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世界遺産でSDGsの取組を考えよう。

「世界遺産とは、地球の品位を守るもの」

これは、京都大学名誉教授だった桑原武夫氏が、1980年にインドネシアの「ボロブドゥールの仏教寺院群」の修復完成式典について語った際の言葉です。

地球の長い歴史の中で、46億年をかけて豊かな自然環境が生まれ、数百万年かけて人類はその自然環境と共に様々な文化や文明を作り上げてきました。

世界遺産はそうした「地球の記憶」ともいうべき自然環境や文化財を、私たちが受け継ぎ、確実に次の世代へと残していく、まさに地球の品位を守る営みなのです。

地球の品位は、一時の開発や紛争などで失ことも、放棄して風化させることもあってはならない。世界遺産を守るということは、自分たちの属する文化について理解を深めるだけでなく、世界中に存在する多様な文化を知り、互いに尊重し合うことにつながる。また、地球の生成過程や固有の生態系の価値を知り、今後ますます重要となる地球環境保護の意識を高める。

世界遺産は、ただ「人類共通の宝物」を守るものではなく、私たちが地球の多様性を理解し、守り伝えるための知的営為なのです。

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SDGsとは

SDGs(エスディージィーズ)とは、(Sustainable Development Goals)という英語の頭文字をとった略称です。

「持続可能な開発目標」と訳し、17の目標と169のターゲットがあります。

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17の目標には、「こういうふうに行動し、こんな状態になりたい」という内容が描かれています。「ゴール」というのは未来像を描いているのでビジョンとも受け取れることができます。

「持続可能な」というフレーズから環境問題や社会問題のことだけを目標にしているかとも思いますが、各国の状況に応じて、一人当たりの経済成長率を持続させる。というお金のこともターゲットも謳われています。世界の成長戦略という捉えることができます。


なぜ、いまSDGsが注目されるのか?

目標やターゲットの数が、ボリュームの多いSDGsですが、なぜ今注目されているのでしょうか。

世界共通の目標なしに各国や企業が好き勝手にふるまうと、世界的な課題が十分なスピードで解決されず、逆に世界の状況がますます悪くなり、ゆくゆくは人間の生活そのものが脅かされてしまう。

安全・安心で平和な世の中とはほど遠い状況になることが強く懸念されているからです。

日本人は、比較的環境に優しく清潔な環境の中で、平等な暮らしをしているという感覚を持っている人が多いのではないでしょうか。

しかしながら、海洋汚染やプラスチックごみの問題、コロナ過で教育や、貧困の問題が浮き彫りになり、また電力発電などで使用する化石燃料の使用状況は、世界から非難される状況だということを、近年のニュースなどで認識された方も多いのではないでしょうか。私たちが身近で今できること、企業活動で今後重要になってくること、私たちの生活環境について考察していくことが重要になっています。


1992年にブラジル・リオデジャネイロで開催された地球サミット(国際環境開発会議)では、「アジェンダ21」という文書が採択されました。環境分野での国際的な取り組み推進のための行動計画になりますが、この採決が国際的な枠組みでの目標として、大きく国際社会の流れを変えていくことになるのです。

その中で接続可能な開発を達成するために積極的に貢献できる分野のひとつとして「観光」が位置づけられました。世界遺産委員会も2000年代の初めには観光の問題に注目し、「世界遺産を守る持続可能な観光計画」の策定に動き始めました。

世界遺産条約は、多くの国が加盟しており、最も成功した国際条約とも言われています。しかし、地震や洪水などの自然災害や、地球温暖化による環境破壊、経済開発や都市開発による脅威、過度の観光化による遺産劣化など危機に直面しています。

世界遺産を保護、保全し次世代へ伝えてゆくことは、世界中の様々な文化や自然の価値を人々に再認識させ、身近な小さな文化の痕跡や自然を大切にする意識を多くの人々に芽生えさせ、平和で豊かな社会を後世へ伝えていく目標に向かう行動をとる、まさにSDGs取組への第1歩になるのです。

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ノーベル物理学賞

タイムリーな話題では、真鍋淑郎氏がノーベル物理学賞を受賞しました。

真鍋氏は、半世紀も前の1960年代に二酸化炭素などの温室効果ガスに着目し、大気と海洋牡循環を考慮した気候変動のモデルを開発、地球温暖化の予測に関する先駆的な研究をつづけた業績が高く評価されました。

コンピューター使って、気候変動を解明するという新しい分野を開拓、地球温暖化予測の論理的基礎を築いたのです。この気象化学分野の研究者の間では、ノーベル賞には地球科学賞はないので受賞できないと感じており、真鍋氏の受賞の一報には「地球科学が認められた」「分野の壁を破った」と一様に驚きを隠せないとのことです。

人類社会の持続的な発展や国際社会に大きく貢献し、世界に認められた。今日の社会の在り方を変えた偉業である。まさに、私たちが目指す持続可能な社会への取組のスタートを鳴らす号砲となったのではないでしょうか。

次回は、具体的に世界遺産保護の課題・問題点、また地域の取組を挙げて、SDGsについて考えていきたいと思います。

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