見出し画像

筋肥大とポンプ作用とは(ポンプを最大にするには、無酸素性解糖に大きく依存するレジスタンスエクササイズ、中~高レップと短い休息時間を用いるボディビル形式のトレーニングになる)

レジスタンストレーニングのモニタリング

レジスタンストレーニングのモニタリングにおいて、強度は伝統的に1RMに対する割合(%)として表されます。

しかし、レジスタンストレーニングの性質上、強度については多くの異なる定義が示されることが多くなり、例えば、強度はパワーの関数と定義されることもあり、この場合、一定時間内に行われる仕事量が報告される強度に影響を及ぼすため、より高速でリフトを行えば、そのぶんエクササイズ強度は高くなります。

定義がひとつでないことは、異なるプログラムや結果を引き起こすこともあります。

さらに、1回のレップ、複数レップからなる1回のトレーニングセッション全体、そのいずれもが「きつさ」を強度で表すことができるため、そこから生じる誤解が現場の専門職をますます混乱させるおそれがあります。

筋ポンプ作用

「ポンプ(パンプ)」とは細胞膨潤のことであり、筋タンパク質合成の促進と分解抑制をもたらすことが明らかになっています。

レジスタンスエクササイズは、細胞内外の水分バランスを短期的に変化させることが知られていますが、その変化の程度は、エクササイズの種類とトレーニング強度に依存します。

これは、高強度の筋収縮を行なう間、動脈が活動中の筋に血液を運搬し続ける一方で、活動中の筋から血液を取り出す静脈は圧迫されるため、筋内の血漿濃度が高まります。

これにより、血漿は毛細血管から間質空間へと浸潤し、間質空間における液体の蓄積は細胞外圧力の上昇を引き起こし、それが血漿の流れを筋へと押し戻します(反応性充血)。

細胞膨潤

一般にスポーツ科学者には「細胞膨潤」、ボディビルダーには「ポンプ(パンプ)」と呼ばれる現象を引き起こし、筋を充血させます。

この現象を増大させるのが、無酸素性解糖に大きく依存するレジスタンスエクササイズ、特に、中~高レップと短い休息時間を用いるボディビル形式のトレーニングになります。

このようなエクササイズは、乳酸や無機リン酸塩などの代謝産物を大量に蓄積させ、それらが浸透圧調節物質(オスモライト)として働くことで、細胞内にさらに体液を引き込みます。

くわえて「ポンプ作用」には快感を高める作用があり、リフティング競技者はトレーニングプログラムにおいてポンプを追求し、細胞内の水分蓄積を最大化するワークアウトを構築する選手もいます。

ここから先は

2,167字

¥ 300

この記事が参加している募集

最近の学び

ご覧になって頂き本当にありがとうございます。