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酩酊、愚か、濡れた靴下

あればあるほど飲んじゃいますよね~、酒。
小林製薬のCMのノリで始めてみた今回のエッセイ、飲酒についてです。

(吐く、などの人によっては不快感を感じる表現があります。苦手な方は注意!今回はだらっとしたまとまりのないエッセイです)

酒がやめられない。がんばって休肝日を設けてはいる(今のところ3日に1日)し、度数の強いお酒はもう手術してからは体質的に飲めないから、せいぜい5~10%の度数の酒を2~3缶飲むくらいなのだけど、頻度は減らしたい。
胃を手術したとき、先生に、肝臓が肥大していて手術が予定時間よりも延びた、と言われた(手術の直後なのでちょっとあいまいな記憶だけど)。精神安定剤と酒のせいだと思う。
ビールは味がすごく好きだし、ワインもお店で飲むおいしいものは好き。日本酒は好きだが、手術後一切飲めなくなった。キリンの本搾りという柑橘系のチューハイのシリーズが好き。あとの酒はさほどおいしいと思わない。惰性で飲んでいるに過ぎない。

昔から酒癖が悪い。(ここから汚い表現も出てきます、ご注意を!)
大学生のころなんて、なんでだか知らないがサークルがそういうカルチャーだったので、むちゃくちゃ忙しく大会などの活動をして、むちゃくちゃ酒を飲んでトイレで吐きまくっていた。アホだ。吐くのは嫌だし、二日酔いはインフルエンザの高熱に次ぐくらい辛い。が、酒を友達と(飲み仲間と)飲んでいるときの高揚感が好きで、とにかくわたしは東京での生活にずっとはしゃいでいて、そのため悪酔いするのもいとわなかった。わたしは特に周囲や雰囲気に流されやすいので、周りの人がべろべろに酔っぱらっていると、わたしもついていきたくなる。その結果としてどのくらい肝臓を傷めつけたか。
いろんな大学の生徒と交流するタイプのサークルだったので、大学ごとにカラーがあるなと感じた。某有名私立大学の男の子たちはとくに命を削るように酒を飲んでは暴れていた。

吐き癖がついたのはそのころから。大学3年生のころ、わたしの体重は42キロしかなかった。自転車通学をしていたのと、酒を飲んで吐いてばかりいたせいで。経験上、吐くのが2番目に痩せる。1番は胃を切る手術。笑えない。

泥酔すると(ここ最近はしてないけど。一番最後に泥酔したのは半年前くらい、友達の家で、日本酒を飲みすぎて。緑色の液体を吐くところまで行った。胆汁かなんからしいです)、泣くか、キレるかすることもあった。めんどくさい酔っ払いの典型だ。周りの友人や恋人たちはわたしにうんざりしてきたことだろう。わたしもわたしにうんざりしている。しかし人に迷惑をかけるまで酒を飲みすぎるのはよくない。タトゥーにして右腕に彫るべし。

薬を飲まざるをえない日々だし、酒はやめたほうがいい。
まぁまぁいきなりそんな正論を突きつけないでほしい。正論を言われるのが苦手なんです。
でもおっしゃる通り。いちいち酒が抜けるのを待ってから薬を飲む日々にも疲れた。買いだめしなければ酒は飲まずに済むし、いちど病院で主治医に相談するのもひとつの手だと思う。まだアルコール依存症ってわけでもない。たぶん。ね。そうだろ?

なぜ酒を飲んでしまうかというと、私の場合は、ふわっと高揚したいから。それに尽きる。味とかどうでもいい。お茶やジュースだっておいしいし。味ではなくて、喉の渇きでもなくて、アルコールを体に入れていることで生じる高揚感を味わいたいんだと思う。ふわっとしたい。酒が飲みたくなると、いつも私の頭にはそのフレーズが浮かぶ。酔って現実から逃れたい、というほどではない。そこまでまだ厭世の波にのまれてはいないが、いずれそうなるかもしれない。


酒にまつわる音楽や本について、好きなものを紹介して締めよう。

まずはKIRINJIの「悪い習慣」という曲。歌詞には明記されていないし、酒という単語もひとつも出てこないけれど、アルコールに依存して飲み歩く男性の気持ちを歌っているのではないかと思っている。

濡れたままの靴下、というのが、重たい不快感と罪悪感がびしゃびしゃと心にまとわりつくのを表しているように感じる。KIRINJIはメロディも美しく味わいがあるが、歌詞もいつも見事。


中学生の頃に読んでいて、その時はよく理解できなかった中島らもの「
今夜、すべてのバーで」という小説をふと思い出す。アルコール依存症で入院することになった男性の話だった。今読んだらまた面白いのかな。

このしょうもないエッセイを愚かな酔っ払いのわたしたちに捧げます。