見出し画像

「ありがたいね」が口癖の福助女将 小野美智子さん

津軽中里駅から歩いて約5分

駅から派立通りを歩いて左の小道にまがったところにある落ち着いた雰囲気の建物が福助旅館です。

「なかどまりの人たち」第2回目は旅館福助の食堂で女将の小野美智子さんにインタビューをしました。

画像2
福助の食堂

(旅館の情報は記事の最後に記載しています)



―― 女将さんはいつから中里に住んでいますか。
私は「旅館福助」の娘だからずっと中里に住んでいる。わたしでもう三代目だ、長いね。

福助は創業約80年、それ以上かもわからないかも。

―― 小泊と中里が合併して中泊町になってからは何か変化はありましたか。

中里が小泊と合併してからは中泊町になって、ほら小泊はマグロ釣りでにぎわっていたからマグロ釣りのお客さんが来るようになったね。

それまでは小泊からお客さんがくることなんてなかったから。

お客さんと会話して常に嬉しいですよ。

―― おかみさんは福助でどのような業務をされていますか。

私がご飯作って、お父さんは掃除。わたしとお父さんの二人だけでやってます。

夜ご飯出すものは季節の野菜や山菜を作って炊き込みご飯とか鍋。あとは焼き魚と刺身という感じかな。こんなもんかね。

なんも私は特別なことはできないけども田舎の人が地方で昔から食べているような家庭料理を作っている。そうゆうものをお客さんに食べてもらおうと思って。

それでお父さんには掃除してもらって、ありがたいよ。あの人はねぇ朝起きればこども園のバスの運転手やってそれで帰ってきたら掃除やら洗濯やってくれるんだ。

あの人きれい好きなのよ、私は雑だけど。こまめに動いてくれるし大変なお風呂掃除してくれるし、ありがたいなぁ。

そういえば、おふろもさ、町から助成金いただいて新しくしたんだよ。ありがたいですよぉ。お客さんもきれいだって褒めてくれるしありがたいですよ。

―― お客さんとの関わりの中で嬉しかったことはありますか。
嬉しかったこといっぱいあるなぁ、お客さんと話すのは常に面白い。

私がお酒飲むせいかもしれないね、あはは。私はもちろんお客さんとは別のテーブルで飲んでますけど。

―― おしゃべりが嫌なお客さんが来ることはないんですか。

福助は旅館だし、静かなお客さんはあんまり来ないね。特に一人で来る人なんかはその土地の人とお話したくて来ていると思う。

わたしもお酒飲むはんで、酒こ外で買って来たの持ち込んできてもいいよってお客さんに言ったりするんだ。

お客さん「いいの!じゃあ買ってくるー」ってよろこんで買ってきて。いっしょに騒いで笑ってるんだよ。いいじゃないそのぐらい。

長期で泊まる人ならば洗濯機使ってもらって洗剤もその辺にあるの使っていいよってしてるんだよ。こんなもんだよ。

お客さんと話すっていうのはのは常に楽しいね。ありがたい。

―― 楽しそう。私も泊まりに行きたいです

あはは。酒付くよ~あはははは。

―― お客さんのレビューを見たら女将さんとのおしゃべりが楽しくてごはんがおいしいという好評のレビューがたくさんありました。

いやありがたいな、ありがたい。

お客さんの話なんでも聞きたいしなんでも喋ってほしいから。趣味の話でもなんでも。

この写真はなんなのとか、この壁の飾り物は何なのとかなぁんでも話しますよ。

―― 壁の飾りに味がありますね

味の素かけてますよ、なーんて。あはははは

中里は本当にいいとこだよ、うん。

―― 福助働いてやりがいを感じるときはいつですか。

お金をもらった時!あはは、文章にせばまいよ(文章にすればダメだよ)、ジョークだよお、ジョーク。
私の言葉まともに書いてまればたいへんだー。

でもお客さんに満足してもらって、それでお金もらって帰っていく時はやっぱりやりがいを感じるね。

それとやっぱし、ごはんがおいしいと言われたときだな。お客さんに何が違うかって聞くとやっぱりお米。の父ちゃんの実家は稲垣いながきの農家でそこから買ってるんですよ。

都会とは米だけでも全然違うって。だからごはんおいしいって言ってもらう時は嬉しいですよ。

―― 私も中里に来て魚や野菜やお米がおいしくて安いのに驚きました。

中里は本当にいいとこだよ、うん。通りを見ればますますすごいじゃん。

車力しゃりきの人でも金木かなぎ)\の人でも聞けば「中里なんぼいぐなったな、すんごい中里の生きてまったな」ってしゃべってますよ。

―― 宮越家(小川三知制作のステンドグラス作品がある離れ)も公開され中泊に来たいと思っている方も増えたと思います。

宮越家見に行った?あれはいいとこだよね。

私は公開が最初のころにいったからお風呂場とか見られなかったけども、あれは素晴らしいね。ステンドグラスも日本一立派ものなんだべ。

元新聞記者でステンドグラスの本も出している田辺千代さんも福助に泊まりに来たんだよ。

あの人もかわいらしい人だど、お酒っこ好きでさぁ。宮越家のこともじぇんこ(お金)貰わなえでボランティアで調べてくれたんだよ。ありがたいね。

今年はコロナでちょっとまねかったけど来年はたくさんのお客さんに見に来てほしいな。

 ―― 中里に住んでいて不便だと思うことはありますか。

中里に住んでいてなも不便だと思わないな。

ピュア(中里の直販所)が大成功してるのはびっくり、すごいな。

わたし道の駅いろいろ行ったけどもピュアはいいとこだな。

まぐろは安くておいしいし、中里の人トマトとかフルーツ作るのじょうずなんだ。中里住んでたら食べ物はなんも困ることないね。

シャインマスカットもますます生産者増やしてほしいなぁ。いろいろなところで食べてみたけどやっぱり中里町が一番いい、うん。それから赤ちゃんのほっぺのようなトマト。

中里の人はなんでも作るの上手だしそれに一生懸命だな。

自分でPRすることなんてなんもないよ。本当にないよ。

―― 自分が誇りに思うことなど、自己PRしたいことありますか。

今の状況がいっちばん良くてな。もう満足している。家族を一番大切にしているから家族の仲が良いのはうれしいねぇ。

息子は家族連れて家にご飯食べに来てくれるし、孫は学校おわったら家に遊びに来てくれるし。嫁さんと揉めることもないしね。

娘は給食のおばさんとして働いてるんだけど料理の手際はいいし、いつでも継いでいいよってしゃべってくれるんですよ。

せっかく道具や設備そろえたのに後継者いなくて店たたむっていうのは悲しいね。うちのところは補助金ももらって修理もしてもらったし後継者も大丈夫なはずだ。

ありがたいね。

―― 明るくて優しくお客さんを大事にする福助の女将!なんて㏚はどうですか。

あっそれ、いいねぇ。私はそう思っても口にだせないからね!ははは。それを書いてくださいねえ。

中里はいいところだし。これからも楽しみだね。

これからは雪かぶって岩木山きれいに見えてくるから楽しみだなあ。やっぱり岩木山は中里から見る形がいっちばんきれいだよ。

お客さんにもピュアとか宮越家とか中里のいいところ見てほしいな。

―― 貴重なお話ありがとうございました!女将さん明るくてインタビュー楽しかったです。

おしゃべりだからついついしゃべりすぎてしまったな、お酒のめばもっとだよなんて、あはは。



福助旅館

画像1
外観

住所:〒037-0305 青森県北津軽郡中泊町中里亀山665-1

電話: 0173-57-2031

津軽中里駅から歩いて約5分


画像3
客室(一部屋一部屋間取りが異なります)


画像4
お風呂

#中泊町   #旅行 #青森 #東北 #旅館 #宮越家 #暮らし #インタビュー #生活  


この記事が参加している募集

ふるさとを語ろう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?