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八華のランサーを知るための資料本メモ①:『信玄と謙信』(学研まんがNEW日本の伝記)【 #FGO 関係、読み出し無料】

0.まえがき

 本記事は、Fateシリーズに出てくる八華のランサーこと、長尾景虎(上杉謙信)を知るために読んだ資料本:
 ●田代脩(監修)/田中顕(漫画)『信玄と謙信』(学研まんがNEW日本の伝記)学研プラス 、2017年

のメモ書きで、2019年に記録したものを公開します。

*カバー画像出典元:



1.はじめに

 色々とあって、最近は八華のランサーこと、上杉謙信(FGOのプロフィールでは、彼の初期の名である「長尾景虎」が真名とされるが、以下、一般的によく知られた上杉謙信で呼ぶ)について学術的な専門書を読み、調査中。私の専門はもともと中国前近代の歴史(しかも衣食住といった生活や信仰)だったこともあって、日本の戦国武将に関する知識は、大河ドラマやゲームのコミカライズ作品で浅く読んだ程度でした。そういった背景もあって、人文系の学術書を出版しているような会社の歴史人物の評伝を読むと、とっつきにくい!しかも、その評伝はどれも戦国武将一人一人の大まかな人生の流れを知っている人向けに書かれているようで、素人の私には分かりにくい!そういうわけで、院生時代の時からやっていた「無知に近いフィールドの場合、映画、漫画やアニメから入る」方法を取り、本書を読みました。

 日本史や世界史の学習漫画は、自分が社会科の先生(主に高校)をしていた経験をもとにセレクト。非常勤で行っていた学校の図書室で見かけたり、同僚のところに送られてきた出版社のチラシを見たりした知識をもとに、アマゾンで検索してみて、以下の条件に合う学習漫画を探しました。
 1.自分が読むのに抵抗のない絵柄の漫画であること
 2.戦国武将の本拠地や合戦を行った場所を示す地図があること
 3.分かりやすい主要人物の関係図があること
 4.巻末のほうに取り上げた人物の人生年表があること

 1に関しては、劇画タッチで濃い顔の人物が多く登場する漫画作品だと、ちょっと私は読み進めづらいので、設定した条件です。2~4の条件は、院生時代に大学院で様々な文学作品や歴史の論文を読んでいた時、本文中に出てくる情報に混乱するため、それらを紙に図や表に書き起こしながら情報を整理していった経験をもとに、設定しました。で、ですね、だいたい、2~4の条件は世界史や日本史の学習漫画を読むと、一目で対象年齢の小中高生が理解できるようにまとめてあるんですよ。ビジュアル的にインパクトを与え、興味を引きつつ、理解を深められる構成というのは大切で、私も学術系同人誌を作るときに注意しているポイントになります。

 そうした1~4の条件をクリアし、読んでみようと手に取ったのが、「学研まんがNEW日本の伝記」の『信玄と謙信』でした。



2.本書『信玄と謙信』(学研まんがNEW日本の伝記)へのコメント

 最初は、上杉謙信をメインに据えた学習漫画も探していたのですが、なかなか、絵柄が合うものが見つからなかったのと、「一般的に、戦国武将のことを取り上げる時、よく武田信玄と上杉謙信がセットになる謎」を知りたかったため、本書を選びました。読んでいて判明したことは、後世のフィクション作品で描かれていった影響もあるのでしょうけれど、上杉謙信の人生を語るには、やはり、武田信玄と並べて彼のストーリーを作ったほうが理解しやすいということ。それらの理由に加えて、私は武田信玄のこともよく知らない状態でしたので、最後まで読み通しました。

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