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【月刊お気楽フリーランス論 Vol.1】仕事はガンガン拡充できるぞ! この19年間を振り返る 最低60万円、最高1億7800万円

こんにちは。有料note開始しました。「月刊お気楽フリーランス論」と題し、フリーランスがいかにして稼いでいくかについて書いていきます。基本的には編集・ライター・PRプランナーを生業とするフリーランスとして私・中川淳一郎がこの19年間どうやってうまいことやってきて、そして2020年8月31日、47歳になった直後のタイミングでセミリタイアできたか、について書いていく所存です。セミリタイアをしても仕事は続けますが、労働時間は25~30%程度になったことでしょう。「お前、今でも大量に書いているだろう! セミリタイア詐欺かよ!」と言われることもありますが、私にとっては、これまでの年間364日労働から解放されるということでセミリタイアです。

初回は約1万1000字になってしまいました…。スイマセン。無料部分も約4000字になりました。やはり、色々言いたいことがあるんです。

セミリタイアをして1ヶ月超、ようやくこれまでの忙しさから解放され、穏やかな日々を送っております。この前、15年ぶりにハゼ釣りに行ってきました。本当にこの14年間、日中遊びに行くことなんて土日祝日盆正月含めてなかったので心底嬉しかったです。天ぷら、おいしかったです

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取りあえず、セミリタイア宣言をしたうえでやめたのは【通わなくてはいけない】業務です。私はこの10年、小学館のNEWSポストセブンの編集をするために週2回、小学館に通いました。そしてかつて新卒から4年間勤めていた博報堂にはこの1年、週1回行ってPRプランナーとしての仕事をしてきました。これらを辞めるということです。

私にとって大きかった仕事は「ネットニュース編集」で、担当していたのはNEWSポストセブン、マネーポストWEB、アメーバニュース、AbemaTimesの4つ。これらで月に800~900本の記事を編集していたのです。そして、8月段階での連載としては以下がありました。

基本的には私の専門分野である「ネットの風をいかに読むか」「ネット事件簿紹介」といったエッセイになります。それだけ、「この人はこの分野に強い」という認識を世間様にいかにしていただくか、が、売り上げ確保には極めて重要です。そうした専門分野で実績を着実に作ったうえで、「自由に中川さんの書きたいこと書いていいよ~」というポジションになれるわけです。だから下記の原稿はネットに限ったことばかりではありません。

【連載】:東京新聞、週刊新潮、週刊SPA!、週刊ポスト、日刊ゲンダイ(書評)、紙の爆弾、TABLO、産経Biz、ぐるなび、BLOGOS、プレジデントオンライン、東洋経済オンライン、マネープラス、FINDERS、産経Biz、QJジャーナル、博報堂のオウンドメディア「Centraldot」、AM、NEWSポストセブン、マネーポストWEB

上記は週刊SPA!はコーナー自体が終了したので私も連載から外れ、博報堂の連載も私が博報堂から消えたため、最終回を迎えました。BLOGOS、ぐるなびについては「開店休業」状態です。しかし、NEWSポストセブンは「編集辞めたんだからライターで頑張ってよ!」とばかりに、これまで月1とかだったのが「毎週」に増えました。

その結果、大体連載は月に40本ほど書いております。週刊誌とか新聞って毎週の話ですしね。そして、単発で「文春オンライン」や「週刊東洋経済」「現代ビジネス」などでも書かせてもらっており、基本的には「ワシにオファーを下さる原稿関連仕事はなんでもします! お願いします!」というスタンスです。さて、当マガジンですが、価格は以下の通りです。

単体:300円
定期購読マガジン:1000円
有料マガジン:5000円(24本まとめ売り・24本終了後に販売 24回書いてもまだ書くことがある場合は、さらに別の「まとめ売り」を別途販売します)

初回は、これまでの私のフリーランスとしての流れを具体的金額とともに紹介していきます。今回は主に数字の紹介とこの仕事は一体どのような内容でいかに獲得したか? の解説になりますが、次回以降は、「なぜこの数字が達成できたのか?」といった話に移っていきます。また、個別の仕事のギャラなども出していきます。

正直、私は「こうすればガッポガッポ儲かるぜ、ヒャッハー!」みたいな成功法則は書けません。「あくまでも私はこうしてきた」を淡々と書くことになります。

ただし、こうして有料noteでやるからには、キチンとした生々しい話は書かなくてはいけない。だから、多くの人に届ける「一般論」が多くなりがちな書籍ではなく、「フリーで稼ぎたい」と考える超レアなターゲットの方々がセグメント化されたnoteを選んだのです。お読みいただいた方は、できればネット上で、画像や具体的企業名については言及しないでいただければありがたいです。ご本人の中で「メモメモ」とやっていただければ幸いです。

1997年4月1日に博報堂に入社し、2001年3月31日に博報堂を退職した私は翌日から無職になりました。毎日やることもなく、グータラに過ごし、時にフィリピンや台湾に旅行に行く。はて、一体こんな無為な時間を過ごしていいのだろうか……。いや、27歳の男がこんな状態ではいかーん、バーンバーン(コーフンのあまり机を叩く音)となった時、たまたま大学時代の同級生で、「日経ビジネス」編集者の治部れんげさん(現・ジャーナリスト)から「日経エンタテインメント!」という雑誌がCM担当ライターを募集している、中川君、どう? という話をいただきました。

これがライターデビューとなり、その後は、私の会社員時代の先輩・嶋浩一郎さんから同氏が当時出向していた朝日新聞社の若者向けタブロイド紙「セブン」の編集者になるよう言われ、この2つをやることとなります。

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「セブン」編集部の向かいには『テレビブロス』編集部があり、私は同誌が好きだったので、「すいません、雇ってください」と売り込みの電話をしました。すると僥倖なことに、電話に出たのはK編集長。「えっ?これまで何やってきたのですか?」とポカンとされたものの、経歴を話したら「だったら近々会いましょう。これから数字を駆使した特集も作りたいのです」と言われました。

この時の採用理由は「博報堂出身」というだけです。私の編集・執筆経験はゼロ。ただし「なんだか数字に強そうな編集者だな」ということで採用してもらいました。いや、編集経験はないけど、「名乗ったもの勝ち」です。別に固定給はありません。あくまでも特集を作ったらカネがもらえるだけです。

1ページの制作費は5万円。イラストレーターには1枚4000円、カメラマンには1回1万5000円、ライターはイラスト・カメラマン費用、そして私の編集費(1万円)を除いた金額を面積に応じて支払っていました。そういった理由から、私はもう無茶苦茶なですが、時々一人で全部作ってしまったこともあります。そうすれば6ページで30万円もらえますからね。さらに、他の編集者から嫉妬されないために、「多くの人がかかわっていますよ!」とテキトーなペンネームのライター名をクレジット欄に色々入れて、実際は私一人で全部書いていました、というのもありました。いや、フリーって「この人は30万円貰ってるんだ、ケッ!」みたいに社員・フリー双方から思われたら損なので「いやいや、私の取り分、大したことないです。許してね♪」とやったわけですね。で、真実を聞かれたら「この『高橋裕子』というのは私の別人格のペンネームです」と言い張ればなんとかなる。まぁ、ライター・編集業界なんてこれでOKです。

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そこから様々な紆余曲折があり、ネットニュース編集者の仕事を2006年に開始し、2009年に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)が売れて、一気に生活が向上し、そこから2009年の「株式会社ケロジャパン」立ち上げと弊社の名番頭・Y嬢の採用、そして小学館の「NEWSポストセブン」立ち上げに至り、以後はウェブメディア界の「長老」的ポジションで好き放題生きてきました。

しかし、この業界は若者に譲らなくてはならない。というわけで、一応ワシのこれまでの稼ぎ方については開陳し、よりフリーランスがガンガン稼げるような何らかのヒントを提供できれば、と今回有料noteを開始するに至りました。

以下は、「とにかくカネが欲しい!」とばかりに、電通と富士ゼロックスが合同で立ち上げた「デジタルパレット」というデジタルコンテンツを制作する会社の仕事です。

私の元恋人のオーストラリア人女性が勤務したのですが、「別れても好きな人」な彼女から「あなた、イラスト描けるよね」と言われ、できるワケもないのに「できる!」と言って1枚3300円で描いていたイラストの数々。2001年から2003年まで、2年ほどこの仕事を続けました。フリーランスってとにかく「できます!」と大ぼらを吹いてもいいから仕事をGETしちゃった方がいいと思います。

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果たして当マガジンにカネを払っていいのやら…と逡巡する方も多いと思います。私も正直自分のノウハウや経験が価値があるのかは分かりません。そこら辺はこの後、ネットで感想を書いて下さる方々の評価などを見てご判断くださいませ。ただし、私は「恥」の概念もないし、お金を払ってくださる方への敬意がありますので、本気でこのnoteには取り組む所存です。

それではこれまでの19年間をザッと振り返ります。

資料は残っていないのですが、初年度の売り上げは60万円で、翌年は400万円です。売り上げとはいっても、この2年は外注していないので、すべて私の収入。3年目も外注はありませんが、868万9525円になっております。

以下、各社からの売り上げ状況です。スイマセン、フリーになって3年目、2003年のデータしか最も古いものは見つかりませんでした。その後は、データが残っている年の状況をお見せするとともに、2009年度からの弊社・ケロジャパンの売上を公開します。いかにしてフリーが成長するのか……といった流れを紹介していきましょう。それではよろしくお願いいたします。

なお、有料のマガジンを公開した後、弊社のY嬢が裏事情や別視点から見たnoteを無料で更新することがあるかと思います。そちらもどうぞよろしくお願い申し上げます。

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