっている。 コロナ渦で3年間動かしてない身体の隅々まで稼働して、気持ちいい。
ピラティスのウエストシェイプクラスは毎週出ている。
腹筋を苛め抜くから、1か月でサイドに凹みができてやったーと思ったけど、やっぱり年のせいか、皮膚がイマイチゆるいけど、まあしゃあない。
それからネットのフリーマーケットで私はもう使わないだろうものを、売っている。 最初は売れたらどうしようと思っていた。
梱包とか配送とか大変そうだから。 一か月位なにも売れなくて、むしろほっとしていた。 このところBLのコミック中心に売れ出した。 喜んでもらえると嬉しいものだ。 そしてこのnoteのおかげでなかなかの充実ぶりだ。
いろんな固定観念は手放して、自分で自分を満たしてあげたいなと思う。

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