金が無いのにはもう飽きた

金が無いのにはもう飽きた。

スカスカの財布を眺めて「嗚呼、金が無い」と思うのはもう飽きた。

金が無いのにはもう飽きた。

知らない電話番号から電話が掛かってくるのにももう飽きた。

金が無いのにはもう飽きた。

その電話番号をググって「矢張りあそこか」と思うのにももう飽きた。

金が無いのにはもう飽きた。

朝から周年のパチ屋に並んで、あんなにみんなが取り合った台に、帰ってこない万札を入れるのにはもう飽きた。

金が無いのにはもう飽きた。

やっと入ったRUSH中、「今例え100G乗せても三井住友銀行に行ったあいつの月収には勝てない」と気がついてしまうのももう飽きた。

金が無いのにはもう飽きた。

75%のチャンス目に明日の自分を託すのにはもう飽きた。

金が無いのにはもう飽きた。

一人シャワーでへたり込んで「俺の八万三千円返してくれ」と呟くのにはもう飽きた。

金が無いのにはもう飽きた。

思ったより二万少ない財布にはもう飽きた。

金が無いのにはもう飽きた。

手数料の所為で札が割れて、残高900円のまま永遠に引き出せなくなってしまうのにはもう飽きた。

金が無いのにはもう飽きた。

借金をしている友達と話す時、催促を恐れて「借金」や「金」という単語を避けて話すのにはもう飽きた。

金が無いのにはもう飽きた。

誰かがウン十万突然くれて、全て精算できたのなら、もう少し上手く回るのにと思うことにはもう飽きた。

金が無いのにはもう飽きた。

月初に全てのサブスクから「お支払いの確認ができません」と言われるのはもう飽きた。

金が無いのにはもう飽きた。

常に火の車状態で、「初期投資」や「高価だが長く使える物選び」といった思考から無縁なのにももう飽きた。

金が無いのにはもう飽きた。

来月末支払いの仕事を嫌厭するのにももう飽きた。

金が無いのにはもう飽きた。

金の心配をしている時間にはもう飽きた。

金が無いのにはもう飽きた。
金が無いのにはもう、飽きてしまった。