web小説紹介_香月美夜「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~」

久々のweb小説紹介。
web小説は毎日たくさん読んでいるのですがなかなか感想を書くとなると迷いますね。

今回は、香月美夜「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~」について。
僕は小説家になろうで全部読みました。
というか2、3周読んでいます。
たくさん読んだweb小説の中でもトップクラスに面白いと思います。

書籍化、コミカライズ、アニメ化もされていて商業的にもかなり成功している作品のようです。
かなり好きな作品なのでいつか書籍も買おうと思っているのですが、かなりの冊数になるのでなかなか書い始められていません。(現在発売しているのが短編集も入れて23冊、完結まではあと10冊前後出そう)
いつか買う時には一冊買うごとに詳細な感想を書いてもいいかなと思います。

ざっくりとしたあらすじとしてはよくある異世界転生ものの亜種といった感じ。
主人公が現代日本で死に、中世ヨーロッパ風の異世界に転生した、というところは完全によくある流れです。
ただよくある冒険者になって剣と魔法の世界でモンスターや魔族的な敵キャラと戦い強くなっていく、というものではなく、本を求めて主人公の女の子が奔走していく、ということが話の中心です。

最初は本どころか紙もペンもインクも手に入らない状況からいろいろなことに手を出し、周囲を巻き込み問題を起こしながら進んでいきます。
そして最初はあまり出てこないファンタジーな要素もだんだん出てきて最終的にはかなりすごいことになります。

キャラクターも魅力的ですしストーリーも面白いですが僕が一番好きな部分は設定だと思います。
いわゆる異世界ものに近いようで、実は一味も二味も違う独特で広く深い設定があるように感じます。
固有名詞がドイツ語っぽくて語感が新鮮なのもあるかもしれません。
けっこう長い名前も多く覚えづらい面もありますが読み進めていくうちにだんだん覚えてしまいますし、それが心地良く感じます。

僕はこういう独特の世界観というか緻密に構築された設定が好きで、読んでいる時に、この本文に出てこない部分にも膨大な設定があろんだろうな、と感じさせてくれる物が特に好きです。
まあ独特の世界観、と言っても人によって感じ方が違いますので、僕が独特と感じられる物、ということになりますが。

そういう意味で「攻殻機動隊」や「精霊の守り人」に通じるものがあるように感じます。(攻殻機動隊も精霊の守り人もかなり好きな作品です)

設定のことばかり書くと堅苦しい印象になるかもしれませんが、ほどよく転生による知識チート(異世界にない料理や発明品を作って儲ける、など)やラブコメ的な要素、主人公の無双的なものも入っていますし、主人公の口調やキャラがけっこう軽くてけっこうさくさく読めます。

かなり長い作品なので読み始めるのにちょっと勇気がいりますし、誰でも楽しめる作品か、というと違う気もしますが、好きな人はかなりのめり込める作品だと思います。

興味がある方はぜひ読んでみることをおすすめします。

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