見出し画像

アップヒルトレーニングをすることでハムストリング損傷率を低下させる(アップヒルランニングでは、大腿四頭筋の高い活性化が引き起こり相反抑制によりハムストリングが弛緩する)

アップヒルトレーニング

スプリントパフォーマンスの向上に、傾斜角つきの高速トレッドミルトレーニングを行うアスリートは、ハムストリング挫傷の発生率を低下させると考えられています。

本来、アップヒルランニングでは、水平面でトレーニングを行う場合に比べて、ハムストリングの挫傷の発生率は高まる傾向にあります。

これは、アップヒルランニング中にハムストリングの活性化が低下することと、アップヒルランニング中の運動学的差異と相反抑制の複合が原因であると考えられています。

ハムストリングとサーフェスの違いの負担

水平面でのランニングでは、ハムストリングは、支持期が始まる直前において接地期を減速させるために、回復期(遊脚期)の最後の20%で最も高い活動を示すことがEMG(筋電図)から明らかになっています。

水平面のランニングと比べてアップヒルのランニングでは、サーフェスに対する下腿の角度が減少するため、ハムストリングは水平面ほど伸張しないと考えられています。

これは、アップヒルランニングでは、ハムストリングに課せられる伸張が減少(つまり、要求される仕事が減少するために、水平面でのランニングほど活動をハムストリングが示さない)するということです。

相反抑制

ある筋が収縮すると(主動筋)、反対の筋が弛緩する(拮抗筋)ことを指します。

アップヒルランニングでは、大腿四頭筋の高い活性化が引き起こされ、したがって相反抑制によってハムストリングが弛緩し、不活化する傾向があると論じられています

ハムストリングの不活化と解消法

アップヒルランニング中はハムストリングの利用が低下するために、ハムストリングの効率が低下する傾向があるとされています。

そして、このトレーニング刺激が継続して、神経系の適応がより永続的な筋の変化へと移行すると、水平面でのランニングの際にハムストリングの運動単位を連続的に発火させることが困難になる可能性があります。

これを解決する方法として、ショートスプリント(90m以下)に加速ドリルやスターティングドリルを組み合わせるトレーニングを週に1、2回実施することによって、遊脚期の最後の20%におけるハムストリングの効率を維持することができます。

#アップヒルトレーニング #ハムストリングス #ランニング #トレーニング #大腿四頭筋 #training

引用・索引Effects of Performing Endurance and Strength or Plyometric Training Concurrently on Running Economy and Performance37-45


ご覧になって頂き本当にありがとうございます。