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宗派に背いてマキタの充電工具を買ってしまったはなし。

もりです。
(充電工具はHiltiとPanasonic派です。)

今回は『株式会社マキタ』の『充電工具』を購入した話です。

なぜならとても安かったのです。

うれしくて撮影。14Vモデルです。バッテリ無しの本体のみ。

衝動的に購入。だって安いし。
レジに向かうまで、呼吸も3回位しかしなかった気がします。

しかしマキタ用のバッテリパックは持っていません。


クルマに戻っていくぶん冷静になり、店内に戻って以下も購入。

同じく14Vモデル バッテリ無しの本体のみ

バッテリがないのに本体を買い足し。


『充電工具』についてご存じない方には「ふーん。」な話なのですが、充電工具には『バッテリ問題のジレンマ』があるのです。

丸ノコとかドリルとか、とても便利な電動工具には、『コンセント式』と『充電(コードレス)式』があります。
勿論工具の使い勝手的には、コードの無い充電式が良いです。


ですが、接続できるバッテリが、メーカ独自規格なんです。

コンセント式はコードを繋げれば何でも動くのに、『充電工具』は、そのメーカに応じたバッテリが必要になります。

そしてこの独自規格のバッテリが、結構お高いんです。

”独自規格”と謳っていますが、中に入っている”電池”は同じものです。容量、定格などは変わらず、本体との勘合部分(ガワ)の形状が違うだけです。あまりに簡単なので、数多くのコピー品も販売されています。
(更に専用の充電器も必要になります。)

つまり、最初にあるメーカの充電工具を買うと、当然そのバッテリも買うことになり、そのバッテリを使うためだけに、以後同じメーカの充電工具しか買いたすことが事が出来ない。という沼が始まります。

最大宗派の『マキタ』は現在日本の皇、君臨状態。
たくさんの種類の充電工具をラインナップされており、言い換えれば日本最大の沼と、その沼の信者を形成しているメーカーです。

広大な沼の具合をご覧ください。

40Vバッテリ対応 210モデル
18Vバッテリ対応 393モデル
とにかくたくさん。

個別メーカの利益を守るためなんだから、そんなの当たり前じゃん!と思う方もいると思いますが、少し以前は車のバッテリも乾電池もそうだったのです。(ガラケーもそうで、互換品もありました。)
乾電池やクルマのバッテリの共通規格が出来たので、全メーカは電源供給の心配、品質の精度、販売供給の心配をしなくて良くなりました。
工具も早くこうなってほしい。

だって、「このバッテリーがまだ使えるから、次もこのメーカーのクルマを買いつづけるか。。」な状態ですよ?

HILTI派から改宗する?

マキタ様の沼に比べると、HILTIなんて水たまり?

マキタのバッテリ純正品

充電器

15,920円+9,770円、合計25,690円。

うーん。
500円のキカイを動かすのに25,000円?

毎回こんなことばかり書いている気もしますが。

作る?


手元にHILTIの14.4V(1.6Ah)のバッテリがあるので、これが使えないか検証しましょう。

はい使えました。

あとは『HILTIのバッテリからマキタの電動工具に変換するアタプタ』が売られていれば大変話が早いのですが、ネットを探してみても見つかりませんでした。

「変換アタプタ」とはこんなモノです。
(コレは国内2大宗派の日立製をマキタ様につなげるアタプタ)

困っている方(同じジレンマを抱えている方)は世界中にいるようで、他メーカ⇔他メーカのアタプタはたくさんありましたが、HILTI社の信者は少ないようで、Amazon、AliExpress、ebayなどを探しましたが、見つけれませんでした。


作ろう!

だって、世界にまだないものですよ。

より良い世界に!みたいでかっこいい。

個人的に困っているだけですが。

まずマキタ(本体)の接続部を見て、『マキタ側』を作っていきます。

端子は2つのみ。下側がGND(-)
左側の白いローラで、バッテリがロックされる仕組みになっています。
バッテリの現物がないので、想像しながら(適当に)採寸。


外縁のみを3DCADで描いたところ。
3Dプリンタで印刷。
こんな感じ?(バッテリ外周が大きいので、スペーサ必要?)


①さらに設計します。


ずっと悩んでいたのが、電源と接触する”端子部分”です。鉄片を曲げて作るだけだと、結構な電流が流れ、何度抜き差ししても大丈夫なバネ構造と耐久性を持つものを作るのは難しいなぁと考えていました。

とても良いものがありました。

松下WN1001SW(をバラしたもの)

147円!

本体とマキタ側のアタプタ(というかスペーサ)を裏から見たところ。

(右側の端子を見てください。)端子の勘合ばっちり。


更にHILTI(バッテリ)側の形状を見て、作っていきます。
端子部分が入れ子になっています。
この部分のみを別部品で作成。

②むずかしかった。

入れ子側の端子も悩んでいたのですが、良いものがありました。

松下露出型コンセント WK1012W バラシて使用。

さすが松下。かゆいところに手が届く。

端子機能チェック。OK!

HILTI(バッテリ)側は、この部品とベースを組み合わせた形になりました。

③HILTI側の受け口設計。とても大変でした。
このヤヤこしさがHILTI対応汎用アタプタが無い原因なのかも。
所謂プラ型(射出成型)だと1発で打てないので、4ピースに分ける必要があります。

合体させます。

マキタ側の裏面とHILTI側の裏面になります。

完成しました\(^o^)/。

上面(マキタ側)
(裏返した)下面(HILTI側)
バッテリ側に装着してみたところ。マキタ側、中間スペーサ、HILTI側の3層構造です

OK~。

そしてなぜか楽しい。

(ただ他派の電池をつないで動いただけなのに。)

コレがヒトを無理やり改宗させる宣教師の原動力なのかも?

材料費
Panasonic WN1001SW 147円。
Panasonic WK1012W 165円。
皿ネジとナット 200円ぐらい
3Dフィラメント 600g位? 約800円。
計 1,302円。


以上を2つ作って、マキタ2台ともHILTI派に改宗させました!


”赤い奴”は3倍速いはず? 世界に二つになりましたが。

何となく(足元だけ無理やり邪教に改宗させられた)気の毒な信者の様にも見えますが、携帯電話会社的な契約だと、「マキタ側から2台奪って、HILTI側に2台呼んだ。」のでOKなのではないでしょうか。
(auの機種だけど、docomoのSIM通話みたいな。)


今回は変換するアタプタの設計を、
①電動工具本体に接続するベース
(今回はマキタ)
③バッテリ側に接続するベース
(HILTI社のバッテリしか持ってないけど)
② ①と②のはめあわせを丁度良くするスペーサ

上記の3層構造としたので、
①の部分だけをまた頑張れば、ウチのBOSCHさんも改宗できますね…。


この記事でHILTIの赤い信者が増えないかな。
(邪教とは何なのか。足元だけでも良いのか?)


2024/7/17追記。
文中に記載している3Dデータ、
①マキタ本体側に接続するバッテリアタプタ形状
(裏面に電源端子用の溝も作成)
②HILTIバッテリ側の電源端子入れ子
③HILTIバッテリ側のベース
④ ①と③の中間スペーサ形状
の各3D(Fusion3D,STL)データを、ご希望者あれば無償で差し上げます。
拙い3Dデータですが、本体ロック機構などは問題ありません。
「マキタのバッテリから電源を取り出したい!」の方はある程度いるかと。
HILTI信者の方でなくても大丈夫です。布教もしません。
よろしければコメント欄にどうぞ。


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