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サッカーにおけるパフォーマンスの決定因子(有酸素性持久力は、試合中の選手の走行距離、ボールの支配時間、スプリント回数は正の相関がある)

スポーツにおけるパフォーマンスの成功の鍵

チームスポーツやラケットスポーツにおけるパフォーマンスの成功の鍵は、高強度の運動を反復する能力を発達させることですが、それは疲労のマイナス効果を減じるために、神経筋系と心肺系の効率を高めることによって初めて達成できます。

この能力は、パフォーマンスの向上だけではなく、傷害予防にも重要な役割を果たします。

神経筋の疲労はスポーツ傷害の大きなリスク因子のひとつとみなされています。

サッカー選手のストレングス&コンディショニング

サッカーは高強度で間欠的なコンタクトチームスポーツとしての特徴をもち、その競技パフォーマンスの成功には、多数の鍛え抜かれた身体的、生理学的能力が必要になります。

必要とされる技術的また戦術的なスキルの他にも、サッカー選手は、高いレベルの有酸素性、無酸素性コンディショニングを維持し、スピード、アジリティ、筋力、パワーはすべてがサッカーの優れたパフォーマンスの決定因子となります。

パワーとパフォーマンス

スポーツパフォーマンスにおけるパワーとは、時間に対して行われる仕事量のことになります。

したがって、少ない時間での仕事が行われればパワーが大きいとみなされます。

代謝コンディショニング

サッカー選手においてきわめて重要な要素であり、そのレベルは試合への貢献度を決定し、制限する因子でもあります。

有酸素性持久力は、試合中の選手の走行距離、ボールの支配時間、スプリント回数など、サッカーのパフォーマンスにおけるパラメータと正の相関があります。

Helgerudらの報告によると、男子プロサッカー選手(n=19名、18.1±0.8際)を対象に、週2回、8週間にわたり特異的な有酸素性インターバルトレーニング(最大心拍数[HRmax]の90~95%で4分づつ4回のインターバル走、間は3分のジョギングを挟む)を行ったところ、選手は以下を達成しました。

• 有酸素性能力の向上。VO2maxが58.1±4.5から64.3±3.9ml/kg/分に改善(P<0.01)。
• 走行距離が20%増加した(P<0.01)。
• 平均運動強度が82.7±3.4%から85.6±3.1%に上昇した*1。
• スプリント回数が100%増加した(P<0.01)。
• 乳酸性作業閾値が47.8±5.3から55.4±4.1ml/kg/分に上昇した(P<0.01)。
• ランニング効率が6.7%向上した(P<0.05)。
• ボールに関与した回数が24%増加した(P<0.05)。

また有酸素性能力は、リーグ内での順位や競技レベルにも一致し、また先発選手は控えの選手よりも高いことが見いだされました。

したがって、サッカー選手の有酸素性能力の向上は至上命題であると示唆されています。

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