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風土文化と人を結ぶオーベルジュの料理人を募集します

中棚荘(株式会社中棚温泉 長野県小諸市乙1210番地 代表取締役:富岡直希)は、分社化したジオヒルズワイナリー(長野県小諸市山浦富士見平5656  代表取締役:富岡正樹)の醸造所の隣に、小さなオーベルジュを2025年はじめにオープンします。

中棚荘とジオヒルズワイナリーについて

中棚荘は、長野県小諸市で1898年(明治31年)に創業した126年の歴史を持つ温泉旅館です。小諸は、小諸城(現・懐古園)の城下町、そして善光寺に通じる北国街道(ほっこくかいどう)の宿場町で、その面影を今も色濃く残しています。また、雄大な浅間山などの山々に抱かれ、日本一の長流・千曲川が流れ、季節折々の自然を楽しむことができます。

私たちはこの小諸の地で、6代にわたって温泉旅館として地に足の着いたおもてなしと地域文化の担い手・地域の伝統の伝承者としての自負をもって、お客様を迎えてきました。
そんな中、5代目荘主・富岡正樹が約40年前に訪れたフランスで、ワインが彩る豊かな日常を目の当たりにし、ここ小諸の地にもそのような情景を描いていきたいとの想いが芽生えるようになりました。

中棚荘の農業事業を行う中で、2002年にシャルドネの苗木と出逢いました。小諸市御牧ヶ原の自社農園に定植して栽培を始め、その想いが徐々に形になっていきます。

御牧ヶ原は、海底だった場所が隆起した標高700mから800mほどの台地状の準高冷地で、冷涼な気候は昼夜の寒暖差がはっきりとしており、ブドウに豊かな酸をしっかりと残してくれます。
土壌は粒子が細かい粘土質のため、ブドウの木は根を張りにくい環境ですが、一度根を張ると力強く育ち、ブドウの持つポテンシャルが発揮されます。降雨量も少なく、台地の下から吹き上げてくる風が湿気を払います。また、鳶などの猛禽類が多く生息しているため、鳥によるぶどうの被害が少なく、ぶどう栽培に適した土地と言えます。

2002年以降、シャルドネ・メルロー・ピノ・ノワール・シラー・ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリなどフランスで栽培される品種を中心に定植してブドウ畑を拡大し、マンズワイン小諸ワイナリー(小諸市)やヴィラデストワイナリー(東御市)で委託醸造したオリジナルワインを提供してきました。

2008年に小諸市の隣に位置する東御市がワイン特区となったことを契機に、小諸市を含む長野県千曲川流域の市町村も相次いでワイン特区となります。2015年には東御市、坂城町、上田市、小諸市、千曲市、立科町、長和町、青木村の8市町村のワイン特区が合体して成立した広域ワイン特区「千曲川ワインバレー東地区」として認定されるなど、ワインブドウの生産者やワイナリーが増え、千曲川流域でのワイン造りがますます盛り上がっていきました。

そして2016年、中棚荘からジオヒルズワイナリー(Gió Hills Winery)が分社化して設立されます。2018年にはブドウ畑のある小諸市御牧ヶ原に醸造所が完成し、5代目荘主・富岡正樹の三男で、東御市・アルカンヴィーニュが主催する「千曲川ワインアカデミー」の一期生としてワインづくりを学んだ富岡隼人が醸造責任者に就任して、ついに自家醸造を開始しました。

富岡隼人は、古くより農耕や馬の養成・畜産などが営まれてきたこの地の歴史や先人達の土地に根ざした営みに敬意を抱き、目の前にあるブドウ・足もとにある大地や自然環境と真摯に向き合いながらブドウを育てています。

その年ごとにテーマを定め、プロセスを重視したワインづくりに取り組む中で、「飲んでくれた方の心に残るようなワイン、ぶどうが育ったこの地で飲むのがベストになるワインをつくりたい」と語る彼の眼差しは、まさに5代目荘主・富岡正樹が抱いた「ワインが日常にある情景」を見据えています。

アルカンヴィーニュ「千曲川ワインアカデミー」と千曲川ワインバレー東地区(広域ワイン特区)について
参考:https://jw-arc.co.jp/about/initiative

風土文化と人を結ぶオーベルジュ

ワインが日常にある情景を描く。
その想いを実現させるためには、地域文化としてワインが根付いていくことが不可欠です。

そこで2022年より、富岡隼人の指導のもと参加者自らの手で1年間かけてぶどうを育て、1本のワインを醸造する「オリジナルワインプログラム」を開始しました。子どもからシニアまで、多様な人々が御牧ヶ原のブドウ畑に集い、ブドウに触れ、ワインづくりを体験しています。

地域文化としてワインが根付いていくことと同時に、地域の食文化を探求し、これを実践し表現していく場が必要です。また、この地の風土文化と人をより密接に結びつける食事を中心とした体験を提供するための場も欠かせません。
この想いを体現していくために、ブドウ畑や水田・そば畑・りんご畑などが眼前に広がるジオヒルズワイナリーの敷地内にオーベルジュを開業することを決意し、2025年春のオープンを目指して計画をスタートさせました。

野にある野草。里や自社農園で育まれる穀物や野菜・果物。山のジビエやキノコ・山菜。清流で育まれた魚。
この地には、このような自然の恵みと地域に根付いた発酵・保存などの食文化が連綿と受け継がれてきました。
オーベルジュのレストランでは、これらを再解釈しアップデートした季節ごとの料理と、この地でつくられたワインを楽しんでいただきます。

オーベルジュは、ワイン醸造家の家と見立てた小さな2階建ての建物になります。
その1階は12人掛けの大きなテーブルを中心とし、子どもも一緒に食事を楽しめるおおらかな雰囲気の空間です。
その日の一期一会のゲストがテーブルをともにすることで、風土や文化と結びついたおいしさを分かち合えるようなひと時を提供したいと考えています。
そのため、料理はテーブルに並べてシェアするターブルドットのスタイル。盛り付けやドリンクの提供は、料理人がオープンカウンターでお客様とコミュニケーションを取りながら行い、調理場と客席がひとつになった空間で食事を提供します。器やカトラリーなどのしつらえは、地域の作家やデザイナーと共創して制作を進めていく計画です。

食事の体験には、オーベルジュとワイナリーに隣接するガーデンやジオヒルズのフィールドも積極的に活用します。
ジオヒルズのフィールドの散策・自然の恵みの採集や、ブドウ畑や自社農園で食材や土に触れる体験や、ガーデンで自らの手で薪火で焼き上げるフィンガーフードの提供など、能動的に楽しみ・味わえる体験を、食事の体験の一部として提供します。
また、調理は電気やガスは使わずに、地域の循環可能なエネルギーである間伐材の薪を熱源にし、薪グリルと、中棚荘に古くから受け継がれてきた銅壺(どうこ)で行います。

2階には、地域のシンボルである浅間山を望む、一組だけが泊まれるシンプルな客室。
星空の見える浴室、北アルプスから八ヶ岳までぐるりと広がる御牧ヶ原からの広い眺望を堪能できるデッキが備えられています。
ブドウについた朝露が朝日を背に輝き、稲穂やそばの花が風に揺られ、みまき大池に映る夕焼けに染まり、広い夜空に満天の星。
この場に宿泊滞在することで、人々の営みと自然が生み出す美しい風景をじっくりと堪能し、風の丘を意味するジオヒルズの風土を全身で感じることができます。

人・食・エネルギーの循環

エネルギーの循環にも積極的に取り組みます。
食材はなるべく無駄にせず使い切り、それでも出た生ゴミはすべて堆肥として自社農園へ還し、フードロス0を目指します。
ワイナリーでワインを絞った際に残るワインパミスや、ブドウを育てる過程で除かれたワインリーフをアップサイクルした商品開発に取り組んでいきます。
また、オーベルジュとワイナリーのある敷地を起点にした土中環境の再生を試みるワークショップなどを通して、ジオヒルズのガーデンやフィールド全体で、人・食・エネルギーの循環を生み出す仕組みづくりにチャレンジしていきます。


ここにある「おいしい」を私たちとともに探求する料理人を募集!

2025年4月のオーベルジュオープンに向けて、私たちとともにオーべルジュの立ち上げの中核を担う料理人を募集します。

野草や有機野菜、ジビエなど、多様な食材の選定や調達を主体的に行い、日々の料理メニューを考案し、お客様の前でコミュニケーションを取りながら調理し、提供する。
そんな仕事をジオヒルズワイナリーと連携しながら行っていただきます。
周辺にはブドウ畑以外にも直営の田畑があるので、お米や野菜、ハーブづくりなどにも積極的に関わっていただきたいです。また、ワインパミス(ブドウの搾りかす)やワインリーフなどをアップサイクルさせた食品開発にも一緒に取り組んでいければと考えています。

ぜひ、ここでしか表現できない「おいしさ」を探求し、ワインが日常にある情景をともに描いていきましょう。ご興味のある方のご連絡をお待ちしております。

株式会社中棚温泉 代表取締役 富岡直希


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