理解のない人に理解してもらうには?
なぜ理解せてくれないのだろうか?
私は高校生のときに、ふとこんな疑問を抱きました。
起立性調節障害(OD)に対して理解がない人は、なぜなのだろうか🤔
ちなみに皆さんはどう考えますか?
ひとつの仮説
私は以下のようなひとつの仮説を立てました。
おそらく、起立性調節障害に対する知識が足りないんじゃないか。
要するに、ただ無知なだけなんじゃないか?
(これには以前の記事でも書いた、理解したつもりの人を含みます。)
では、なぜこの仮説を立てたのか。
それには主に以下の2つのことがあります。
①自分が自分を受け入れられた過程
②理解のなかった父が理解を示してくれるようになったきっかけ
それぞれについて述べていきます。
①自分が自分を受け入れられた過程
自暴自棄の時を経て、私自身が自分を受け入れることができるようになったプロセスを振り返ったとき、まず初めにしたことは起立性調節障害がどんな病気なのかを勉強することでした。
色んな病院をたらい回しにされて、
「精神的なもの、思春期の問題だ。」
と言われ続けた後に、起立性調節障害と診断された当初は、自分自身もその原因には精神的な問題が大きいのではないかと考えていました。
(心理的な要因が大きい場合もあるため、心理的な関与を測るテストを受けることも重要ではあります。)
しかし、
起立性調節障害の原因はどういったものがあるのか?
症状が起きる時に体で起きていることは何か?
どういった予防や対処が適切で効果的か?
など
どういう病気かを学ぶことで、自分自身の状況を受け入れ、回復に向けて建設的に悩むことができるようになりました。
②父が理解を示してくれたきっかけ--喧嘩--
内向的な性格の私が大きな声をあげて言い争うなど、自分でも想像がつきませんが、実は1度だけあります。
それは私が高校1年で学校を遅刻、欠席する日々が続くものの、その原因は不明で色々な病院をたらい回しにされ、多くの医者からは精神的な問題、思春期の問題と言われており、自分でも自分が分からず混乱している時のことでした。
単身赴任中の父が一時的に帰宅していたときの出来事です。
いつも通り、登校の時間になっても起き上がれず、昼になっても起き上がれずにいると、痺れを切らした父が部屋に勢いよくやってきました。
そしてこう言います。
「いつまで寝てんねん、そろそろええ加減にせぇよ。どうするつもりやねん、ずっとこうしてるつもりか?」
これに対し私は大きな声でこう返しました。
「うるさいねん、分からんねんから黙ってろ、行けるんやったら行くやろ!」
(正直この瞬間、自分で自分にびっくりで、今思い出してもなんだかゾクッとします。)
これに対しては父も少し驚いたのか、その後は言葉を詰まらせ沈黙。
シーンとした気まずい時間が流れました。
(これまでの人生でもトップレベルの気まずさ)
おそらく、反抗期もなく普段から大きな声も出さない私の反抗は予測していなかったのでしょう。
父は勢いよく入室してきたものの、まさかの反撃でその勢いを失い、退室するか会話をするか迷ったものの、何をどのテンションで話したらいいか分からん、どうしよう、、、
みたいな時間を少し過ごした後、
父は静かに部屋から出て行きました。
そしてその日の昼過ぎ、母の電話に数ヶ月後に初診またはキャンセル待ちの状況だったOD専門クリニックから電話がありました。
「キャンセルが出たので16:30までに来れるようならいらして下さい。」
とのことで、OD専門クリニックを受診することができました。
(まさに言い争ったその日です。こんな偶然もあるのかと、、)
そのクリニックでは脳血流、血圧、心拍数を連続して測定することができ、起立時の循環動態(体の中で起きていること)を詳しく検査してもらえました。
診断は「起立直後性低血圧の重症型」です。
そして、お医者さんから私に、検査結果の詳しい説明を受けた後、両親に対しても起立性調節障害に関する解説と私の状況に関する説明が行われました。
そこで初めて私の体のなかで実際に起きていることを知った父は、
検査を終えて待合室で待っていた私に対し、少し気まずそうに微笑みながらこう言います。
「まぁ、そやなぁ、、、
今日のことはあんま気にすんな、、なっ!」
私は
「ん!?第一声は他に適切なものがあるような気がしなくもないなぁ、、」
と思いつつも、
これが父が起立性調節障害また私に対して理解を示してくれた瞬間です。
どうやって理解を得るか?--理解を得る方法--
これらのことから、
起立性調節障害に対して理解がない人も、
ただ起立性調節障害に対する知識が不足しているだけで、
実際に体の中で起こっていること(メカニズム)を示されると、理解できるようになる。
そう思いました。
さらに、説明をする際に、実際の自分自身の検査結果の用紙などを見せて、
実際に起きていることやそのメカニズムを説明すると、聞き手は理解する他ない・理解せざるを得ないのではないかとすら思います。
私はこの
〈検査結果を見せて、起きている現象とそのメカニズムを解説する。〉
といった方法を用いることで周囲の多くの人らの理解を得てきました。
仮にここまでしても理解してもらえなかった時には、
この人にはこの現象を理解するだけの知性が足りていないのかな?
と考えてやり過ごしています。(口が悪くてごめんなさい。)
そこに性差はあるか?
少し余談です。
これは私の勝手な見解ですが、
女性は割と理解をしてくれる方が多く、理解を示してくれない人には男性が多いような気がします。
その背景には、
男女の脳の違いにあるのでは?とかを考えたりしています。
進化論的にも
女性は感情を重視し、共感能力が高い傾向にあります。
それに対し男性は、論理や事実を大切にする傾向があります。
(考えてみると、女性の会話は感情の共有がメインで、男性の会話は情報交換がメインなことが分かるかと思います。)
こういった背景には脳梁など、脳の物理的な構造の違いもあると考えられています。(脳に性差はないと考える科学者がいるのも事実ですが、、)
仮に、起立性調節障害に対して理解がない人は男性に多いという見解が正しいとすると、
男性は論理的な思考をする傾向にあるのだから、
起立性調節障害に関することを論理的に示せば、理解をしてもらえることになります。
まとめ
以上のようなことも含めてまとめてみると、
起立性調節障害への理解がない人に理解してもらうためには
起立性調節障害がどのような病気か、体ではどのようなことが起こっているのか、そのメカニズムはどんなか、を論理的に説明することがカギなります。
(先にも述べたように、自身の検査結果があるとより良い。)
ということで、
起立性調節障害については以前の記事でまとめているので、それを参考にしていただければ幸いです。
有料ではありますが、
周囲の人に理解を促す際のお役に立てるかと思います。
また今後も情報をアップデートしていくつもりですので、よろしければ参考にしてみてください!!
『起立性調節障害において医者が最も重要にしている治療法とは?「敵を知り己を知れば百戦危うからず」敵を知る篇』
https://note.com/naka55951/n/n3a68222dbf10
検査結果の資料を参考までに
ご覧頂き感謝申し上げます。ODの方やご家族などの不安や悩みを解決する手掛りを提供したい。世間の認知度だけでなく、理解が進み、ODの方が元気に充実した生活を送れることを祈っています。私にどれだけの貢献ができるかは不安ですが、皆さんのご支援が励みになります。よろしくお願いします。