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すばらしいクリエイティブは、すばらしい勘違いを招く

チャンピオンズ・リーグがおわり、ヨーロッパのサッカーも一段落した。落ちつく間もなくワールドカップ予選やオリンピックがはじまるので、まだまだ楽しみはつづく。チャンピオンズ・リーグといえば「ビッグイヤー」と呼ばれる大きなカップを優勝チームが手にする。こうやって書くと多くの人は「Big year」と思うだろう。1年にわたるたたかいを称えるカップとして大きなカップを渡されるのだと。しかしこれはカタカナを使う日本人だからこそのまちがいだ。正しくは「Big Ears」。大きな耳なのである。カップの持ち手が大きく、それがまるで大きな耳のようだと広まっていった。調べてみてもダブルミーニングでもなさそうだ。この記事を書くまでぼくもダブルミーニングだと疑わなかった。妻に自慢気に説明したりもしてしまった。
しかし、だ。すばらしいクリエイティブにはこういうことが付きまとう。制作者が意図しない捉え方をされて、そのすばらしい勘違いによって感動を呼び起こす。映画でも監督がシーンの意味を語らない理由もここにある。意図したことはもちろんあるが、それが伝わっただけで名作になりうるかというと、そうではない。意図を聞いてしまうと意外と「それぐらいのこと」だったりする。しかしそれが役者の演技(気持ち)を通してカメラのレンズを通って編集の妙が加わると、ちがった解釈が生まれてくるものだ。
広告でも同じことが言える。意味で埋めつくされた広告は意図が伝わるだけで相手にされない。しかしそこに隙をつくっておくと、さまざまな解釈がなされ、人が広告について話してくれる。もちろん意図を持ったすばらしいクリエイティブであることが最低条件だ。その上で、という話。安易な例をあげると、きれいな景色が映っているとそこには意味が生まれてくる。その景色を見つめていると感情が動いてくる。その可能性を信じられない人は、そのカットを1〜2秒でおわらせてしまう。これってホントに言うは易しなんですけどね。可能性ってどこに潜んでるかわからないから。

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