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雑学note【第26回】アルゴン

空気。もしくは大気。

何でできているかといえば、窒素と酸素が大部分。それは知ってた。でも、第3位がアルゴンであることは最近知った話。

呼吸とかしているから、二酸化炭素とかが多いのかと思っていた。いままでのイメージはこんな感じ。

実際は違った。

窒素が78.08%、酸素が20.95%、アルゴンが0.93%、二酸化炭素が0.03%。空気の約1パーセントはアルゴン。第4位二酸化炭素よりも圧倒的に多い。グラフにすると、二酸化炭素以下は見えないくらい狭くなる。

『もやしもん』みたいに空気が見えたら、窒素や酸素に紛れて、たまにアルゴンがいるなあくらいの感じだろう。二酸化炭素に至っては「いた? お前空気みたいな存在だな」と言われるくらい目につかない。

ところで、アルゴンって何? 

もしドラクエで「アルゴン」とか色違いの「アルゴンロード」とかが「あらわれた!」ら結構苦戦しそうな名前なんだけど、そんなのが二酸化炭素よりもいっぱいそこら中にいて大丈夫なのだろうか?

調べてみよう。

アルゴンの特徴や性質

アルゴンの特徴を見ていくと、常温では無色・無臭の気体で人体に害はない。よかった。一安心。まあ、1%とはいえ、いつも吸ったり吐いたりしているわけだから、害はないんだろうけど……。

アルゴンは希ガスと言われる第18族元素である。ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、オガネソンが第18族なのだけど、この第18族元素は基本的に不活性だという。不活性というのは、他の物質と交わらない、化合しない、化学反応が起こらないといった意味。

また、分子で言うと、アルゴンは単原子分子といって、Arという一つの原子だけで分子として存在する。窒素はN2、酸素はO2というように、2つくっついてコンビを組んでいるけど、アルゴンはピン。

このあたりの理由は、電子が安定してるだとか、難しい話になるのだけど、とりあえず、アルゴンは誰かと組む必要がないくらい一人で完結した、ブレない存在という風に理解しておけばいいと思う。

活性度を窒素、酸素、アルゴンで比較すると、酸素が他と反応しやすいのは有名。食べ物とかも、酸素に触れると、すぐ「酸化」してしまう。

窒素はわりと反応しにくい不活性な気体。だから、食べ物の袋とかには、酸素が入らないように、窒素を封入したりすることが多い。

アルゴンはというと、その上を行く不活性。窒素が「反応しにくい」だとすると、アルゴンは「反応しない」と言い切れるくらい鉄壁である。

空気(酸素)に触れさせたくない場面では窒素が使われることが多いのだけど、窒素といえども、反応してしまう場合はある。そんなときはアルゴンの出番。例えば、酸化、窒化を防ぐ必要のある金属の製造(チタンの精錬、アルミ、ステンレスの溶接等)みたいなところでは、よく利用されるようだ。

第3位の理由

ところで、なぜ、大気中にアルゴンがそんなに多いのか。

これは地殻のカリウム40が電子捕獲によって、アルゴン40に変化したためだという。40って何? とか電子捕獲って何? って感じだけど、これもまた、文系めんどくさがり男子には難しい話。

40というのは原子核の持つ陽子や中性子の数、すなわち質量数を示す。まあ、カリウムやアルゴンにも種類があるらしい。電子捕獲というのは、原子核に電子が取り込まれて、原子番号が一つ減って別の原子になる現象。まあそういうのがあるらしい。

とにかく地球上の岩石に含まれているカリウムから、アルゴンが生成されて、何十億年という長い時間をかけて、この量まで増えたということだ。

感想

アルゴンは、他の物質と反応しないという「安全」「何かと使える」「使いようによっては便利」な性質を持っているのに、大気中に1%も存在するのだから、なんて好都合なんだろうと思った。これまで、どれだけ、科学の進歩に貢献してきたことかと想像して、感動を覚える。

アルゴンの見方が変わった。こんなに近くにいたのに、いままでアルゴンの何を見ていたんだろうとちょっと反省した。

参考文献


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