起立性調節障害において医者が最も重要にしている治療法とは?「敵を知り己を知れば百戦危うからず」敵を知る篇
こんにちは。
初めての有料記事、起立性調節障害本人・親・先生など起立性調節障害を詳しく知りたい。できれば極力簡単に!という人にとって読んでいただけると嬉しく思います。
多少の専門的な用語はあるかもしれませんが、
中高生でも理解しやすいようになっているかと思います。
はじめに
さて、今回は起立性調節障害を克服する、またはうまく付き合っていくために、まず何よりも重要なことは何だろうか。
といった内容です。
起立性調節障害と上手く付き合うために重要なことは?と考えると、
処方された薬の服用や生活習慣の改善、食事や運動などが思い浮かぶかと思います。
どれも正しいですが起立性調節障害を考えるときには
身体的側面だけでなく心理的側面も併せて考える必要があります。
なぜなら、確かに起立性調節障害は身体的な疾患です。
しかし、その生物学的機能異常には
遺伝的な体質傾向が認められている一方で、
心理的な影響を受けやすいという側面もあるからです。
(心理ストレス→脳の扁桃体へ悪影響→自律神経にも悪影響 といった流れが背景にある)
つまり起立性調節障害は
身体的な因子と心理社会的な因子が、さまざまな程度で複雑に絡み合って起きる病態だといえます。
このことから、起立性調節障害においては
人によって原因はさまざまである
また、唯一の原因を特定することはできない
それ故、起立性調節障害に対する画一的な治療法は存在しない
といったことがわかるかと思います。
つまり、起立性調節障害の治療も、個別処方が重要であるということです。
前述したように、起立性調節障害は身体疾患でありながら、その原因には、身体的・心理的なものが複雑に絡まって起きるものです。
ここで重要なことは、
原因としての心理的な要因の程度は低かったとしても、
起立性調節障害になったことによって、心理的に不健康な状態に陥ることはよくあるということです。
心が病む⇨起立性調節障害 ではなくても
起立性調節障害⇨心が病む のパターンはよくあります。
なぜなら、起立性調節障害を患う人は、
同世代の人よりも将来に対する不安感・青春時代を奪われたような虚無感・欠席や遅刻が続くことによる孤独感などネガティブな感情を抱く機会は多いからです。
ただでさえ、中高生は自我同一性・アイデンティティの獲得が発達課題ですので、他人の目を気にしたり、他者からどうみられているか、私ってどんな人間なのかなど、将来や人間関係について思い悩むことは自然なことですから、その時期に起立性調節障害を患った人たちはなおさらでしょう。
私自身も、高校1年で留年が決まってからの数年間は、学校にも行けず、行けても別室登校だったので、友達ができませんでした。
SNSを見ると中学時代の友達は高校の友達と部活をしたり、旅行に行ったり、カラオケに行ったりしています。
その様子をみると、自分は高校での青春を失ったような虚無感や、孤独感を抱いたことを覚えています。
なぜか、そんな自分を情けなく思う気持ちが湧いてくることすらありました。
また、同じ高校の人達がプロサッカーチームの練習に参加をしたり、ひとつ上の学年(年齢は同じ)の子たちが、受験に成功し、大学生活をエンジョイしていたり、就職して稼いでいたりと、
彼らにも色々な悩みや葛藤もあったでしょうが、
そもそもチャレンジすらできず〈寝て、朝目が覚めても動けず、また夜に寝る〉という毎日を繰り返していた私は、ついつい周りと比較し、将来に対する不安や恐怖、今の状況への失望やイライラを抱く毎日でした。
そしてこの〈ただ寝て過ぎていく膨大な時間〉への恐怖や焦りみたいなものは絶えず心の中に存在し、
これを何とかしないと本当にメンタルが押し潰されてしまう、、
そういった感覚から脱却するために、何か行動しなければ!
とはいうものの、
「一体、今のこの状況で自分は何ができるのだろうか?」
「まず最初にすべきことは何なのだろうか?」
こういった葛藤や自問がうまく付き合えるようになる始まりでした。
そこで今回は、
まず何よりも初めにこれをしておこう、これができてからが色々スタート!って内容になります。
そしてこれこそが、OD専門医がどの人に対しても行う、最も重要視している治療です。
また、下記の記事では起立性調節障害について詳細に述べております。
周囲に起立性調節障害に対する理解が乏しい方がいる場合には、そういった人が理解できるように、起立性調節障害のメカニズムについても述べておりますので、参考にしていただきたく思います。
勿体ぶらずに申し上げましょう。
その治療とは「疾病教育」です。
以下でも述べていきますが、起立性調節障害の治療には薬物療法や非薬物療法、環境整備や心理療法、また重度になると入院療法などがありますが、
OD専門医である田中英高先生が、どの患者に対しても、またその保護者に対しても必ず行う治療がこの「疾病教育」なのです。
つまり、まずは自分自身の病気、起立性調節障害について正しく理解しよう。
そうすれば、自分で体調を管理する術を考え、身につけることができるでしょう。
また、理解のない人に対して、うまく説明できるようになるでしょう。そうすれば、自分にとって生活しやすい環境へ少しずつ変えていくチャンスが増えるでしょう。
といった意図でしょう。
私自身も高校時代に、ODの人の体の中で起きていることを詳しく説明することで(自分自身の検査結果を見せて、いつ何が起こっているかを解説しました)、周囲の人にスムーズに理解してもらうことができた実感を持っています!!
ということで、
起立性調節障害について述べていきたいと思いますが、
その前にここで一度今回のタイトルを見ていただきたく思います。
「彼を知り、己を知れば百戦危うからず」
ご存知の方も多いかと思いますが、これは孫子の兵法に出てくる有名な一節です。
意味としては、
戦いにおいて大切なのは、まず相手を知ることだ。そして、自分のことについてもきちんと理解しよう。そうすれば、どんな戦いでも負けることはないだろう。
みたいな感じです!
この言葉から考えられるポイントは、
勝つことよりも「負けないこと」が大切だ。という点かと思います。
負けさえしなければ、いずれ勝つときがやってくるでしょうから。
では起立性調節障害の闘病生活における負けとは何かを少し考えてみましょう。
数学のような明確な答えはないでしょうが私は以下のように考えます。
・自殺や自傷行為
・法を犯す
・酒やドラッグなど
どれも人生を狂わし、取り返しのつかないところまで行ってしまう。
これが起立性調節障害の闘病生活における負けではないでしょうか。
そう考えると、高校1年生で留年したり、小学生からの夢を病気によって諦めたり、高校の友達ができなかったり、修学旅行に行けなかったり、、、
他にも辛いことは多々あるかと思いますがそれは決して負けではないというに考えられるでしょう。
私も起立性調節障害とは9年という長い付き合いで、高校時代は特に心身ともにODに負けそうになることもありましたが、今ではなんとか上手くやっています。
(まだ決着はついていませんが、起立性調節障害と歩む人生って感じで、うまいことやってるつもりです)
孫子の兵法は
兵法なので元々は戦さにおける戦略や戦術を説いたものですが、ビジネスやスポーツ、人生において本質的なものを教えてくれ、2700年程経ってもなお、人々に読み続けられています。
今、基本的に私たちが戦さをすることはありませんが、
孫子の兵法は人生のあらゆる問題を解決する際に役立つかと思いますので是非一読してみてはいかがでしょうか。
少し話が脱線してしまいましたが、
「彼を知り、己を知れば百戦危うからず」
この言葉を起立性調節障害でいえば、
起立性調節障害がどのような病気なのか、その特徴について理解する。(彼を知る)
その上で、自分の症状の種類や程度、症状の出やすい時間や環境などの特徴を知る。(ODという制約のなかの自分を知る)
さらに、自分の人生における価値観や思考のクセを理解する。(自分でも気付いていないような、本当の自分・本心を知る)
と言えるかと思います。
そうする事で、世間や周囲に流されず、無駄に悲観的になり過ぎず、本当に自分の望む方向に向かって、具体的な行動戦略を練ることが出来るようになります。
ということで、以下では「彼を知る」
つまり起立性調節障害とはなにか、について述べていきたいと思います。
周囲に起立性調節障害に対する理解のない人がいる場合には、この記事を見てもらい、一緒に理解を深めていただきたく思います。
では始めましょう。
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ご覧頂き感謝申し上げます。ODの方やご家族などの不安や悩みを解決する手掛りを提供したい。世間の認知度だけでなく、理解が進み、ODの方が元気に充実した生活を送れることを祈っています。私にどれだけの貢献ができるかは不安ですが、皆さんのご支援が励みになります。よろしくお願いします。