【挿絵あり】№37_召喚術の授業は××な魔物と、 …過去を引きずる人に贈る、ヒーリングBL…
【月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生】の召喚契約を巡る攻防を描く、現代的で現実的なファンタジー召喚BLです。
(…いや…ちょっと待て……)
いつか聞いた先生の解説が、ふっと蘇った。
”魔物は魔界由来の魔力しか持たないので、魔界との差異が大きいこの世界には干渉できないのです”
「………、…、…ッ!!」
サーッと血の気が引いたのが分かった。自分は相当呑気で馬鹿だった。
(僕の魔力は、魔界由来のものじゃない!!)
通常、召喚等によって魔物が得た人間の魔力は、魔物が魔界に戻れば魔界の魔力にすぐ同質化されると言われている。
だが。
(魔力の保管…!!あの保管容器が、どれほどの性能の物かは分からないけど…)
もし僕の魔力を魔界の魔力へと同質化させずに、人間の世界の魔力として保管・貯蔵できるとしたら。
そしてそれが、魔物達にとって”500倍の魔力”だったとしたら。
「…………………」
今までの比でない災禍が、人々に降りかかるのではないか――
「どうした?何を不安に思っている?」
一人勝手に狼狽えて青くなっていく僕を、白緑の魔物は慣れた様子でズイッと覗き込んできた。
流れるように手を握られ、ソファーに座るよう誘導される。
手と隣から伝わってくる、ひんやりとした体温。
静かな労りが感じられるそれらに、僕はつい口はおろか心まで緩ませてしまった。
自分に寄り添うその相手こそが、不安の元凶であるというのに。
「……その保管容器に入れた僕の魔力は、魔界の魔力に同質化しなくなりますか…?」
一つ堰が切られると、問いに擬態した恐れがぽろぽろと口をついて出た。
「…L様は、その保管した分も含めて…僕の魔力をどう使うつもりですか?
人間の世界に行くことにも使いますか…?」
「……………なるほど、そういう懸念か」
魔物はじっくりと僕を見つめた後、合点がいった様子を見せた。
そして、さらりと答えた。
「お前の魔力は主に、希少種の保全や研究に使おうと考えている」
「希少種…?研究…?………え?」
予想だにしなかった単語が突然現れ、僕は混乱した。
僕の反応を見て魔物は「順番に答えてやろう」と言い、例の水晶玉を一つ手に取ってきた。
「まずこの保管容器だが、これは魔力誘導以外の加工は施していない。
よって、これに入れた魔力は通常であれば魔界の魔力へ同質化される…が、」
ああ、よかった…!
そうさっさと安心してしまいたかったが、それにはまだ早そうな気配があった。
僕は固唾をのんで続きを待った。
「同質化させずに保管することも可能だ。すでにお前はそれを体験している。」
「え…?」
”体験している”…?
今回はここまでにします~
ではまた~
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