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家政婦としての対価をもらう

日に日に家のことを何もしなくなっていった夫。

恐らく夫は私が何も言わなければずっと私のことを家政婦として都合よく使うのだろう。
ずっとモヤモヤしていて、でも一生このままなんて嫌で。

数日前、とにかく動かなくちゃ何も変わらない、と機嫌が良さそうなときの夫に訊いてみることにした。

「なんで最近、家事を何もしなくなっちゃったの?」

少し考えてから夫は
「そうだなぁ、とくに意味はないなぁ」

は?
私は頭の中でいろいろシュミレーションしてからこの会話に臨んだはずだった。
いつも夫に何か言っても、言いくるめられてしまうからだ。
けれど今回も、私のシュミレーションの中にない言葉が返ってきた。

すごいよね。
頭がいい人って、こちらが何も言い返せないような言葉をさらりと返してくる。
私このあと、なんて言えばよかった?
わかった人がいたら教えてほしい。

私は「ふーん……」とだけ返事をして、この会話は終わった。

こんなに何気ないセリフで人の心を凍りつかせることができるんだね。
じゃあ、ああしよう、こうしよう、って話し合いにもっていけない言葉。
どれだけ私に興味ないんだろうね。
私と次男にまったく興味がないことはとっくにわかっていたことだけど。

私の頭の中では「これからも夫が家事をする気がないなら、私は家のことをする代わりにその分好きなものを買ったり、好きなことをしたりしても良い?」って、私なりの要求をしようと思っていた。
でもそこまでたどり着けなかった。

その夜、長男と雑談しているときに私の趣味の話になった。
「環境は大切だよ。欲しいものがあったら買えばいいよ」
と長男が言ってくれて「僕が買おうか?」なんて言ってくれちゃったもんだから(嬉しかった)、いやいや君に買ってもらうわけにはいかないよと、
「買っていいか夫にきこうと思ってたんだった!」
と言った手前、長男がいる前で、夫におうかがいを立てる状況になってしまった。

私は長男がいるこの場を借りて、さきほどの話の続きをしようと思った。

「毎日ひとりで家事してしんどいので、時々買いたいもの買っていいですか?」
「いいよ。何買うの?僕が買うよ」
「あなたを通さないと買っちゃだめですか?」
「いや……いいけど」
「時々出かけたりしてもいいですか?」
「いいよ」
「そのときはお昼ご飯作らなくて良い?」

ここで「へ?」って顔をされる。笑
「ああ、やっぱりそこは引っかかるんだ」

「まあ、マックとか買えばいいか」

だって。
言質とったので今度出かけることにします。
ほしかったものも、買うことにします。

夫は札束で人の頬を叩くタイプなので、ほしいものがあったら買っても良いということは言ってくれるだろうと予想してました。
それでも最近の夫婦仲から、嫌な顔をされるかも、と思っていたので長男がいるときでよかったかも。

圧倒的に収入は夫の方が上で、私は専業主婦の期間の方が長かったし、ずっと夫のお金を無駄遣いしないようにと気をつけていた。
そもそも、子どもたちの塾代とか大学の費用とかで、かつかつなとき、私のお給料から学費を払ったりしたことも何度かあった。
今の夫は、退職金と、会社の株がけっこうあるみたいでめちゃめちゃ気持ちが大きくなっている。

それからこれは私の小さい頃からの呪いのようなものだけど、ずっと「お金がない、無駄遣いはするな」と父親から言われ続けてきたことと、自分にまったく自信がない、自己肯定感が低い私は、自分だけのためにお金を使うということができなかった。

ここ数年で、やっと自分のことを大切にするよう気持ちを切り替えることができてきたところだった。
夫から言質をとったので、もう少し自分の好きなことにお金を使ってみようと思う。これまで買いたくても我慢してきたもの、行きたくても行けなかった場所に行ってみようと思う。

もちろん、家計を圧迫しない程度に。
できるだけ子どもたちに財産を残したいという気持ちは変わらないので。

自分の人生を楽しもうと思う。夫が今そうしているように。

長男とは少し前に「母も時々出かけたりして、好きなことしていいかな」というようなことを相談していて、「日帰り温泉がいいよ。前に友達と行ったら1500円くらいで1日中遊べた。非日常が味わえるよ」と言ってくれた笑

そういえば近くにそんな施設があったねぇ。
楽しそうだから今度ゆっくり羽伸ばしに行こうと思う。

本当に長男には精神的に助けてもらってばっかり。
小さい頃は、小学校の普通級にすら入れるかどうかぎりぎりなところだったのに。
いつの間にか立派に成長したよなぁ。

そしてこの数日後、夫の気持ちをはっきりと聞くことができた。
長くなってしまったので、その話は次回に。

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