「ホースブリッジ」を作るはなし。
もりです。
数年前知人からのお誘いで、消防団に入っています。
分団のえらい人から、訓練で道路に取水ホースを渡すから、「ホースブリッジ」を手配してくれない?
がありました。
「ホースブリッジ」とは何でしょう?
「送水ホースプロテクター」とかで検索するとヒットします。
こんなふうに使います。
クルマが通ってもホースが潰れないようにするものです。
前の掲載商品を見て、
「3千円か。ふーん。」
(まぁそのくらいするやろな)
と思うでしょ?
でも上記の商品は家庭用かもしれない50㎜までのホース用で、Φ65とかΦ70のホースや、更に「消防用」で検索すると、とんでもない金額になります。
カッコイイ!けど7万円。7万円?
両輪分で14万円?
そんな高いもの、踏めます?
だって『道を通るだけ』ですよ?
iPhone10を2台道に置いてクルマで踏んでる感じですよ(違うか)
例によって作ります。
最初はホースを覆う鉄骨(安い)を切って、両脇にスロープの板を溶接すれば良いかと考えていました。
写真はC形チャンネルの鉄骨ですが、この中にホースが通せれば、30㎝幅で切っても材料代は100円位です。
(困っているオジサンみたいですが)
断面図を見たところ。グリーンのコの字枠が鉄骨。ブルーの斜辺が鉄板になります。ヒンジで折りたためるようにしようと思いました。
鉄板にすべり止めも兼ねて『縞鋼板』を使えば、安いので多分1個分のコストは3,000円いかないでしょう。(一応強度計算まで頑張りました)
鉄骨に適当な規格サイズがない。
ネット、ホームセンターを廻ってみたのですが、高さ7cm角くらいのC形チャンネルが無いのですよね。
角パイプの7.5cm角の1辺を延々と切ってC形にするか、Lアングルに平板を延々溶接してC形にするか。
(この日の作業者2人とも、くっつけるのは好きだが、面倒な切断はキライなタイプ。)
で、やめました。
上記を購入しました。
ステッププレートですが、コレ2枚でホースを挟む計画です。
このような感じです。
2枚のプレートがズレないように、コの字型の金具を作成して、ステップ裏面のくぼみに差し込み、2枚のプレートがホース幅以上広がらないようにします。
この板材は前回ポンプのキャスタを作成したときの残りです。
(タダ!というかゴミ?)
万力+金槌で鉄板を叩きまくって整形します。
出来上がり!
ブロックの下辺が75㎜、上辺が60㎜ですが、水が通りホースが膨らめば丁度よくなるでしょう。
Φ50のホースも使えますし、Φ100でも金具を作れば対応可能です。
3,582円で完成!
地域の皆様も僕も、躊躇なく踏みやすい価格で作れました。
2021/09/20後記。
私もお手伝いのえらい方も、「とにかく溶接したい!」と集まった会だったのですが、色々あーだこーだ考えているうちに「用途を満たせればよい」という事に気づき、溶接はできず悲しい会となりました。
でも、『同じ目的を持つ方々が一緒にあーだこーだ考えている時間。』が宝物ですよね。
楽しかったので良かったことにします。
消防団のえらい方が更に消防本部のすごい方に、『こんな面倒なことをしなくても、昔はスノコを巻いたやつをホースに並べて使っとった。』とお聞きしたそうです。(要は廃材の有効利用ですね)
確かにゴザだと、ある程度の耐荷重もあるし、踏めば勝手に潰れてくれるので、路面側はどんな形状でも良い。
(身の回りに普通にゴザがあり、廃品にしてもよいものもあった)昔のハナシなのかもしれませんが、それも作ってみたいなぁ…。
でも簡単に叶ったりして。
わが消防団OBに、国から表彰もらえたレベルの畳屋さんがいたりします。
2021/09/25後記。
OBの『国から表彰もらえたレベルの畳屋さん』から、ゴザもらえました。
ゴザを丸めてポンプ車で踏んでみました。
中々良い感じ。
ステッププレートの固定金具も、『最悪ホースが破裂する場合もあるので、そのことを想定すれば金具は丸い方が良い』とのご指摘いただきました。
現場に行きまくった方の話は重い。
色々と改良いたしました。
また追記いたします。
2021/10/12後記。
今回作成したモノの現場写真です。
挟んでいるホースは65㎜ですが、思惑通りに水圧でホースが膨らみ、ステップを押し拡げようとすることでステップが金具に圧着固定され、クルマが通ってもステップが跳ね上がるようなことはありませんでした。
良かった良かった。
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