人が、人を育てる

 ここではNPO法人Grow Up で行なっている「ミドル教員のマネージメント(仮)」の活動の一つである「Twitterのspace機能を用いたミドル教員との対談」で話題に出た内容について書いています。

 今回の記事は、10月26日に行った6回目の対談の感想です。ゲストに藤原友和先生をお迎えして、マネージメントについてだけでなく、色々な事をお話いただきました。出版や多くの雑誌にも寄稿されている藤原先生の土台となっている、学びの源泉や私生活の活動についてもお話しいただきました。同年代ということもあり、フランクに話していただいたのでとても楽しかったですし、学び深かったです。

 本活動の主軸である「教務主任の実務」についての話は次回聞かせていく事になりましたので、興味ある方は日時が決まりましたら私のTweetで告知させていただきます。

▼ツイッター
中島征一郎@先生の先生

 今回は、藤原先生の師匠や研究仲間の話を元に、自己成長には人との関わりが必要である事について書きました。

1.教わる師匠と、学び合う仲間と

 今の能力は、先天的なものか、後天的に身に付けたものか質問したところ、今までの学びについて話してくれました。

 藤原先生には、初任の頃から師匠がお二人いて、月イチの勉強会に参加されていたそうです。「新卒を褒めるの禁止」といったとてもハードなワークショップで、そこで色々と鍛えられた。また、その場へ行くのに車で4時間ほどかかったそうで、その往復での時間で内省する事ができたそうです。他にも、同年代の研究仲間がいて、お互いに切磋琢磨できた事が大きかったと。

 文章に要約すると短いですが、本当はもっと色々と話していただきました。文章にできない話も多いので、ここでは、今スゴイ先生であっても、若い頃に人から教わり、同年代の仲間と学び合ってきた事が土台となっている、と言う事です。

2.成長を加速させるために

 新しい技術を身に付けるには、人から教わる方法と、自分で調べる方法の大きく2つに分けられます。
従来では、人から教わる方法が多かったのですが、今はSNSの発達もあり独学でも学べるようになりました。

 煩わしい人間関係無しで学びを深められるのが、独学のメリットでもありますが、限界もあります。それは、コンフォートゾーンの限界であり、成長スピードの限界です。

 人は知っている事しか認識できません。ですから、独学では、自分の知っている事を深める事をできますが、自分の知らない事を学ぶ事は困難なのです。それに、人は自分に甘いものですが、成長スピードは自分の限界を超える事は難しいものです。

 人から教わると、その二つを突破してくれます。自分が知らない事を教われますし、自分の限界を超えるような指示もされるでしょう。もちろん、自分と相手との相性は大切ですけどね。

 では、人から教わるだけで良いのか?もちろんそうではありません。なぜなら、実際に学んだ事を実践するには、自分で考えなければいけませんから、教わった学びをどう活かすか?内省を含めた独学は不可欠です。

 また、教わった事や内省して生じた疑問点を相談し合う仲間がいると成長はさらに加速します。相談し合うには、相手に同程度の知識が必要ですが、師匠には聞けない事を話せる相手との対話は自分の世界をさらに広げてくれると共に、ライバルとなる存在であればモチベーションも高まります。

 知識をたくさん覚えても、成長とは言えません。その知識を活用してこそ、成長です。
自分を自分で育てるのは必要ですが、成長スピードを上げたければ、教わる事を取り入る事をオススメします。

3.職場で活用するには

 藤原先生も言われてましたが、環境はとても大きな要員です。今までの対談でも感じたように、初任者の頃に安全基地となる人が職場にいるか?で大きく人生は変化するようです。もちろん、藤原先生と同じ環境にいても、師事する選択ができた人は少ないでしょう。大切なのは、自分で選択していく事です。
 
 とは言ってみても、個人としての理想論なのだと思います。

 マネージメントとして考えれば、後進育成についてどう環境を整えるか?ですが、これも難しい。師匠と呼べる方がいれば、その師匠のやり方を模倣しながら自分のスタイルを作りあげていけば良いでしょう。ですが、師匠と呼べる人がいなかったら?誰かに教わった経験がなければ、誰かに教える事は一人で学ぶ事は困難です。

 知識をどれだけ学んでも、今の目の前の職場でどう実践するか?そこまで抽象度を下げなければいけませんし、そのためにはサポートしてくれる人が必要です。

 今回の対談で、学びの複雑さを痛感しました。先生の能力は高いですが、そのモチベーションは様々です。モチベーションが高い人と低い人と、どんなメンバーでもマネージメントできるような仕組みを探究していきます!

 今回の記事はこれで終わりです。少しでも役に立ったな、と思われたらスキや登録していただけると励みになりますし嬉しいです。

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